お手頃な価格で、それなりに使えるコスパの良いフルHDのディスプレイって無いかな…と思い、Amazonなどを探していて見つけたのが、DELLのフルHDディスプレイ『DELL S2421HN』。
このディスプレイは以下の様な特徴があります。
価格が安価なのに、結構使えそうなスペックを有しており、デザイン的にも悪くないという事で購入してみました。
実際に使ってみて、使い勝手や画面の綺麗さなどをレビューしていきます。
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DELL S2421HNとは?
『DELL S2421HN』は、75Hz/IPSパネルを搭載した23.8型フルHDモニター。
DELLのモニターは同じ23.8型フルHDでも、入力端子の違いやスピーカーの有無などによって型番が細かく異なっており、今回購入した『DELL S2421HN』は、入力端子がHDMI×2で、スピーカーは内蔵していないモデルとなっています。
スペック
DELL S2421HN | |
---|---|
パネル種類 | IPS |
画面サイズ | 23.8インチ |
解像度 | 1920×1080(フルHD) |
リフレッシュレート | 75Hz |
最大表示色 | 1670万色 |
輝度 | 250 cd/㎡ |
コントラスト比 | 1000:1 |
応答速度 | 8ms(ノーマル) 5ms(高速) 4ms(エクストリーム) (全てG to G) |
ディスプレイ同期技術 | AMD FreeSync対応 |
上下回転(チルト) | 対応 |
左右回転(スイーベル) | 非対応 |
縦回転(ピボット) | 非対応 |
光沢 | ノングレア |
入力端子 | HDMI 1.4 × 2 |
VESAマウント | 100 × 100mm |
サイズ | 幅53.78×高さ41.28×奥行15.28cm(スタンド含む) |
消費電力 | 16W |
スピーカー | 非搭載 |
重量 | 3.3kg |
メーカー保証 | 3年間 |
IPSパネル搭載、フルHD、リフレッシュレートが75HzでAMD FreeSyncにも対応と、今どき最低これくらいは必要だよねというものを全て盛り込んだモニターとなっています。
好みが分かれそうなのが入力端子がHDMI×2という所。個人的にはDPよりもHDMIの方が好きなのでこのモデルで十分ですが、中にはPCをDPで接続したいという方もいるかもしれません。
その場合は、同じくDELLの『S2421HS』辺りが候補になってきます。
どちらにしても2021年現在の価格は15,000〜17,000円ほどとなっており、2万円を切る価格ながらしっかりと必要なスペックは有しています。
パッケージの内容
購入した『DELL S2421HN』を開封して、パッケージ内容や本体外観・サイズ感を見ていきます。
パッケージは、白を基調としたデザインでシンプルです。梱包時の重量は5.9kgと結構重く、箱に取っ手などは無いので、女性ではちょっと持ち運びにくいかもしれません。
箱を開けるとダンボールと緩衝材でしっかりと梱包されていました。
開けている途中で気づいたのですが、これパッケージを開ける方向間違ってますw
本来ならモニターがある面を下にして開けるほうが正しい開け方でした。
パッケージ内容は上記の通り。
HDMIケーブルが1本付属しています。
一般的なHDMIケーブルといった所で、長さは1.5m。特にケーブル径が細いタイプでは無いので、取り回しが良いケーブルが欲しい場合は別途購入する必要があります。
電源ケーブルも、PCでよくある3ピンケーブルが付属してきます。こちらもケーブル径は太めですね。
本体の組み立て
『DELL S2421HN』にモニタースタンドを取り付けます。
モニタースタンドの組み立ては非常に簡単。
モニタースタンドの土台に支柱を差し込んで、
モニタースタンド土台を裏返し、底面にあるネジを回すだけで固定できます。
ドライバー不要で組み立てが出来るのが良いですね。
続いて組み立てたモニタースタンドをモニター本体に取り付けていきます。
保護シートをめくると、中央にモニターアーム取り付け用の穴が開いています。100×100mmのVESAマウントに対応しているので、モニターアームを持っている場合に取り付けが可能です。
今回モニターアームは使わないので、付属しているフタをしておきました。
モニタースタンドを、モニターに差し込み「カチッ」と音がしたら取り付けは完了。
ダンボールからモニターを取り出さなくてもスタンドが取り付けられるのは、よく考えられているなぁと感心しました。
本体外観・サイズ感
スタンドを取り付けたので、モニター本体の外観やサイズ感を見ていきます。
モニターは、上左右の3辺が薄型ベゼル設計になっており、デザイン面でスッキリと見えます。また、パネルの表面加工はノングレアとなっているので、ギラギラせず目に優しいのが特徴です。
