動画やアニメ、ゲームなどをより楽しむために、無くてはならないものと言えば「スピーカー」。様々なものが販売されていますが、できれば音質が良く、大きすぎず、デザインも良くて価格が安いものが欲しいですよね。
そんな”ワガママな願い”を叶えてくれそうなスピーカーが本記事で紹介する『Edifier MR3』です。
本棚にも置けるコンパクトサイズながら、音質は明瞭感の高いクリアな音を実現。有線接続に加え、Bluetoothのマルチポイント接続にも対応、アプリによる音質調整が可能と、イマドキのトレンドをしっかりと抑えながら、価格が14,980円と手に取りやすく、コスパはかなりのものでした。
また、シンプルな形状と必要以上に無駄な装飾が無いデザインの良さも魅力的です。
実際に使ってみて感じた、使い勝手や音質などを詳しくレビューしていきます。
本記事はメーカー様より製品をご提供頂き、作成しております。
なお、記事内容についてメーカー様からの指示は無く、率直な意見・感想を記載しています。
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Edifier MR3とは?
Edifier(エディファイア)は、1996年に創られた中国発のオーディオブランド。圧倒的なコスパの高さを武器に、世界中で人気を集めています。
実際に日本国内でもAmazon.co.jpのスピーカーランキングではEdifierの製品がいくつもランクインしており、人気の高さを感じさせます。
本記事で紹介する『MR3』というモデルは、2024年に発売されたばかりの最新機種。
旧モデルである『MR4』と比較し、「ハイレゾ対応」「Bluetooth5.4対応」「ルーム補正対応」「専用アプリ対応」と、数々の機能を搭載し、価格も『MR4』より更に安く設定されているという、意欲的な製品。
『MR3』の登場により、更にEdifierの人気が加速していくのでは……と予感させる1台となっています。
スペックと主な特徴
MR3 | MR4(旧モデル) | |
---|---|---|
再生周波数帯域 | 52-40kHz | 60-20kHz |
ハイレゾ対応 | ◯ | − |
定格出力 | 36W | 42W |
SN比 | ≥85dB(A) | ≥85dB(A) |
入力 | TRSバランス/RCA/AUX | TRSバランス/RCA/AUX |
Bluetooth | 5.4 | − |
対応コーデック | SBC | − |
マルチポイント接続 | ◯ | − |
ルーム補正 | ◯ | − |
専用アプリ | EDIFIER ConneX対応 | − |
カラー | ホワイト/ブラック | ホワイト/ブラック |
サイズ | 125.5×220×185mm(アクティブ側) 125.5×220×176mm(パッシブ側) | 140×228×197.5mm(アクティブ側) 140×228×184mm(パッシブ側) |
価格 | 14,980円(税込) | 16,980円(税込) |
『Edifier MR3』は、54-40Khzという広い再生周波数帯域を誇り、ハイレゾ音源にも対応するスペックの高さが魅力的なスピーカー。
元々評価が高かった旧モデル『MR4』(旧モデルなのに型番の数字が多いのは謎でしかありませんが…)に、Bluetooth搭載やルーム補正機能、専用アプリにも対応など、現代の多用な利用シーンに合わせてアップデートされた最新モデルです。
『MR4』と比較して、サイズがよりコンパクトになり、最大出力が控えめになっている事からもわかる通り、パソコンなどの横に置いて使う、ニアフィールドリスニングにも適しています。
付属品は上記の通りです。
本体デザイン
