イギリスの老舗オーディオメーカー「KEF」から販売されているワイヤレススピーカー「LSX II」を購入しました。
このスピーカーお値段約23万円(2024年4月、198,000円に改定…!)と、買うのには勇気が必要でしたが、スタイリッシュな見た目とコンパクトなサイズ感は、かなり自分好みで、実際に買ってからも満足しています。
本記事では実際に『KEF LSX Ⅱ』を使ってみて感じた使用感や音質などを詳しくレビューしていきます。
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KEF LSX Ⅱとは?
KEF(ケーイーエフ)は1961年に設立されたイギリスの老舗オーディオメーカー。その中でも「LSX」は小型ながら豊富なインターフェースを搭載したワイヤレススピーカー。
2022年7月に発売された本製品『KEF LSX Ⅱ』は、「LSX」をベースに音質やインターフェース周りが強化された製品です。
入力に「USB-C」を採用するなど、現代の環境に合わせたアップデートがなされています。
スペック
KEF LSX Ⅱ | |
---|---|
ドライバーユニット | Uni-Q® ドライバー |
周波数特性 | 49 Hz – 47 kHz |
アンプ出力 | LF: 70W HF: 30W |
最大出力 | 102 dB |
音源解像度 | ネットワーク最大:384kHz/24bit 光入力最大:96kHz/24bit USB Type C:最大192kHz/24bit HDMI最大:1.411Mbps PCM |
ワイヤレスストリーミング | AirPlay 2 Google Chromecast Roon Ready UPnP Compatible Bluetooth 4.2 |
ストリーミングサービス | Spotify via Spotify Connect Tidal via Tidal Connect Amazon Music Qobuz Deezer QQ Music via QPlay Internet Radio Podcast |
左右スピーカー間接続 | ワイヤレス:48kHz/24bit(PCM)に変換 有線:96kHz/24bit (PCM)に変換 |
推奨フォーマット (ネットワーク) | MQA, DSD, FLAC, WAV, AIFF, ALAC, AAC, WMA, MP3, M4A, LPCM, Ogg Vorbis |
入力 | HDMI ARC TOSLINK光入力 USB Type C アナログ3.5mm AUX RJ45 イーサネット(ネットワーク) RJ45 イーサネット (左右スピーカー間) |
出力 | RCAサブウーファー出力 |
カラー | ミネラルホワイト カーボンブラック コバルトブルー オリーブグリーン ラヴァレッド Soundwave by Terence Conran |
サイズ | 240×155×180mm |
重量 | 7.2kg(1セット) |
価格 |
198,000円(2024年4月改定) |
スペックは上記の通り。
特筆すべき点は、入力の豊富さと対応ストリーミングサービスの多さ。Bluetoothなどのワイヤレス接続に加え、HDMIや光入力、USB-Cや3.5mm AUXなど有線接続の方法も豊富。
また日本では使えないサービスもありますが、Spotifyなどストリーミングサービスに対応しているので、お手軽に高音質で音楽を楽しむことができます。
パッケージの内容
茶色のダンボール調のパッケージで自宅に届きました。
梱包はかなり丁寧にされており、緩衝材によってスピーカー本体はしっかりと保護されています。
また、スピーカー下部には付属品類や説明書などが収められていました。
パッケージ内容は上記の通り。
付属のクイックスタートガイドはイラスト中心で文字が少なく、ちょっと分かりづらい気もしますが、アプリを使うことが前提となっているので、紙での説明は簡素なようです。
一方、別に付属する「使用上の注意と製品仕様」では、スピーカーの仕様について細かく記載されています。オーディオに詳しい方向けなのかなという印象。
付属のリモコン。単4電池2本で動きます。
細かい設定はアプリで行う前提のためか、リモコンはボタンが少なくシンプルにまとまっています。
付属の電源ケーブル。左右それぞれ電源をとるため2本付属しています。
ケーブルはオーディオ用のためか結構太いものが使われていますが、色が白なためか”ゴツさ”はあまり感じないように思います。
付属するLANケーブル。オーディオグレードのものらしく、普通のLANケーブルと比較してもかなり太いです。
「LSX Ⅱ」は、スピーカー間の接続方法として「ワイヤレス」もしくは「LANケーブルを使った有線接続」に対応しています。
