パソコン作業の効率化として、まずオススメなのは「外部ディスプレイを使ったマルチディスプレイ環境を作る」が挙げられます。
テレワークなどの影響により、会社だけでなく自宅でもマルチディスプレイを構築したいというニーズも高まっている昨今、ベルキンからUSB-Cケーブル1本でマルチディスプレイ環境を構築できるドック『Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーション』が販売されました。
この製品は、
- USB-Cケーブルをパソコンに接続するだけで、トリプルディスプレイ環境の構築が可能
- 85Wのパススルー充電に対応しているので、大型ノートパソコンでも余裕で使える
- DisplayLink技術により『M1 MacBook Air/Pro』でもデュアルディスプレイ出力が可能
といった特徴があります。実際に使ってみて感じた良い点や注意点などを詳細にレビューしていきます。
本記事はメーカー様からサンプル品を頂戴し、作成しています。
タップできる目次
Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーションとは?
『Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーション』は「DisplayLink技術」に対応し、2台の外部モニターに同時に出力ができるドック。
DisplayLink(ディスプレイリンク)とは、DisplayLink社が独自に開発した映像伝送技術の事で、PCとUSB接続するだけで、簡単に複数のディスプレイに映像出力することができるというもの。
『Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーション』は、その技術を活かし、本来は1台の外部ディスプレイにしか出力できない『M1 MacBook Air/Pro』を、2台の外部ディスプレイに出力できるようにしています。
また、最大85Wのパススルー充電にも対応し、USB-Cケーブル1本繋げるだけで、パソコンを充電しながら機能の拡張ができるというスグレモノです。
スペック
Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーション | |
---|---|
型番 | INC002qcBK |
インターフェース | 3.5mmオーディオ入出力 HDMI1.4×2 USB 3.1 Gen1×2 USB 3.1 Gen1×1 USB-C ギガビットイーサネットポート |
本体サイズ | 幅9.5cm×奥行9.5cm×高さ3.3cm |
重量 | 348.8g |
その他 | ケンジントンロック |
製品保証 | 2年間 |
インターフェース類は充実しており、必要と思われるポート類はほぼ備わっています。USBもUSB-Aが3ポートあるので、キーボードやマウス、外付けHDDなどの周辺機器は一通り接続できるだけの余裕があります。
ただ、個人的には結構写真のやり取りが多いので、SDカードリーダーもあれば良かったなとちょっと思いました。
パッケージの内容
『Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーション』を開封してパッケージ内容を確認していきます。
ベルキンと言えば、緑色のパッケージが多い印象ですが、この製品は簡素なダンボール素材にシールが貼られたものとなっていました。サンプル品だからなのかもしれませんが、あまりベルキンっぽくないですね。
パッケージ自体は大きいですが、開けてみると本体自体は小さめ。
パッケージが大きい原因は、豊富に付属されていたケーブル類でした。
パッケージ内容は上記の通りです。
グローバル仕様なのか、電源ケーブルは日本のものを含む3種類も付属しています。海外によく行く方には嬉しいのかもしれませんが、個人的には海外に行かないので不要でした。
付属するUSB-C to Cケーブルです。長さは1m。
本体外観・サイズ感
『Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーション』本体の外観やサイズ感を見ていきます。
本体は正方形のキューブ型。パッケージのサイズが大きかったので開封前はちょっと心配になりましたが、本体はコンパクトにまとまっています。
筐体の素材はプラスチックでマットな質感です。
本体表面には注意書きが記載されたシールが貼られていました。
ドックを使う前に「Display Link」のドライバーをインストールしてくださいとの事。
本体正面には、左から
- 3.5mmオーディオジャック(イン/アウト)
- USB 3.1 Gen1ポート
- USB-Cポート
- 電源LED
が、あります。
本体裏面には、左から