『Edifier MR3』の本体デザインを見ていきます。
全体はシンプルな形状。ゲーミング用とかではないので、光ったりする事はありません。
ただそんな中でも、3.5インチ径ウーファーと音量調節用ノブにはブロンズが使われており、デザイン的なアクセントとなっています。
背面にはバスレフポートが設けられており、豊かな低音を表現できるような設計。
アクティブ側の背面は「Bluetoothボタン」「音質調整ノブ」「TRC端子」「RCA端子」と、入力端子やボタン類がまとまっています。
側面から見た様子。
スピーカーで良く使われるMDF木製キャビネットを採用した本体ですが、表面の質感はツヤの無いマットな感じ。
傷や汚れも目立ちにくく、落ち着いた印象を与えてくれます。
『Edifier MR3』は手頃な価格帯の製品ですが、ブロンズのアクセントもあるためか安っぽさみたいなものは感じません。
スピーカー本体底面には、あらかじめ四隅に硬質スポンジの様なものが取り付けられており、余計な振動を抑えてくれる工夫がなされています。
スピーカースタンドを使わずこのまま置いても大丈夫そう。
Edifier MR3の使用レビュー
それでは実際に『Edifier MR3』を使い、音質や使い勝手を見ていきます。
まずはセットアップから。
付属のスピーカーケーブルを使い、左右のスピーカーを繋ぎます。
電源ケーブルを接続。
付属のRCAケーブルで、パソコンと接続します。
『Edifier MR3』を設置してみた様子。
僕のデスクは白いものが中心ですが、『Edifier MR3』は良い感じに溶け込んでいるように見えます。
ブロンズの色は人によって好みが分かれるかもしれませんが、結構かわいい印象。変にギラギラしていないので、デスクに置いても悪目立ちせず調和してくれそう。
スピーカーのサイズ感も大きすぎず程よい感じですね。
こういったPC用のデスクトップスピーカーとしてかなり適しているように思います。
音質
気になる『Edifier MR3』の音質について自分の意見を述べていきます。
まず結論から言うと1万円台のスピーカーとしては、かなり音が良いと思います。
このスピーカーは「モニタースピーカー」という、原音を忠実に再生することを目的として作られているため、初期状態ではあまり味付けされていないフラットな音のバランスです。
全音域に渡り解像度高くしっかりと鳴っているとは思いますが、「音楽を楽しむ」という観点から言うと、少し地味で物足りなさを感じる部分もあります。
豊富な音質カスタマイズで自分好みの音に調整可能
『Edifier MR3』は音の良さを感じることは出来るものの、初期状態では「モニター」モードになっている事もあり、少し地味な印象を受けます。
ただ、本製品には豊富な音質カスタマイズ機能を搭載しており、自分好みの音に仕上げていくことが可能。
まずは「モードの切り替え」を試してみます。
音量調整ノブを押すと「モニター」「音楽」「カスタマイズ」と3種のモードを切り替えることができます。(後述する、専用アプリからも切り替え可能)
試しに「音楽」モードに切り替えてみると、特に中高音域の明瞭感がグッと高まり、ベールが剥がれた様なクリアな音に変化しました。
次に、背面に備えられているAcoustic Tuningノブを調整します。これは低音域と高音域を手動で調整できる機能です。
個人的に『Edifier MR3』はちょっと低音が控えめだなと思っていたので、こちらのノブで低音域を持ち上げました。
Acoustic Tuningで低音域を持ち上げても音のバランスが破綻することは無く、低音域の迫力も結構出てきて、トータルバランス的にはかなり自分好みの音になりました。
約4万円のAudioengine A2+と同等以上の音質…!?