ワイヤレスの場合「48kHz/24bit」で出力されるのに対し、有線で繋ぐと「96kHz/24bit」で出力されるので、より高音質を求めるなら有線接続が推奨です。
本体デザイン
本体デザインは、イギリスのデザイナー「マイケル・ヤング」氏が手掛けており、スマートで無駄の無いデザインに仕上がっています。
その中でも特徴的デザインが中央にあるKEFお馴染みのドライバーユニット「Uni-Qドライバー」。こちらは第11世代のものが採用されており、クリアで歪みの少ないサウンドを鳴らしてくれます。
本体カラーは、スペシャルエディションである「Soundwave by Terence Conran」も合わせると、全6種類用意されており、カラーによっては側面がファブリック仕上げになっているなど、それぞれが個性豊かな仕上がりとなっており、インテリアに合わせて選ぶことが可能。
今回僕が選んだのは「ミネラル・ホワイト」というカラーで、前面・側面共にサテン・スプレー仕上げの光沢が無いマットで落ち着いた色合いになっているのが特徴です。
スピーカー背面。プライマリとセカンダリに分かれており、プライマリの方に各種音源の入力端子が集まっています。
なお、置き方については基本的に右(R)側にプライマリ、左(L)側にセカンダリといった配置をするのですが、アプリから左右を入れ替えることも可能なので、使用場所によって調整すると良いでしょう。
プライマリの方。「HDMI(ARC対応)」「光入力」「USB-C」「3.5mm AUX」「LAN端子」と豊富に入力が用意されています。
セカンダリの方。電源ケーブルに加え、プライマリと繋ぐ為のLAN端子があります。
スピーカー底面は、四つ角に滑り止めゴムが付いている他、中央にはネジ穴の様なものがあります。
これは、別売りのデスクスタンドを取り付ける時に使います。
『KEF LSX Ⅱ』の本体サイズは「240×155×180mm」となっており、いわゆる”ブックシェルフ型スピーカー”と呼ばれる比較的コンパクトなサイズ感です。
スピーカーとしてはコンパクトですが、デスクトップスピーカーとして人気の『Audioengine A2+』なんかと比較すると結構大きいので、デスク周りで使う場合は予め置く場所があるのかを確認しておくと良いでしょう。
KEF LSX Ⅱの使用レビュー
『KEF LSX Ⅱ』をセットアップして、実際に使ってみます。
まず設置したい場所に置き、プライマリ、セカンダリそれぞれに電源ケーブルを繋げます。
続いて、プライマリ、セカンダリ間を付属のLANケーブルで接続します。
本製品はワイヤレスで両スピーカー間を繋げる事ができますが、ワイヤレスの場合「48kHz/24bit」で出力されるのに対し、有線で繋ぐと「96kHz/24bit」で出力される仕様なので、より高音質かつ安定性を求めるなら有線接続したほうがよいでしょう。
以上でスピーカーの設置は完了。オーディオ機器のセットアップとしてはシンプルで繋げるケーブルも少なく、分かりやすいですね。
専用アプリ「KEF Connect」をダウンロード
『KEF LSX Ⅱ』を最大限活用するには、専用アプリ「KEF Connect」が必要なので、ダウンロードします。
KEF Connect
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「KEF Connect」を使うにはアカウントが必要なので、登録します。
ログイン後はアプリに従ってセットアップを進めていけばスピーカーを使用できるようになります。iOSとAndroidでは若干手順が異なるようですが、KEFのサイトにはそれぞれのOSに合わせたセットアップ動画が用意されているので、分からなくなった場合そちらを見るのが良いでしょう。
「KEF Connect」は、リモコンの様に使うことができ、入力ソースの切り替えや音量調整、曲送り・戻しなど一通りの操作が可能です。
接続端子が豊富
『KEF LSX Ⅱ』はその入力の豊富さが特徴です。特にPCデスク周りに置くのであれば、USB-Cによる有線接続が便利。
有線なので遅延が無く、汎用的なUSB-Cケーブル1本繋げるだけで音が出せるので、MacBookの様なUSB-C端子しか無いようなノートパソコンでも繋げられ、高音質で音楽が楽しめます。
音質
気になる音質について。
正直、最初の印象としては「確かに音が良いのは分かるけど、他の人が言ってるように感動するレベルかな…?」と思いました。
今まで使っていた構成が、プリメインアンプに「Olasonic NANO-UA1a」、スピーカーに「Trangent Evo 5」という組み合わせで、それなりに好きな音だったので、その音に耳が慣れていたという点もそう感じさせたのだと思います。