PCのモニターと言えば、基本的には黒が基調のデザインが多いのですが、この『DELL S2421HN』はモニター背面はグレー、モニタースタンドがシルバーと、他のモニターと比較してもモダンなデザインとなっており、インテリアと調和します。
このようなグレーやシルバーを基調とするデザインのモニターはそもそも種類が少ないので、デザイン重視の方にとってもは有力な選択肢となります。
モニタースタンドも作りがしっかりした上に、シルバーのデザインが洗練されていてオシャレです。
モニタースタンドには、ケーブルを通すための穴が開いています。
付属のケーブル類を通してみた所、HDMIケーブルに関してはすんなりと穴を通ったのですが、電源ケーブルの方は穴に引っかかってしまいました。
ちょっと力を込めるとなんとか電源ケーブルの方も通りましたが、別途細めの電源ケーブルを用意したほうが良いかもしれません。
モニタースタンドの調整
前述の通り、モニタースタンド自体はデザインも良く作りもしっかりしていて良いのですが、反面、調整機能に関しては限られており、上下回転(チルト)しか対応していません。
高さ調整も出来ないので、設置場所によっては使いづらいかもしれません。幸いモニターアームには対応しているので、自由に調整したい場合は別途モニターアームを用意したほうが良さそうです。
インターフェース
インターフェースは、左から順に、
- AC電源端子
- HDMI 1.4×2
- 3.5mmミニプラグ端子
となっています。
『DELL S2421HN』の場合、スピーカーが内蔵されていないので、3.5mmミニプラグ端子にイヤホンやヘッドホンを接続するか、別途スピーカーを用意する必要があります。
この価格帯のモニターに内蔵されたスピーカーなんてオモチャみたいな音しか出ないので、個人的にスピーカーは不要だと思っています。
OSD(On Screen Display)
ボタン類はモニター右下の方にまとまっており、4つの操作ボタンと電源ボタンがあります。電源ボタンを押してモニターを起動します。
最初に言語の選択をします。
4つの操作ボタンのうち、左2つはショートカットキーとなっており、ユーザー側で表示する項目を変更することが可能です。
デフォルトでは、
- 一番左:プリセットモード切り替え
- 左から2番目:入力切替
となっています。
左から3番目の「メニュー表示」ボタンを押すと、全てのメニューにアクセス出来ますので、一つずつメニューの中を見ていきます。
輝度/コントラスト
「輝度/コントラスト」は、その名の通り輝度とコントラストの調整ができます。
暗い部屋でモニターを見る時、眩しいので明るさを下げたい場合があると思いますが、輝度に関しては0%にしてみても多少眩しいような気がしました。
僕が普段使っているEIZOの『EV2450』の場合、本当に暗くまで調整できるのですが、そこまでは出来ないようです。
入力信号
2つあるHDMI端子の入力を切り替えることが出来ます。自動選択がオンだった場合、映像出力を検出すると自動的に切り替わってくれます。
色
「色」では、プリセットモードの切り替えと、入力カラー形式の切り替えが可能。
プリセットモードは様々なシーンに合わせて色合いなどを変えるもの。標準以外にも、「ComfortView」や「ムービー」「FPS」など色々とプリセットが用意されています。
「ComfortView」というのは、ブルーライトの軽減がされたモードのようで、実際に切り替えてみると全体的に黄みがかった色になりました。
他にも「FPS」であれば全体的に明るくなるなど、それぞれのシーンに合わせた色や明るさに切り替わるようです。個人的にあまりこの辺りを頻繁に触ることは無いのですが、人によっては有益な機能かもしれません。
ディスプレイ
「ディスプレイ」では、アスペクト比や、シャープネス、応答時間などの変更が可能。
応答時間は、デフォルトの標準では8ms、高速では5ms、最速で4msとなります。ゲームをする場合、ここで応答速度を切り替えておくと良いでしょう。
メニュー
「メニュー」では、言語設定やOSD自体の透明度、タイマー設定などが出来ます。
カスタマイズ
「カスタマイズ」では、モニター右下にある物理操作ボタンのショートカットキーの割り当て変更やLED電源ボタンの光具合などの変更が可能。
ただ、ショートカットキーに割り当てられる機能はあまり多くない印象。アスペクト比を頻繁に変更したいってどういう用途なのかちょっと想像が付きません。
「輝度/コントラスト」と「入力信号」辺りに設定しておくのが無難な気がします。
その他
「その他」では、ディスプレー情報や、ファームウェアの情報、工場リセットなどが可能です。
DELL S2421HNの使用レビュー
『DELL S2421HN』を使ってみて、使い勝手や気になった点をレビューしていきます。