- 電源ボタン
- 電源アダプタ挿し口
- ギガビットイーサネットポート
- USB 3.1 Gen1ポート×2
- HDMI 1.4ポート×2
が、備わっています。
側面には、セキュリティスロット(ケンジントンロック)がありますので、セキュリティワイヤーの取り付けが可能。盗難防止に役立ちます。
本体底面にはゴム足が付いているので、デスクに置いた際にズレる心配は少なそうです。
本体サイズは、「幅9.5cm×奥行9.5cm×高さ3.3cm」となっています。本体自体はコンパクトなので、デスクに置いてもそこまで邪魔になることは無さそう。
本体の重量は実測で179.4g。本体自体はそこそこ軽いですね。
付属してくる電源アダプタ。出力は135Wとなっています。lenovoなど海外のノートPCに付属してくるものと同じ様なものなので、サイズは結構大きいです。
電源アダプタのソケットは海外のノートPCなどでよく採用されている3極ピンで、「ミッキー型プラグ」と呼ばれるものです。
電源ケーブルを繋げてみた様子。電源ケーブル長は1.5m。電源ケーブルが太くゴツいので、ケーブルの取り回しはあまり良くない印象。
電源アダプタやケーブル類、本体をすべて含めた重量は実測で498.8g。
『Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーション』本体は結構軽くてコンパクトだったのですが、電源アダプタとケーブルが太くてゴツいので、総重量としてはそこそこな重さになりました。
この製品は、基本的にデスクに設置して使うものなので、あまり持ち運ぶ機会は無いとは思うのですが、本体がコンパクトなので、電源アダプタやケーブルも、もう少し小さくならなかったのかなと思ったりします。
Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーションの使用レビュー
『Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーション』を実際に使ってみて、使用感などをレビューしていきます。
実際に電源アダプタを付けるとこんな感じになります。ドック本体は比較的コンパクトなのですが、電源アダプタが大きいのと、ケーブルが太いので、設置場所によっては取り回しに少し苦労するかもしれません。
電源を入れると、LEDランプが青く光ります。
12インチMacBookと繋げて外部ディスプレイに出力してみます
USB-Cケーブルを使って『12インチMacBook(Early 2016)』と『Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーション』を繋げます。
LEDランプはデバイスとの接続が確認出来ると色が緑に変化するので、正常に接続できているかを色で確認できます。
まずは先日購入したDELLのディスプレイ『DELL S2421HN』にHDMI接続してみます。このディスプレイはフルHD、75Hzのリフレッシュレートに対応し、AMD FreeSyncにも対応したコスパの良いディスプレイとなっています。
レビューも書いていますので、よろしければご覧ください。
試しに何もドライバを入れずにモニターと接続してみましたが、映りませんでした。DELLのモニターの方でも「デバイスからのHDMI信号がありません」と表示されており、映像出力が出来ていないようです。
出力が1台だとしてもドライバのインストールは必須のようです。
「DisplayLink Manager」をダウンロードして、ドライバを入れます。
インストールが完了しました。
「DisplayLink Manager」を起動します。
そうすると、無事DELLのディスプレイ『DELL S2421HN』に出力が出来ました。
MacOS上でも外部ディスプレイがちゃんと認識されています。
外部ディスプレイに出力してしばらく使ってみましたが、描画がもたつく感じも無く、Youtubeをフル画面再生してみましたが、特に問題なく再生は出来ました。
MacBookへの充電もバッチリ。MacOS上でも85Wと認識されているのが分かります。85Wなので、大型のノートパソコンでも十分に対応できるくらいの給電能力はあると言えます。
2画面に出力してみます
無事に外部ディスプレイに出力が出来たので、今度は2台の外部ディスプレイに出力して、トリプルディスプレイ環境を作ってみます。
ここでは、先程から使っている『DELL S2421HN』に加え、普段Windowsマシン用で使っているEIZO『EV2450』も使い、2台の外部ディスプレイに出力してみます。
『Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーション』と外部ディスプレイをHDMIで接続。
