随分前に購入したPS4(CHU-1200)ですが、ここ最近ゲーム機としては使ってなく、もっぱらプライムビデオ再生機となっています。
久々にゲームでもするかと思い、起動してゲームを立ち上げたら、ファンが恐ろしいほどの爆音を上げ始め、ゲームどころじゃなくなってしまいました。
これは、恐らく内部にかなりホコリが溜まっているのでは無いかと思い、分解して掃除してみることにしました。
掃除に必要な道具や手順などを詳しく解説していますので、興味ある方はぜひご覧ください。
ただし、分解するとメーカーの保証が受けられなくなるので、あくまで自己責任でお願いします!
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爆音のするPS4
問題のPS4。
型番は「CHU-1200」なので、2015年に発売されたPS4としては3番目にあたるモデル。流石にもう6〜7年前のものなので、かなり内部も汚れているものと思われます。
PS4内部にホコリが溜まると、熱が上手く外に排出できず、熱を下げようとファンが高速回転して爆音になる…という現象が起こるので、内部の掃除って意外に重要です。
このPS4も爆音だったので、iPhoneで簡易的に騒音レベルを計測してみた所、55dBくらいでした。
エアコンの室外機近くが50dB前後らしいのですが、室内という事もあってか数値以上に音が大きく感じます。
本体、自分で分解するとメーカーの保証が受けられなくなるのですが、もう既にかなり古いモデルで保証期間が過ぎている事などを考え、半分壊れてもいいやという気持ちで分解して掃除してみる事にしました。
PS4の分解に必要なもの
PS4を分解・掃除するにあたり、以下のものを用意しました。
PS4の分解には、一般的なプラスドライバーに加え、日本ではあまり使われていないトルクスドライバーが必要です。
トルクスドライバーは先端が六角星状になっており、主にアメリカなどで使われている「トルクスねじ」の開け締めに必要なもの。
PS4の他に、MacなどのApple製品にも採用されていたりします。
トルクスドライバーは、ホームセンターやAmazonなどで購入できますが、100円ショップでも取り扱っている店があるらしいので、必要な方は探してみると良いでしょう。
僕の場合、近所のダイソーまで探しに行ったのですが、売っていなかったのでAmazonで購入しました。
その他、ウェットティッシュなどは内部のホコリを拭き取るために、CPUグリスは搭載されているAPUの放熱性能を上げるために、より性能の高いグリスに塗り替えたいと思い用意しました。
CPUグリスは、PC用高性能グリスとして有名な「熊グリス」。熱伝導率12.5W/m・Kの高熱伝導率を誇る優秀なグリスです。
実際にPS4を分解
実際にPS4を分解していきます。
なお分解にあたり、様々なブログやYoutubeなどを参考しましたが、型番が違うと内部構造がかなり異なっている為、あまり参考になりません。
「CUH-1200」の分解については、あらゆる製品を分解している事で有名な修理業者「iFixit」のサイトが非常に参考になりました。
ここからは、iFixitの内容を踏まえながら、進めていきます。
HDDカバーを外す
まずはHDDから取り外し。本体のカバーはスライドさせる事で取り外せます。
カバーを外すとHDDドライブが収納されている部分が見えます。
左側にあるネジをプラスドライバーで外すと、
横にスライドできるようになり、そのままHDDを引っこ抜けます。
取り出したHDDです。ちなみに、ここまではユーザー側で分解が許されている範囲なので、HDDの換装は自分で行うことが出来ます。
保証シールの取り外し
いよいよ保証シールを剥がします。このシールを剥がすとメーカーでの修理が受けられなくなりますので、剥がす際は自己責任で。
カッターを使うと、すんなりとシールが剥がれました。
購入してからかなり時間が経過しているので、シールのノリが弱くなっているようですね。
保護シール下には「トルクスねじ」があるので、用意したトルクスドライバーで外していきます。
トップカバーを外す
次にPS4のトップカバーを外します。カバーはかなり固いので外すのに苦労しました。ちょっと怖いですが、慎重に力を込めて外していきます。
無事カバーを外せました。
ボトムカバーの取り外し
続いてボトムカバーを外します。こちらもかなり固くて、マイナスドライバーを使って何とかこじ開けました。
