パソコンで文字を入力する際に必須なのがキーボード。こだわりを持っている方も多く、ネットを眺めると様々なキーボードの写真を目にします。
僕が今まで使っていたキーボードは『Apple Magic Keyboard』と『Razer Huntsman Mini』の2種。それぞれMac用・Windows用として使っていました。
ただずっと悩んでいたのは、デスクに2つもキーボードがあると単純に邪魔……という事。
そこで今回、Mac、Windows両方とも使え、デザインも良いキーボードを探し求め購入したのが『Keychron K3 Non-Backlightモデル』。
テンキーが無く、矢印キーの周辺をコンパクトにまとめた「75%キーボード」とカテゴライズされる本製品。
実際に使ってみて「使用感」「打ち心地」「メリット・デメリット」「注意するべき点」などを詳しくレビューしてきます。
「技適」にも触れますので、Keychronを始め、海外からキーボードを買おうと思っている方は、本記事を参考にして頂ければと思います。
タップできる目次
Keychron K3 Non-Backlightモデルとは?
Keychron(キークロン)とは、2017年に設立された比較的新しいメーカー。香港を拠点に一流のデザイナー、マーケター、製造の専門家で構成され、製造は20年の経験を持つ工場と提携し、品質の向上に努めているとの事です。
日本では株式会社コペックジャパンが代理店となっています。
海外の新興メーカーながら、最近では大手家電量販店でも取扱があるなど、着実に知名度を上げてきており、日本国内でもかなり人気が高まってきているキーボードメーカーの一つと言えます。
スペック
Keychron K3 Non-Backlightモデル | |
---|---|
Bluetooth | 5.1 |
キー数 | 84 |
キー配列 | US |
スイッチ | Gateronロープロファイル・メカニカルスイッチ |
軸 | 赤軸/青軸/茶軸 |
キーキャップ素材 | ABS |
バックライト | − |
対応システム | Windows/Android/Mac/iOS/Linux |
バッテリー | 1550mAh |
充電ポート | USB-C |
サイズ | 306×116×17〜22mm |
重量 | 約483g±10g |
『Keychron K3 Non-Backlightモデル』のスペックは上記の通り。
軸は「赤(リニア)・茶(タクタイル)・青(クリッキー)」の3種類が用意されています。
Keychron K3通常版との違い
本製品は「Non-Backlight」ですが、Keychron K3の通常版も存在します。
詳しい違いは下記の通り。
Non-Backlight モデル | 通常版 | |
---|---|---|
本体色 | 白 | 黒 |
バックライト | − | ホワイト / RGBバックライト |
キー配列 | US配列 | JIS配列/US配列 |
スイッチ | Gateronロープロファイル・メカニカルスイッチ | |
軸 | 赤軸/青軸/茶軸 | |
ホットスワップ対応 | − | 対応モデルあり |
通常版であれば、バックライトがホワイト/RGBで選べたり、後からキースイッチの交換が出来る「ホットスワップ」に対応したモデルもあるなど、豊富なラインナップとなっています。
ただ、本体色が「白」の製品は「Non-Backlightモデル」しか無いので、白が欲しかったらNon-Backlightモデル一択となります。
Keychronは様々な種類のキーボードを販売していますが、本体色が白い製品ってほぼ無いので、貴重なモデルと言えます。
パッケージ内容
『Keychron K3 Non-Backlightモデル』を開封し、パッケージ内容や本体外観を見ていきます。
パッケージはかなりしっかりとした箱が採用されており、高級感があるデザイン。
本製品は「赤軸/青軸/茶軸」の3タイプ用意されていますが、今回入手したのは「赤軸」です。
パッケージを開けると、クイックスタートガイドなどが入っており、その下にキーボード本体が収められていました。
パッケージ内容は上記の通り。
付属していたユーザーガイドは英語と中国語でした。
勘の良い方なら、すぐ分かると思いますが、海外のKeychronから直接購入したものと思われます。(その辺りも含めて詳しくは後述)
付属するキーキャップ。
初期状態ではMac用のキーになっていますが、これに付け替えることでWindows用としても使えます。
付属のUSB-A to Cケーブル。
有線で繋ぐ時に使う他、キーボード本体の充電をする際にも使用します。
キーキャッププーラー。これを使うと簡単にキーキャップの交換が可能です。
