我が家で現在使っている洗濯機は、「パナソニック Cuble(キューブル)」シリーズの『NA-VG2200』。このキューブルシリーズは、直線的なフォルムが特徴的なデザイン性に優れたドラム式洗濯乾燥機です。
現在使っている『NA-VG2200』は、2017年に販売されたモデルですが、2024年現在、既に6年以上我が家で使い続けています。
同じパナソニックのドラム式洗濯機には、「LXシリーズ」という高機能ドラム式洗濯乾燥機もありますが、「LXシリーズ」とキューブルは何が違うのか、キューブルのメリットやデメリットは何があるのかを、6年以上「キューブル」シリーズを使っている僕が詳しく解説していきます。
また、よく「キューブル」シリーズでは「乾燥機能が弱い」という評価も目にしますが、実際にはどうなのか?という点も含めて解説していきますので、「キューブル」シリーズが気になっているという方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
本記事は、2024年6月に最新情報を反映し、内容を更新しています。
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ドラム式洗濯乾燥機 Cuble(キューブル)とは?
Cuble(キューブル)とは、パナソニックから販売されている「ドラム式洗濯乾燥機」。
その最大の特徴はデザイン。
一般的な洗濯機とは異なった、直線的でキューブ状の形状で、ノイズが少ないデザインとなっているので、洗面台周りに置いても必要以上に主張せず、自然にインテリアに溶け込むのが特徴です。
実際、この「Cubleシリーズ」は、2017年の【グッドデザイン賞ベスト100】を受賞するなど、そのデザイン性は各方面から高い評価を得ています。
一方で、機能面でも他のドラム式洗濯機に大きく見劣りしないのも特徴の一つ。
タンクから自動的に洗剤と柔軟剤を投入してくれる「液体洗剤・柔軟剤 自動投入」や、汚れ落ちの向上に繋がる「泡洗浄」機能などを搭載するなど、デザインだけではなく洗濯機としての基本性能も高いです。
スペック
「Cuble(キューブル)」シリーズのスペックを見ていきます。なお、こちらは2024年現在販売されている「現行モデル」のスペックとなっています。
NA-VG2800L/R | NA-VG780L/R | |
---|---|---|
洗濯・脱水容量 | 10kg | 7kg |
乾燥容量 | 5kg | 3.5kg |
標準使用水量 | 78L | 69L |
消費電力 | 1190W | 1190W |
消費電力量 | 1980Wh | 1750W |
洗濯時間 | 30分 | 30分 |
乾燥時間 | 195分 | 200分 |
動作音 | 洗濯:32dB 脱水:42dB 乾燥:46dB | 洗濯:32dB 脱水:42dB 乾燥:46dB |
乾燥機能 | 低温風パワフル乾燥 | 低温風パワフル乾燥 |
スゴ落ち泡洗浄 | ◯ | ◯ |
液体洗剤・柔軟剤 自動投入 | ◯ | − |
ナノイーX | ◯ | − |
AIエコナビ | ◯ | |
スマホで洗濯 | ◯ | − |
本体サイズ | 639×1050×665mm | 639×1050×600mm |
本体重量 | 74kg | 70kg |
カラー | スモーキーブラック フロストステンレス | シルバーグレー |
2024年現在のラインナップは『NA-VG2800L/R』『NA-VG780L/R』の2モデル。
スペックを見て分かる通り、機能面では『NA-VG2800L/R』の方が優れています。
価格も数万円程度しか変わらないので、『NA-VG780L/R』を選ぶ理由はあまり無いのですが、唯一本体サイズは『NA-VG780L/R』の方が小さいという特徴があります。
幅や高さは一緒なものの、奥行きが『NA-VG2800L/R』は66.5cmなのに対し、『NA-VG780L/R』は60cmと、縦型洗濯機と同じサイズに収まっているので、洗濯機置場が狭い場合も『NA-VG780L/R』であれば、置ける可能性は高いです。
LXシリーズとキューブルの比較
パナソニックのドラム式洗濯乾燥機は、ヒートポンプ採用の「LXシリーズ」と、「キューブルシリーズ」の2つがラインナップされています。
両者に色々と違いはあるのですが、主なスペックの違いをピックアップしてまとめたものが下記の表です。
NA-LX129CL/R | NA-VG2800L/R | |