ただ、ずっと『KEF LSX Ⅱ』で聴いていると、エージングが進んだせいかその実力に気付かされる場面が増えてきます。スピーカーまでの距離は70cmほどと超ニアフィールドという環境ですが、音場が広く音に包まれるような感覚があります。
それでいて、ボーカルはしっかりと中央に定位。
中〜高音域にかけては透明感のある透き通った音。尖った部分が無く滑らかでバランスが取れています。低音はズンズンと響くわけではなくマイルドな印象。ただ音の深みはあります。
全体的には、長時間聴いていても聴き疲れせず、自然に高音質を楽しめるスピーカーといった印象を持ちました。
KEF ConnectでEQ設定が可能
『KEF LSX Ⅱ』の音質はクリアでハイクオリティな音ですが、設置場所によってはそのポテンシャルを最大限発揮できない事もあります。
そんな時は専用アプリ「KEF Connect」で設定が可能。スピーカーの設置場所や壁との距離を選んでいくだけで音の調整ができます。
より細かく調整したい場合「エキスパートモード」が用意されているので、自分好みの音に詰めていくことができます。
スマホから気軽に音楽を再生
『KEF LSX Ⅱ』は、有線だけでなくワイヤレスで繋ぎ、気軽に音楽を楽しめるのもメリット。
専用アプリ「KEF Connetct」では、「Amazon Music」や「Spotify」などのストリーミングサービスに対応しており、アプリ内から各サービスにログインして曲を聴くことができます。
また、「AirPlay 2」や「Google Chromecast」「Bluetooth」など様々なワイヤレスストリーミングに対応しているので、スマホ内の音を素早く『KEF LSX Ⅱ』から流せます。
自宅での使用はもちろん、人が集まる場面のBGM用としても使い勝手が良く、幅広いシーンで活躍してくれそうです。
リモコンはシンプルで使い勝手が良いが、ソースの切り替えは分かりにくい
付属のリモコンは、「電源ON/OFF」「音量±」「ミュート」「再生/停止」「曲送り/曲戻し」「音楽ソースの切り替え」が行なえます。
ボタン数が少なく必要最低限にまとまっているので、操作しやすく分かりやすいのですが、「音楽ソースの切り替え」だけは、慣れるまでは分かりづらいです。
『KEF LSX Ⅱ』は複数の音楽ソース対応している事がメリットですが、現在どのソースから音を流しているのかはスピーカー本体にあるLEDの色で判別します。
青だとBluetooth、黄色だとAUXといった感じで色が割り当てられており、アプリの方だとビジュアル的に判断できるのですが、付属のリモコンを使う場合、スピーカーのLED色で判別しなければいけません。
いつもBluetoothだけとかソースが決まっている場合特に問題はありませんが、複数ソースを切り替えて使う場合は慣れが必要です。
KEF LSX Ⅱのレビューまとめ
『KEF LSX Ⅱ』は、コンパクトで洗練されたデザインながら、そこから奏でられる音はサイズを超えた迫力と豊かさがあるスピーカーです。
セットアップも簡単で、スピーカー本体に電源ケーブルを繋げばすぐに上質な音が楽しめるのが良いですね。
価格は約23万円と確かに高いのですが、オーディオって上を見たらキリが無く、アンプはどれだ、スピーカーはどれだ、ケーブルはどれだ…と、それぞれの構成を考えていくと数十万くらいは軽くいってしまう世界です。
その点『KEF LSX Ⅱ』は、オールインワンスピーカーなので複雑な設定や配線をする必要が無く、置くだけで誰でも気軽に上質な音楽を楽しめるという点は他のスピーカーには無いメリット。
”シンプルに良い音を楽しみたい”という方に『KEF LSX Ⅱ』は、ベストな答えだと思います。
KEF LSX Ⅱのよくある質問
- KEF LSX ⅡとKEF LSX Ⅱ LTの違いはなんですか?
- 「LSX Ⅱ」は、スピーカー間をワイヤレス、もしくは有線接続できるのに対し、「LSX Ⅱ LT」はスピーカー間の接続は有線のみとなっています。そのため、「LSX Ⅱ」の方がスピーカーのレイアウトについては自由度が高いと言えます。また、端子類にも違いがあり、「LSX Ⅱ LT」はAUX入力が省かれています。その他、「MQA」「Roon Ready」といったサービスにも非対応です。
- KEF LSX ⅡとKEF LSX Ⅱ LTの音質に差はありますか?
- 基本的な構造は両者とも同じなので、音質も基本的に大きな差はありません。ただ、「LSX Ⅱ」が左右それぞれのスピーカーで電源を必要とするのに対し、「LSX Ⅱ LT」はプライマリスピーカーからセカンダリスピーカーに電源を供給する仕組みから、パワフルさみたいなものを求める場合「LSX Ⅱ」の方が有利かもしれません。
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