本体外観・サイズ感
『Keychron K3 Non-Backlightモデル』の本体外観・サイズ感を見ていきます。
キーボード本体のサイズは「306×116mm」とかなりコンパクト。
矢印キーや、その上にある「Home」キーなどが、ギュッとまとまっているレイアウトになっており、「75%キーボード」と呼ばれているものにあたります。
横から見た様子。
手前側の厚みが17mm、奥側の厚みが22mmと少し傾斜が付いています。
本製品は「ロープロファイル」キーボードなので、一般的なキーボードと比較して高さが低いのが特徴。
本体上部には、「Bluetooth / 有線」の切り替えと、OS切り替えのスイッチが付いています。
本体上部中央には、有線使用時および本体充電時に使うUSB-Cポートがあります。
本体背面には四隅に滑り止めが付いています。
本製品は「Ver.2」から、角度調整用の脚が付きました。
調整可能範囲は「0° / 6° / 9°」の3種類。
好みに合わせて角度調整が可能です。
Keychron K3 Non-Backlightモデルの使用レビュー
実際に『Keychron K3 Non-Backlightモデル』を使ってみますが、まずはキーキャップを交換します。
キーキャップを白に交換
Keychron K3はESCキーの色がオレンジになっており、ちょっとしたアクセントとなっていますが、個人的には真っ白の方が好きなため、付属してきた白いESCキーに交換します。
付属のキーキャッププーラーで、キーキャップを引っこ抜き、白へと交換。
無事、白へと交換できました。
めっちゃ美しい…!
凄く自分好みのクリーンな印象のキーボードになりました。
実際に文字入力を試してみます。
打鍵感は良好。今までメインで使っていたキーボードが『Apple Magic Keyboard』というめっちゃ薄いキーボードだったので、それと比較すると、しっかりとしたタイピング感があって、気持ちよく文字の入力ができます。
軸と打鍵音について
『Keychron K3 Non-Backlightモデル』自体は、「赤軸/青軸/茶軸」の中から軸を選べます。
それぞれの特徴は以下の通り。
軸に関しては完全に好みが分かれる所ではありますが、打鍵音を気にするなら「赤軸」が良いと思います。
今回の製品も赤軸。
実際に文字入力をしてみましたが、メカニカルっぽい打鍵音はするものの、極端に大きくはない…気がします。
某地獄のミ○ワみたいに、「ッターン!」ってやらなければ、ある程度どのような空間で使っても大丈夫じゃないかなとは思います。
実際にタイピングする様子を動画で紹介
写真よりも動画で見たほうが分かりやすいと思いますので、実際にタイピングした様子を動画に収めました。
音声はカメラ本体(SIGMA fp L)のマイクから録音しており、キーボードからカメラまでの距離は50〜60cm程度です。
動画で見るとかなり「カチカチ」聞こえますが、実際には、どちらかと言えば「カタカタ」という風に聞こえます(分かりづらいw)
「赤軸」と言えど、それなりに音はしますが、よほど強くタイピングしない限り、そこまでうるさくはないんじゃないかな……なんて思っています。
3台までBluetoothで接続でき、ボタンで切り替えられる
「Keychron K3」は、USBケーブルによる有線接続の他に、Bluetoothを使い3台まで同時に接続することが可能です。
「Fn+1 / Fn+2 / Fn+3」とキーを組み合わせる事によって、それぞれに1台ずつペアリングが可能。ペアリングした後は「Fn+1 / Fn+2 / Fn+3」を押すだけで、接続するデバイスを切り替えられます。
僕は「MacとWindowsのキーボードを共通化」がやりたかったので、『Keychron K3 Non-Backlightモデル』でようやくその夢が実現しました。
ただまぁ、実際に使ってみると、デバイスの切り替わり自体は上手くいくのですが、Bluetoothの切り替わりに少しだけ時間がかかる点は少し気になります。
時間がかかると言っても、2〜3秒程度ではあるのですが、もっと瞬時に切り替わると更にストレスフリーになるのになと感じました。
実は一部にバックライトが付いている
『Keychron K3 Non-Backlightモデル』は、その名の通りバックライト非搭載モデルなのですが、実は一部のキーにだけバックライトが付いています。
1/2/3、capsキーにだけはライトが付いており、Bluetoothの接続機器を切り替える度にライトが点灯して、現在何番のデバイスに繋がっているのかが分かるようになっています。
複数デバイスを切り替えて使う人にとってはかなり親切な機能ですね。
キーキャップが反っている?
