最近はスマホに搭載されたカメラの進化が凄くて、かなり綺麗な写真が撮れますが、それでも子供の写真や風景など、より高画質で残しておこしておきたい場合、一眼レフカメラが欲しい所。
僕は今まで『SONY α6600』というミラーレス一眼カメラを使っていましたが、今回『SIGMA fp L』という、フルサイズミラーレス一眼カメラに買い替えました。
『SIGMA fp L』は、6,100万画素のイメージセンサーを搭載しながら、コンパクトデジカメの様なサイズ感を実現した、世界最小・最軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラです。
圧倒的な解像感とコンパクトさを両立させた非常に優れたカメラなのですが、このサイズを実現するために犠牲になったものも多く、手ブレ補正が無い、バッテリー持ちはあまり良くない、AF(オートフォーカス)が少し迷うといった欠点も見えてくるカメラです。
本記事では、そんな『SIGMA fp L』の開封から、実際に使ってみて感じた使い勝手、作例なども交えてレビューしていきます。
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SIGMA fp Lとは?
6,100万画素のフルサイズイメージセンサーを搭載した、ミラーレス一眼カメラです。
「イメージセンサー」とは、ソニーのサイトによると以下のような説明がされています。
デジタルカメラやスマートフォンに内蔵されているイメージセンサーは、写真を撮影する際にカメラのレンズから入った光を電気信号に変えてデータ転送する役割があります。イメージセンサーの大きさはいくつか種類があり、大きくなるほど画質が良くなるほか、画角なども変わってきます。
出典:ソニー カメラの基礎知識/カメラのイメージセンサーサイズの違いとは
カメラのイメージセンサーは、人間だと網膜に例えられることが多く、サイズが大きければ、その分光を多く取り込む事が出来るため、暗い場所でもノイズが少ない綺麗な写真が撮れるなどの特徴があります。
反面、イメージセンサーの大きさは、そのままカメラ本体の大きさにも直結してくるのですが、『SIGMA fp L』は、フルサイズイメージセンサーを搭載しながら、世界最小のサイズを実現した意欲的なカメラです。
スペック
SIGMA fp L | |
---|---|
イメージセンサー | 35mmフルサイズ(36.0×24.0mm)裏面照射型CMOSセンサー |
レンズマウント | Lマウント |
有効画素数 | 約6,100万画素 |
ISO感度 | ISO100〜25600、拡張感度 ISO6、12、25、50、51200、102400 |
記録フォーマット | DNG、JPEG |
画像縦横比 | 21:9、16:9、3:2、A判、4:3、7:6、1;1 |
静止画撮影可能枚数 | 240枚 |
AF | 位相差検出AF、コントラストAF |
手ブレ補正 | 電子式 |
映像フォーマット | CinemaDNG、MOV |
動画撮影可能時間 | 60分 |
本体サイズ | 112.6×69.9×45.3mm |
重量 | 375g(ボディ単体) |
スペックは上記の通り。
フルサイズかつ6,100万画素という高解像度ながら、ボディ単体で重量が375gと非常に軽いのが特徴。
また、ライカLマウントを採用しており、ライカやパナソニックのレンズも使用可能となっています。
パッケージの内容
『SIGMA fp L』を開封して、パッケージ内容や本体外観を見ていきます。
パッケージデザインはシンプル。SIGMAの製品ってモノトーンが基調でデザインがカッコいいんですよね…。かなり好きです。
パッケージ側面も、装飾控えめで洗練された印象です。
パッケージを開けると、内部は3つに分かれています。
カメラ本体、付属品類、マニュアル類という風に分かれており、それぞれが丁寧に梱包されています。
マニュアル類。マニュアルは結構分量があり、しっかりと各モードについて説明されています。
カメラは設定項目や操作が多いので、すぐに手にとって確認できるマニュアルがあるのは良いですね。
『SIGMA fp L』のパッケージ内容は上記の通り。
付属するUSB ACアダプター。USB-C 1ポートで、最大15Wまでの出力に対応しています。
形状が真四角でカッコいい。
『SIGMA fp L』で使うバッテリーパック。容量は1,200mAhで、写真撮影だと240枚ほど撮れるようです。
SONYやCANONなど、他社のメインモデルで採用されているバッテリーは2,000mAhを超えているものが多いので、それと比較すると容量は物足りないなと感じるのが正直な所。
長時間撮影の予定がある場合、予備バッテリーがあると安心そうです。
ちなみに、このバッテリーは価格が安く、2,000円前後で購入することができるので、1個用意しておくのも良さそうですね。
付属するUSB-C to Cケーブル。
ストラップホルダー。これを本体に取り付けることでストラップが付けられるようになります。細かいパーツですが質感が非常に良いです。
付属するストラップ。SIGMAのロゴは入っていますが、それ以外は普通。
付属するホットシューユニット。ストロボ使うときなどに使います。
本体外観・サイズ感
『SIGMA fp L』の本体外観やサイズ感を見ていきます。
本体外観はコンパクトデジカメの様な雰囲気。一般的なフルサイズミラーレスってもっと”ゴツい”形状をしていますが、『SIGMA fp L』はシャープな印象ですね。
正面から見た様子。シンプルな長方形という形で、見た目は凄く好みです。
fp Lなので、Lという刻印が見えます。
カメラの背面。液晶パネルは結構大きいですが、固定されているので動かせません。
これは使い勝手の面ではマイナスですね。
また、ファインダーも付いていないので、必要な場合は別売りの電子ビューファインダー『EVF-11』を用意する必要があります。