---|---|---|
洗濯・脱水容量 | 12 Kg | 10 kg |
乾燥容量 | 6 Kg | 5 kg |
標準使用水量 | 83 L | 78 L |
消費電力 (定格洗濯時) | 68 Wh | 70 Wh |
消費電力 (乾燥時) | 890 Wh / 620 Wh (省エネモード) | 1980 Wh |
洗濯時間 | 32分 | 30分 |
乾燥時間 | 98分 / 165分 (省エネモード) | 195分 |
動作音 | 洗濯:32dB 脱水:42dB 乾燥:46dB | 洗濯:32dB 脱水:42dB 乾燥:46dB |
乾燥機能 | ヒートポンプ式 はやふわ乾燥 | ヒーター式 低温風パワフル乾燥 |
スゴ落ち泡洗浄 | ◯ | ◯ |
液体洗剤・柔軟剤 自動投入 | ◯(トリプル自動投入) | ◯ |
ナノイーX | ◯(ナノイーX槽カビ菌除菌) | ◯ |
AIエコナビ | ◯ | ◯ |
スマホで洗濯 | ◯ | ◯ |
除菌乾燥 | ◯ | − |
操作パネル | カラータッチパネル | LED操作パネル |
本体サイズ | 639×722×1,060 mm | 639×665×1,050 mm |
本体重量 | 82 Kg | 74kg |
カラー | マットホワイト | スモーキーブラック フロストステンレス |
基本的な洗濯機能に大きな差は無いのですが、やはり乾燥機能を中心に差があります。
乾燥機能は採用されている方式によって乾燥時間や消費電力が大きく異なり、「LXシリーズ」で採用されている「ヒートポンプ式」の方が一般的には優れているため、キューブルが採用している「ヒーター式」は見劣りしているというのが正直な所です。
実際にキューブルで乾燥している様子は、この後詳しくレビューしていますので、気になる方はご覧ください。
ドラム式洗濯乾燥機 Cuble(キューブル)の本体デザイン
Cuble最大の特徴である「本体のデザイン」について見ていきます。
なお、僕が使っているモデルは『NA-VG2200R』という現在は既に終売しているモデルで、現行モデル『NA-VG2800L/R』とは色合いが異なります。
ただ、色以外のデザインは現行モデルでも大きく変わらないので、参考にはなるかと思います。
本体の形状
本体のフォルムは直線的で、スタイリッシュな印象。
一般的なドラム式洗濯乾燥機は、ドラムの形状に合わせてか丸みを帯びた製品が多い中で、”キューブル”という名の通り、まさにキューブ状の形状。
ドアを開けた様子。僕が購入したのは”右開き”のモデルですが、左開きのモデルもあるので、設置場所によって好きな方を選ぶことが可能です。
ドラム内部はちょっと斜めの傾斜が付けられており、洗濯物の出し入れがしやすいような工夫がなされています。
ドラム内はこの様な形状となっています。
本体上部
本体上部は出っ張りのないフラットな形状。
凹凸が無いので、洗濯カゴなども置きやすく、使いやすいです。見た目がスッキリしているのも良いですね。
洗剤・柔軟剤自動投入口
本体上部には、洗剤と柔軟剤を予めセットしておくためのタンクがあります。
洗剤は870ml、柔軟剤は580mlと、一般的な詰替パウチであれば1個分以上の容量があります。
また「おしゃれ着洗剤」など、異なる洗剤を投入したい場合は、別途設けられた投入口から手動で洗剤を入れることで対応可能です。
乾燥フィルター
本体上部にもう一つ見えるのは、乾燥フィルター。
衣類乾燥時に出る細かいホコリをこちらのフィルターで取ってくれます。
なお、このフィルターは毎回乾燥後にお手入れが必要。
操作パネル
現行モデルは、操作パネルは全て物理ボタンが採用されているのですが、僕が使っている『NA-VG2200R』の操作パネルはタッチパネルとなっています。
タッチパネル方式は、電源が入っていない場合、この様に表示が見えなくなり見た目がスッキリするのが特徴ですが、現行モデルに採用されていない理由は耐久面で問題があったのでは…と考えています。
このタッチパネル、使い始めた当初は良かったのですが、最近では経年劣化のせいなのか、触れていないのに「ピッ」と音がなる場合があるなど、動作が怪しい時があります。
そういった事を考慮され、現行モデルでタッチパネル方式が廃止されたのではないと思います。
ドラム式洗濯乾燥機 Cuble(キューブル)の使用レビュー
『NA-VG2200R』を5年以上使った上で感じている、実際の洗浄力や使用感、乾燥機能などを詳しくレビューしていきます。