無事、両方のディスプレイが認識され、トリプルディスプレイ環境が出来ました。
MacOS側からも、ちゃんと2台とも認識されている事が分かります。
トリプルディスプレイ環境ならば、より効率良く作業をすることが可能。
例えば、1台をウェブ閲覧用、2台目をエクセルなどの作業用、もう一台をメール用などと使い分ける事によって、それぞれ画面全体でコンテンツが見れるので、ウィンドウ操作の手間も省けます。
最近ではテレワークの影響もあり、自宅で作業をする方も多いと思いますが、『Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーション』があることによって、自宅でも快適な作業環境の構築が可能です。
M1 MacBookでも2画面出力が可能
超高性能で消費電力も少ない、革命的なマシンとして登場した「Apple M1チップ」を搭載した『MacBook Air/Pro』ですが、外部ディスプレイへの出力は最大でも1画面に制限されています。
しかし、『Belkin USB-Cデュアルディスプレイドッキングステーション』を使うことにより、2画面同時出力が可能になりますので、『M1 MacBook Air/Pro』を持っていて、外部ディスプレイに不満を持っている方は非常に有力な選択肢と言えます。
Belkin USB-Cデュアルディスプレイドッキングステーションの注意点
実際に『Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーション』を使う際の注意点や、実際に使ってみて思った微妙な点などを書いていきます。
DisplayLinkManagerが起動していないと外部出力が出来ない
外部出力をDisplayLinkに依存している為か、例え1画面であっても「DisplayLink Manager」が起動していないと外部ディスプレイに出力されません。
個人的には常駐アプリはあまり増やしたくないので、仕方ないとは言えちょっと気になる点でした。
外部ディスプレイへの出力は、1080p(フルHD)、60Hzに制限される
製品の仕様上仕方ないのですが、外部ディスプレイへの出力は、1080p(1920×1080)、60Hzに制限されています。これを超える解像度のWQHD(2560×1440)や4K(3840×2160)ディスプレイに映しても、1920×1080でしか出力できないので、ボケてしまうなど画質が良くありません。
また、今回検証で使った『DELL S2421HN』は、リフレッシュレートが75Hzまで出せるディスプレイです。
上記のようにMacOS上の設定上では、リフレッシュレートを75Hzに設定できますが、
実際にUFO Testで見てみると60Hzまでしか出ていないのが分かります。
このため、ゲーミングモニターのような高リフレッシュレートディスプレイに出力しても、その恩恵は得られないという事になります。
負荷がかかる
トリプルディスプレイ環境の時に特に顕著でしたが、結構負荷がかかっている感じがします。アクティビティモニタで確認しても「DisplayLinkUserAgent」が結構CPUを使っているのが分かります。
『M1 MacBook Air/Pro』の様な高性能マシンであれば、多少の負荷は気にならないかもしれませんが、僕が使っている12インチMacBookの様なあまりスペックが高くないマシンの場合、少しこの負荷具合は気になるかもしれません。
Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーションのレビューまとめ
『Belkin USB-C デュアルディスプレイドッキングステーション』は、比較的コンパクトな本体に、様々なポートを詰め込んだ上に、デュアルディスプレイにも対応するドックです。
DisplayLink技術により『M1 MacBook Air/Pro』の様な、外部ディスプレイが1画面に制限されている場合でも、問題なく2画面出力ができ、ノートパソコン本体とあわせてトリプルディスプレイ環境が構築できるため、作業環境の改善にかなり貢献してくれます。
残念な点としては、出力が1080p、60Hzに制限されている点。最近では4Kディスプレイの価格もかなり下がってきており、持っている方も増えてきているので、4K出力が出来れば良いのになと思いました。
また「Apple M1 チップ」は、次期チップである「M1X(もしくはM2)」により、外部ディスプレイの台数が増えるという噂もあります。そのため、この製品が最もオススメ出来るのは「現在 M1 MacBook Air/Proを持っていて、フルHDのトリプルディスプレイ環境を構築したい」という方になります。
『M1 MacBook Air/Pro』の性能は気に入っているけど、外部ディスプレイ台数は不満という方にオススメできるドックです。
COMMENT