カメラ上部のボタン類。特徴的なのは「CINE(映像)↔STILL(写真)」の切り替えスイッチ。それぞれ専用のUIが用意されています。
カメラ底面は、三脚穴とバッテリーソケット。
蓋を開けると、バッテリーソケットとSDカードスロットが見えてきます。
インターフェースは、USB-C、HDMI-micro、3.5mmステレオミニジャックがあります。
重量は、バッテリーを入れた状態で、実測433.5g。フルサイズミラーレス一眼としては圧倒的に軽量です。
ズームレンズ 28-70mm F2.8 DG DNを取り付け
カメラと一緒に購入した『28-70mm F2.8 DG DN』を取り付けていきます。
レンズ本体とフードが付属してきます。
この『28-70mm F2.8 DG DN』は、F2.8通しのズームレンズとしては、かなりコンパクトらしいです。
レンズの重量は実測で502.5g。カメラに取り付けても1kgを切る重量ですね。
レンズフィルターを取り付け
レンズ保護するために、レンズフィルターも購入。
今回購入した『WR PROTECTOR』は、撥水・防汚・帯電防止機能が付いた「WR コーティング」を採用し、汚れに強いのが特徴。
SIGMA純正なので、当然ピッタリと付き、デザイン的な相性も抜群です。
『SIGMA fp L』に『28-70mm F2.8 DG DN』を取り付けた様子。
全体としては1kgを切っているので、コンパクトなのには間違いないのですが、どうもレンズが大きく見えますね……。
持ち運びを重視するなら、パンケーキレンズなんかと合わせると良いかもしれませんね。
SIGMA fp Lの作例
『SIGMA fp L』と『28-70mm F2.8 DG DN』を組み合わせ、いくつか写真を撮ってみました。
JPG撮って出しで、リサイズ以外の調整はしていません。
夜の街など、かなりゴチャゴチャした場所でも細かい描写がされているような感じがします。
カラーモードが素敵
『SIGMA fp L』には、計15種類のカラーモードが用意されています。
どれも個性的で素敵な印象を与えてくれますが、僕が使いたかったのは「パウダーブルー」や「ティールアンドオレンジ」。
実際にそれらのカラーモードを適用したのが以下の写真です。
スタンダード
パウダーブルー
ティールアンドオレンジ
同じ写真でも、カラーモードを使うと印象がガラリと変わります。
パウダーブルーを適用すると、爽やかで透明感のある色味になります。海や空など自然との相性が本当に良さそう。
一方、ティールアンドオレンジは木の葉の色が一番分かりやすいですが、オレンジが強調された枯れたような色合いになります。”映画っぽい雰囲気”の世界観を作りだす時によく使われる色合いだそう。
この様に、カラーモードを使うことで簡単に印象的な写真が撮れるのが『SIGMA fp L』の良い所です。写真を撮るのが楽しくなりますね。
SIGMA fp Lの気になる点
『SIGMA fp L』は、世界最小フルサイズを実現するために、犠牲になっている点もあります。実際に使ってみると、ちょっとイマイチだなという点もいくつか見えてきましたので紹介。
手ブレ補正がついていない
『SIGMA fp L』には、ボディ内手ブレ補正が付いていません。また同時購入したレンズ『SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN』もレンズ内手ブレ補正は付いていないので、この組み合わせだと手ブレに対しては無防備といった状態です。
写真の場合、シャッタースピードを速くするなどすれば何とかなりますが、動画の場合ジンバルは必須かなと思います。
AFが迷う
使っていて感じるのが、AFが結構迷う印象があります。
前に使っていた『SONY α6600』は、ピントが合うのが速く、ビシッと被写体に合ってくれていましたが、それと比較すると『SIGMA fp L』は、なかなかピントが合わないことがあります。
特に気になるのが子供の写真を撮っている時。瞳AFも搭載はされているのですが、どうもポイントが落ち着かず、なかなかビシッとは合ってくれない様な感じがします。
液晶が固定
『SIGMA fp L』の背面液晶は固定なので、動かせません。
最近ではバリアングル液晶が主流となっていますが、それと比較すると明確に劣っているポイントと言えます。
自撮りは無理ですし、ローアングル撮影などもやり辛いですね。
バッテリー持ちがあまり良くない
バッテリー容量が1,200mAhと、あまり大きくない事もありバッテリー持ちはあまり良くありません。
『SONY α6600』の場合、1日持ち運んでも結構余裕だったのですが、『SIGMA fp L』だとバッテリー減りが早く、1日ガッツリ撮影する場合、予備バッテリーは必須だなと感じました。
SIGMA fp Lのレビューまとめ
『SIGMA fp L』は、6,100万画素のイメージセンサーを搭載しながら、コンパクトデジカメの様なサイズ感を実現した世界最小のフルサイズミラーレス一眼カメラです。
6,100万画素という圧倒的な解像度からは、緻密でシャープな写真が撮れます。
豊富なカラーモードを搭載しており、手軽に印象的な写真を撮れるのが楽しく、どこにでも持ち運んで行きたくなる楽しいカメラです。
世界最小を実現するために、犠牲になっているポイントもそれなりにありますが、それを加味しても、個人的にかなり気に入っています。
SONYやCANON、Nikonなどのカメラとはまた違った魅力がある『SIGMA fp L』。万人にオススメできるものではありませんが、「撮ることの真ん中だけを凝縮したカメラ」というfpのコンセプトに共感できる場合、購入しても後悔はしないのでは無いかと思いました。
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