洗浄力
一般的に「ドラム式は縦型洗濯機と比較して洗浄力が弱い」と言われますが、個人的には洗浄力が弱いと感じた事はありません。
キューブルはドラム式洗濯機の洗浄力の弱さを「泡洗浄」などの機能を駆使して補っています。泡洗浄とは、洗浄液を泡立てる事で繊維の奥深くまで浸透させて汚れを落とすという機能。
普通の汚れであれば、十分に汚れを落としてくれますが、更にひどい汚れの場合は「温水泡洗浄」というコースも用意されており、洗浄力は縦型洗濯機と比較してもそこまで目劣りすることは無いと思います。
ただ、やはりソースやケチャップなどの食べこぼしによる頑固な汚れは落としきれない時もあります。その際はの「ワイドハイター」などの衣類用漂白剤を併用して使っており、概ね汚れは落とせていると感じています。
乾燥機能
前述した通りキューブルで採用されているのは「ヒーター式」という乾燥方式で、「LXシリーズ」が採用している「ヒートポンプ式」と比較すると見劣りする点がいくつかあります。
「ヒーター式」「ヒートポンプ式」の詳しい違いは以下の通り。
ヒーター式 | ヒートポンプ式 | |
---|---|---|
仕組み | ドライヤーの様に、 温風を当てて衣類を乾かす | 除湿機の様に、 乾燥した空気を当てて衣類を乾かす |
衣類へのダメージ(縮みなど) | 縮みやすい | 縮みにくい |
消費電力 | 多い | 少ない |
本体サイズ | 小さい | 大きい |
それぞれ特色はありますが、特に「消費電力」や「衣類のダメージ」という点でいうと、やはりヒートポンプ式の方が優れています。
特に消費電力に関しては、かなり差があり、
NA-LX129CL/R | NA-VG2800L/R | |
---|---|---|
定格洗濯乾燥時(標準乾燥モード) | 890Wh | 1,980Wh |
と、2倍ほどキューブルの方が消費電力が多い計算となります。
「乾燥機能を重視している」「日々のランニングコスト」を抑えたいという場合、「LXシリーズ」を選んだ方が良いと思います。
衣類のダメージ(縮み)はそこまで気にしなくても良い
消費電力の大きさは悩ましい点ですが、一方で衣類のダメージ(縮み)に関しては、キューブルシリーズは「低温風パワフル乾燥」という機能を採用しているため、あまり気になりません。
「低温風パワフル乾燥」とは、室温+15℃の低温風を使い衣類を乾燥させる方法。
一般的なヒーター式の温風は80℃近くになるために衣類の縮みが発生しやすいですが、この「低温風パワフル乾燥」であれば、約30〜40℃前後の低温風を使うためにダメージが少ないのが特徴。
実際に僕も長年このキューブルで衣類を乾燥させていますが、縮みが気になった事はありません。
ただ、絶対に縮まないという訳ではないので、そもそも乾燥機に対応していないデリケートな素材や衣類は乾燥させない方が良いです。
乾燥の仕上がり自体は良好
ここまで見てきたように、キューブルの乾燥機能は「ヒーター式」を採用している為に、消費電力などの点では見劣りしますが、乾燥の仕上がり自体は非常に良好です。
以前まで、「乾燥機能付きの縦型洗濯機」で衣類を乾燥させていましたが、それと比較すると明らかにキューブルで乾燥させたほうが乾きが良く、ふんわりとした仕上がりになります。
ドラム式と言えば、「温かいふんわりとした仕上がり」を想像すると思うのですが、キューブルでもその想像通りの仕上がりになるので、しっかりと乾燥できるという点は強調しておきたい所です。
デザインがオシャレ
長年使っていると流石に汚れてきますが、それでもキューブルのデザインの良さは色褪せないですね。
最近では他のメーカーもデザイン性に優れた製品を出してきていますが、やはりキューブルほどにシンプルでノイズの少ないデザインはあまり多くありません。
一方で海外製品に目を向けると、ドイツの家電メーカーである「Miele(ミーレ)」のドラム式洗濯機も、デザインに優れていると有名です。
かのスティーブ・ジョブズもミーレの洗濯機を使っていたと言われており、そのデザイン性の高さは折り紙付き。
ただ、Mieleの洗濯機は「200Vのコンセントが必要」「重量が100kg近く、床の補強が必要」「価格が高い」と、導入するまでのハードルが高く、なかなか気軽に買えるものではありません。
日本国内の家電量販店で購入できるデザイン洗濯機となると、キューブルが唯一と言えそうです。
本体サイズがコンパクト
一般的にドラム式洗濯乾燥機はサイズが大きく、洗濯機の設置場所には結構制限があります。