カバーを開けた所です。内部にかなりホコリが溜まっているのが分かります。
ファンもホコリまみれですね。。後できれいに掃除することにしましょう。
電源ユニットの取り外し
続いて電源ユニットを取り外していきます。
電源ユニットはトルクスねじで止まっているので、トルクスドライバーを使い、ネジを外していきます。
その後は手で引っこ抜けば電源ユニットを取り外せますが、
電源ユニットは基盤とコネクタで繋がっているので、一気に外して破損させてしまわないように、慎重に作業しましょう。
Wi-Fiアンテナの取り外し
この先端が丸くなっているのがWi-Fiアンテナ。これを取り外していきます。
Wi-Fiアンテナは本体を伝って上部まで伸びているので、慎重に取り外していきます。
取り外したWi-Fiアンテナ。
「アンテナ」って聞くと棒の様なものを想像しますが、ゲーム機内部に内蔵される場合、このような形状になるんですね。
ブルーレイドライブの取り外し
続いてブルーレイドライブを取り外していきます。
ブルーレイドライブは、リボンケーブルを用いて基盤と接続されています。リボンケーブルは左右どちらかに傾ける様な感じで、少しずつ取り外していけば問題なく取れます。
マザーボードの取り外し
いよいよマザーボードを取り外します。
マザーボードにはヒートシンクの意味合いも兼ねてそうなメタルシールドで覆われているので、これを取り外します。
メタルシールドは複数箇所トルクスねじで止まっているので、トルクスドライバーを使ってそれらを外していきます。
そこそこの数があるので、外したネジは無くさないように気をつけましょう。
メタルシールドを取り外したら、次にレモンの様な形(?)をしているヒートシンクを取り外します。
続いてファンも外します。
マザーボードを取り外すことが出来ました。
PS4の中はホコリだらけ
一通りパーツを外し終えたので、ケース内部の掃除をしていきます。
改めて見るとホコリの量がすごい…。
ファンにもホコリがこびりついています。
これらをウェットティッシュやエアダスターなんかを使い、キレイにしていきます。
CPUグリスの塗り直し
更にメインプロセッサの熱を放熱させるために、CPUグリスを新しいものに塗り替えていきます。
グリスは時間が経過しているためか、かなり硬化しており、ムラもあるようなので新しいものにすると硬化がありそう。
しっかりと古いグリスを落としていくと、PS4のメインプロセッサが見えてきました。こちらはAMDのセミカスタムAPUですね。
用意していた「熊グリス」を使います。
グリスの塗り方は諸説ありますが、僕はあまり細かい事は気にしておらず、隙間が無いくらいに伸ばす感じで塗っています。
グリスを塗ったので、外していたヒートシンクなどを元通りに付けていきます。
後は、PS4のカバーなどを全体的にウェットティッシュやエアダスターを使いキレイにしていきます。
掃除が終わったら元通りになるように組み立て。戻している途中に、取り付け忘れているパーツを見つけたりと、結構焦ることもありましたが、「iFixit」を見ながらなんとか無事に戻すことが出来ました。
こうやって分解すると、本当に再度起動するのかちょっと不安でしたが、心配をよそに電源ボタンを押すと、ちゃんと起動してくれたので一安心。
掃除の効果はあったのか?
掃除をしてゲームをプレイしてみましたが、明らかに静かになりました。
無音になった…という訳ではありませんが、掃除をする前に聞こえた「ウィーン!!」というファンの爆音は無くなり、購入当時と同じくらいの静かさに戻った気がします。
iPhoneを使い、音の大きさを計測してみた所「45〜50dB」ほどの範囲に収まっており、掃除前と比較して10dBほど音が軽減されているのが分かります。
これであれば、ゲームプレイにも集中できそう。
今回の作業は色々と調べながらやったので、作業時間的には2時間ほどかかってしまいましたが、苦労したかいがあったなと思うくらい、劇的な効果がありました。
自分で分解するとメーカー保証が受けられなくなるという大きなデメリットがあるので、万人にオススメ出来るわけではありませんが、作業自体は道具さえあればそこまで難しいものでは無いので、PS4の音がうるさくなってきた…とお困りの方は挑戦してみる価値あると思います。
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