本製品に予め付いているキーキャップは、シンプルなデザインでとても好みなのですが、どうも両側に反っている様です。
指にフィットしやすくするためでしょうか。
実際にタイピングしていて、とくにこれが弊害になることは無いのですが、人によっては気になるかもしれません。
誤入力(タイプミス)が増えた
これは実際に使ってみて一番困った点です。
本製品を使い始めてから、明らかに誤入力が増えました。
原因は「BackSpaceキー」や「Enterキー」の右にあるキー達。
ブログ書いていて、間違った文字を消そうと「BackSpaceキー」を押したつもりが「pageupキー」を押してしまうという事が頻発し、結構ストレスに感じます…
『Apple Magic Keyboard』の場合、一番右に「BackSpaceキー(deleteキー)」や「Enterキー(return)キー」があるので、まず間違える事無いんですよね…
これは「Keychron K3」だけではなく「75%キーボード」が抱えている問題と言えます。
キーの無効化とか出来れば良いのでしょうが、どうも出来無さそうなので困っています…。
技適について
『Keychron K3 Non-Backlightモデル』に限らず、日本国内でBluetooth機器を使いたい場合、「技適」が必須です。
「技適」とは「技術基準適合証明」の略で、総務省が管轄しているもの。技適に適合している製品は「技適マーク」が付いています。
技適マークが付いていない(技適の取得をしていない)製品を使った場合、電波法違反となり、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金の対象となります。
日本の代理店から販売されているものであれば、代理店が技適を取得しており、日本国内で問題なく使えるのですが、今回僕は『Keychron K3 Non-Backlightモデル』をメルカリで購入しました。
メルカリの製品ページでは技適についての記載が無く、僕もあまり詳しく知らなかったので、購入した後に気づいたのですがキーボードのどこを見ても技適マークがありません。
恐らくこれは、海外のKeychronから直接購入した製品だと思われます。
電波法に引っかかるのは、Bluetooth使用時なのでUSBケーブルによる有線接続すれば問題はありませんが、それだと意味無いですよね…
Bluetooth製品は大人しく日本の正規代理店から購入するべきだなと、つくづく思い知らされました…。
しかし日本のKeychron正規代理店であるコペックジャパンのサイト見ても『Keychron K3 Non-Backlightモデル』はずっと売り切れなんですよね…。どうしても手に入れたい場合、メルカリなんかに頼らざるを得ない状況というのも悩ましい所です。
特例制度を使えば、技適なしの製品でも申請すれば最大180日使える
上記の様に、基本的には「技適マーク」が無い製品は、原則日本国内で使うことは出来ないのですが「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」というものが用意されています。
この制度を利用すれば、技適マークが無い製品でも「実験目的」という名目で最大180日の使用が出来るようになります。
利用には、「ユーザー登録」や「マイナンバーカードによる本人確認」など、結構面倒な作業が必要となるのですが、安全のためにこの特例制度の申請をしておきました。
作業自体は面倒なものの、手続きは全てオンラインで完結できるので技適マークが無い製品を使いたい場合はやっておくのが良いかと思います。
Keychron K3 Non-Backlight モデルのレビューまとめ
『Keychron K3 Non-Backlight モデル』は、Keychronの中では珍しい白い本体カラーが特徴的なキーボード。
デザインは非常に美しく、所有欲を満たしてくれます。
キーボードとしての性能も申し分なく、メカニカルっぽいしっかりとした打鍵感は、気持ちよくタイピングが出来ます。
ただ、キー配列がUS配列しか選べない点や、「BackSpaceキー」「Enterキー」の右に操作キーがあるためにタイプミスが発生するなど、使う人を選ぶキーボードという印象でした。
また、「そもそも入手困難」という大きな問題も。
2023年3月現在、日本のKeychron.jpでは売り切れが続いています。技適問題もあるので、海外からの個人輸入はなるべく避けたほうが良い事を考えると、代理店さんに頑張って頂きたいなと思いました。
結局新しく『Keychron K1 SE』買っちゃいました…。
COMMENT