色合い
『DELL S2421HN』の色合いですが、キャリブレーションツールがあれば客観的な評価が出来るのですが、持っていませんので、あくまで主観という事をお断りした上で言うと、十分に綺麗だと思いました。
目立った色ムラも無く、Youtube動画なども見てみましたが、問題なく綺麗に再生できていました。
IPSパネルを搭載しているので、視野角が178°と広く横から見ても色の変化が少ないのが特徴です。
僕が普段Windows用に使っているEIZOの『EV2450』と並べてみた様子です。『DELL S2421HN』は光の反射加減で白く見えますが、同じ様な映り方をしています。
EIZOの『EV2450』は、購入した当時4万円くらいの価格だったと記憶しています。EIZOの製品は基本的に価格が高めなので単純な比較は出来ませんが、半額以下でより良いスペックのモニターが手に入るのは良いですね。
AMD FreeSyncに対応
『DELL S2421HN』は、ディスプレイ同期技術である「AMD FreeSync」に対応しています。これによりグラフィックボードがAMD Radeonの場合、より滑らかにゲームを楽しむことが出来ます。
反面、NVIDIAの「G-SYNC」には対応していませんので、GeForceを使っている方はディスプレイ同期技術の恩恵を得ることが出来ないのは注意点と言えます。
僕のWindowsPCはグラフィックボードが『RadeonRX 5700XT』ですが、普段使っているEIZO『EV2450』はFreeSyncに対応していません。
『DELL S2421HN』ならバッチリとFreeSyncに対応しているので、Radeon Software上から「AMD FreeSync」を有効に出来ます。
75Hzリフレッシュレートに対応
また、『DELL S2421HN』は対応リフレッシュレートが75Hzと、一般的なモニターの60Hzよりも滑らかに描画することが可能。
モニターを繋いだ直後は、リフレッシュレートが60Hz(59.940Hz)でしたが、
75Hzが選べるようになっています。
いわゆる「ゲーミングモニター」の様に「144Hz」などには対応していませんが、一般的な用途であれば必要十分ではないかと思います。
なお、よく高リフレッシュレートのモニターに繋げると「マウスカーソルが滑らかになる」と言われます。実際に『DELL S2421HN』で75Hzにしてみましたが、感想としては「何となく滑らかになった」という程度の差でした。
UFOtest
「UFOtest」で見てみましたが、ちゃんとフレームレートは75fps、リフレッシュレートは75Hzという数値が出ています。
Fortnite
僕がいつもプレイしているPCゲーム「原神」は、最大フレームレートが60fps固定なので、それ以上を体験できるゲームって何か無いかな?と思い、ちょっと試してみたのが「Fortnite」。
フレームレートは120fps出ています。リフレッシュレートを60Hz、75Hzと切り替えてプレイしてみましたが、それなりに違いがあるような気がしました。やはり75Hzにしたほうが滑らかに動いています。
Apex Legends
「Apex Legends」も、リフレッシュレートを60Hz、75Hzと切り替えてプレイしてみました。
ApexはFortniteよりも更に分かりやすく滑らかさに違いが現れている気がしました。もっと良いプレイ体験をしたい場合、144Hz対応のゲーミングモニターを用意したほうが良いとは思いますが、『DELL S2421HN』でも十分にプレイは楽しめる印象です。
DELL S2421HNのレビューまとめ
『DELL S2421HN』は、IPSパネルを採用し、75Hzのリフレッシュレート、AMD FreeSync対応と、現在PCモニターとして最低限欲しい機能は、ほぼ備えています。
それに加え、PC向けモニターとしては珍しい「デザイン」も優れており、上左右の3辺が薄型ベゼル設計でシャープな印象な上に、グレーやシルバーといったインテリアと調和する本体色なので、リビングなどで使っても良さそう。
残念な点としては、モニタースタンドの調整機能が乏しい所。上下回転(チルト)のみ対応なので、設置場所によっては使いづらい場合があると思います。幸いVESAマウントに対応しているので、調整機能の乏しさはモニターアームで補うという形になりそうです。
逆に言うとモニタースタンドくらいしか大きなデメリットを感じることは無く、普通に使うなら何の不満も無く仕事用としてもゲーム用としても使えると思います。これだけの製品が1万円半ばで買えるのは本当に良いですね。
ビジネス用としても、ゲーム用としても幅広く使える優れたモニターだと思いました。
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