マンションなどの場合、洗濯機置場が小さく縦型洗濯機しか置けないといった事もあります。
実際に僕が以前住んでいたマンションは洗濯機置場が狭く、他メーカーのドラム式洗濯乾燥機は置けないと言われましたが、そんな狭い場所でも唯一「Cuble(キューブル)」のみ設置可能でした。
NA-VG2800L/R | NA-VG780L/R | |
---|---|---|
幅 | 63.9cm | 63.9cm |
高さ | 105cm | 105cm |
奥行き | 66.5cm | 60cm |
現行「Cuble(キューブル)」シリーズのサイズは上記の通りとなっており、縦型洗濯機と同等のサイズを実現しています。
洗濯機置場が小さいからドラム式は無理かな…と、サイズが問題でドラム式洗濯機を諦めていた方は、この「Cuble(キューブル)」シリーズであれば入る可能性があるので、検討してみるだけの価値はあります。
洗剤・柔軟剤の自動投入が超便利
実際に使ってみると、感動するレベルで便利なのが「洗剤・柔軟剤の自動投入機能」。
これは一度使ってしまうと、自動投入の無い洗濯機には戻れませんね…。
我が家では、大容量の洗剤・柔軟剤を購入し使っています。大容量タイプは価格が安いので経済的にもお得。
ドラム式洗濯乾燥機 Cuble(キューブル)のデメリット
キューブルを使って感じているデメリットもありますので、正直に書いていきます。
乾燥時間が長い
「Cuble(キューブル)」シリーズで採用されている乾燥方式「低温風パワフル乾燥」は、室温+15℃の低温風によって衣類を乾かすため、衣類へのダメージが少ないことはメリットですが、反面、乾燥時間はかなり長いです。
これは低温な風で乾かしている為に水分が飛ばず、その分時間が伸びているものと思われます。
洗濯機を動かすと、大体の目安時間が本体の操作パネルに表示されますが、「洗い〜すすぎ〜脱水」までは概ね目安時間通りなのですが、乾燥だけは時間通りには終わらないことがほとんど。
だいたい残り55分くらいになると、時間表示が点滅し、そこから時間が経過しなくなります。
これは故障ではなく、乾燥が不十分な場合、このように残り時間が減らずに調整される仕様のようです。季節や洗濯機置場の湿度などにも左右されますが、この状態のまま普通に1時間とか経過している事もしばしば。
急いで乾燥を終わらせたい場合、衣類の量を減らすなどの工夫が必要になります。
乾燥時の排気で部屋の湿度が上がる
ヒーター式は、温めた空気を衣類に当て、それを本体外に排出する事で衣類を乾燥させる方式です。
そのため、湿気を含んだ温かい空気がそのまま部屋に排出されるという事になります。
洗濯機置場に換気扇が無い場合などは、湿気がこもるので注意が必要です。
細かい衣類が洗濯槽とドアパッキンの間に挟まる
写真の通り、特に靴下などの細かい衣類が洗濯槽とドアパッキンの間に挟まる事が多くあります。原因を調べてみると、どうやら洗濯物の量が多いとこのような事が起こるらしいですが、量を減らしても結構挟まっている時があり困っています。
対策として、100円ショップで買ってきた小さな洗濯ネットの中に、細かい衣類を入れて洗濯するようにしました。洗濯ネットの中に入れておけば挟まることも無いので、今の所快適に使えています。
これが「Cuble(キューブル)」シリーズ特有の問題なのか、単純に故障しているだけなのかは分かりませんが、これ以上酷くなった場合、サポートに連絡してみようかと思っています。
ドラム式洗濯乾燥機 Cuble(キューブル)のレビューまとめ
「Cuble(キューブル)」シリーズは、直線的なフォルムが特徴的で、スタイリッシュな印象を与えてくれるデザインに優れたドラム式洗濯乾燥機です。
ノイズの少ないデザインは、どのような空間に置いてもインテリアとマッチしてくれます。
また、ドラム式洗濯乾燥機としては本体サイズが小さく、狭いスペースにも置けるのも魅力的。
キューブルシリーズ唯一の弱点である、乾燥方式が「ヒーター式」という点は確かにマイナスポイントですが、そこそこちゃんと衣類は乾いてくれるので、「乾燥機能が最重要」という場合を除けば、十分に仕事はしてくれると思います。
何よりもこのキューブルは”所有欲”を満たしてくれるという意味で唯一無二の存在。デザインが良いドラム式洗濯乾燥機を探しているなら、まずキューブルが候補にあがる事は間違いありません。
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