僕はデスクを2台使っており、メインの作業用デスクには『KEF LSXⅡ』、サブのゲーム用デスクには『Audioengine A2+』を使っています。
その中でも『Audioengine A2+』は、コンパクトなサイズながらも高い音質と、シンプルなデザインが人気のスピーカー。
スピーカー本体のサイズが異なるので、正確な比較にはならないと思いますが、『Edifier MR3』と『Audioengine A2+』を並べ、音楽を聴き比べてみました。
結論を言うと、総合的な実力は『Edifier MR3』の方が上だと思います。
音の傾向としては、『Audioengine A2+』は、このサイズからは考えられないほど広がりのある音を鳴らします。音場の広さで言えば『Audioengine A2+』に軍配があがりますが、音の明瞭感やきめ細かさという点では『Edifier MR3』の方が圧倒的に上です。
『Audioengine A2+』は音が籠りがちで輪郭が曖昧なのに対し、『Edifier MR3』は一つ一つの音がハッキリと聴こえ解像感が高いのが特徴的。
更に『Edifier MR3』は、モード切替やAcoustic Tuningノブ、専用アプリなどで自由にチューニング出来るのに対し、『Audioengine A2+』にはそういった機能はありません。
『Audioengine A2+』の実売価格は約4万円、セール時でも3万円半ばなのに対し、『Edifier MR3』の価格は1万円台半ば、セール時であれば1万円台前半という価格を考えると、『Edifier MR3』は異常なほどにコスパが良いことが分かります。
前面にある入力端子と音量調整ノブは使い勝手が良い
『Edifier MR3』は、スピーカー前面に「ヘッドホン端子」「AUX端子」と、音量調節用ノブが付いています。
正直デザイン面だけで言えばこれらは無い方がスッキリとは見えるのですが、実際に使ってみるとやはり使い勝手は良いですね…。
音量調節用ノブは、回すとカリカリとクリック感があり、分かりやすくて気持ち良い操作性。
ヘッドホン端子は、有線でケーブルを繋げばヘッドホンから音を出せるので夜間作業時に便利ですね。
有線に加え、Bluetooth接続もでき、マルチポイント接続にも対応
『Edifier MR3』は、イマドキのスピーカーらしくBluetooth5.4に対応しています。
そのため、スマホなどの音楽を気軽に鳴らすことも可能。加えてマルチポイント接続にも対応しているので、複数台のデバイスと同時に接続することも出来るなど、使い勝手も良好です。
ただ、1点ちょっと残念に思ったのは、対応コーデックがSBCのみという所。
『Edifier MR3』本体はハイレゾ音源にも対応できるだけのスペックを有しているのに対し、コーデック側はそれを活かしきれていません。「LDAC」や「aptX Adaptive」辺りのハイレゾ対応コーデックにも対応してくれれば最高だとは思いますが、1万円台半ばのスピーカーにそこまで求めるのは酷かもしれません。
なお、Bluetooth接続時の音質は、有線時と比べやや解像感が落ち、レンジも狭くなった様な印象。音質に拘るなら有線接続の方が良さそうです。
専用アプリ「EDIFIER ConneX」で出来ること
『Edifier MR3』は、専用アプリ「EDIFIER ConneX」に対応しており、音質調整やルーム補正など各種調整が可能です。
アプリのダウンロードは以下から。
Edifier ConneX
BEIJING EDIFIER TECHNOLOGY CO.,LTD.無料posted withアプリーチ
アプリは、出来ることはそれほど多くないがシンプルにまとまっているという印象。
ボタン周りなど多少UIが分かりづらい点もありますが、使いにくいという事は無いですね。
イコライザーではモードの切替に加え、カスタマイズから各周波数域の調整もできます。
また、ユニークなのが「音響のチューニング」。
こちらはいわゆる「ルーム補正」機能で、スピーカーの周りにあまり隙間がない場合、変に低音がこもってしまう事がありますが、ここからそれらの調整が可能です。
基本的にイヤホンと違い、スピーカーでアプリ対応している製品ってあまり無く、あっても上位価格帯のモデルだったりする事が多いのですが、『Edifier MR3』は1万円台でアプリによる音質調整に対応しているのは素直に凄いと思います。
Edifier MR3のレビューまとめ
『Edifier MR3』は、1万円台とは思えない良好な音質と機能性を両立させたスピーカー。
「モニタースピーカー」という性質上、初期状態だと地味な一面もありますが、「モード切り替え」に加え、背面ノブ、またはアプリによる音質カスタマイズをすることで、音質を聴く人の好みに合わせることができるだけのポテンシャルを持っています。
機能面でも多彩な入力端子に加え、Bluetooth5.4に対応し、マルチポイント接続が可能な事に加え、専用アプリによる音質のカスタマイズやルーム補正にも対応するなど、イマドキのトレンドをしっかりと押さえている点は評価できます。
比較的コンパクトなサイズなのでデスクトップにも置きやすく、例えば「1万円前後で満足できるスピーカーが欲しい」といった場合や、「パソコン用としてとりあえず安価なスピーカーを使っているけど、ステップアップしたい」といった場合、『Edifier MR3』はかなり有力な選択肢になると思います。
コスパに関して言えば最強クラスだと思うので、気になった方は是非チェックしてみてください。
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