独創的なデザインとコスパの高さから人気の「Nothing(ナッシング)」。そのサブブランドである「CMF by NOTHING」より発売されたワイヤレスイヤホンが『CMF Buds』。
本製品はNothing譲りの高いデザイン性と、クリアな音質、強力なノイズキャンセリングに加え、マルチポイント接続にも対応するなど上位モデルにも劣らない機能を備えながら、6,000円台というコスパの高さが魅力的です。
本記事では実際に『CMF Buds』を使い、デザインや使い勝手、音質などを詳しくレビューしていきます。
本記事はメーカー様より製品をご提供頂き、作成しております。
なお、記事内容についてメーカー様からの指示は無く、率直な意見・感想を記載しています。
タップできる目次
CMF Budsとは?
ロンドンのテクノロジー企業「Nothing(ナッシング)」から「優れたデザインをより身近なものに」というコンセプト元に作られたサブブランドが「CMF by NOTHING」。
現在まで『Watch Pro』や『Buds Pro』などの製品を手掛け、Nothingの洗練されたデザインの世界観を保ちながら、機能を絞ることによってかなり手頃な価格になっており、デザイン好きやガジェット好きな方を中心に人気を集めています。
今回紹介する『CMF Buds』は、CMFのワイヤレスイヤホンとしては2モデル目にあたる製品。前モデルである『CMF Buds Pro』から、「Pro」という名が無くなっていますが、どの辺りに違いがあるのかスペックと特徴を見ていきます。
主な特徴
CMF Buds | CMF Buds Pro | |
---|---|---|
Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
対応コーデック | SBC / AAC | SBC / AAC |
ドライバー | 12.4mmダイナミックドライバー | 10mmダイナミックドライバー |
音質調整機能 | Ultra Bassテクノロジー2.0 Dirac Opteo補正テクノロジー | – |
連続再生時間 | ANC:OFF 本体のみ:8時間 ケース充電込:35.5時間 ANC:ON 本体のみ:5.6時間 ケース充電込:24時間 | ANC:OFF 本体のみ:11時間 ケース充電込:39時間 ANC:ON 本体のみ:6.5時間 ケース充電込:22時間 |
10分間急速充電 | 本体のみ:2.2時間 ケース込み:6.5時間 | 本体のみ:3時間 ケース込み:5時間 |
充電方法 | USB-C | USB-C |
防水性能 | IP54 | IP54 |
ノイズキャンセリング | ANCノイズキャンセリング(最大-42dB) | ANCノイズキャンセリング(最大-45dB) |
着脱検知 | ◯ | ◯ |
低遅延モード | ◯ | ◯ |
マルチポイント接続 | ◯ | − |
ワイヤレス充電 | − | − |
サイズ | 54.7×54.7×24.4mm(ケース込) | 57×57×24mm(ケース込) |
カラー | ダークグレー/ライトグレー/オレンジ | ダークグレー/ライトグレー/オレンジ |
重量 | 4.57g(イヤホン本体) 52.84g(イヤホン+充電ケース) | 4.8g(イヤホン本体) 54.6g(イヤホン+充電ケース) |
価格 | 6,600円(税込) | 7,350円(税込) |
『CMF Buds』という名前を聞くと、『CMF Buds Pro』の下位モデルかの様に感じますが、スペックを良く見ていくと、そういうわけでは無さそうです。
両者のスペックは似ている部分も多くありますが、イヤホンの音質を決める大きな要素の一つである「ドライバー」は、12.4mmという大型のダイナミックドライバーを採用しています。
その他、「Ultra Bassテクノロジー2.0」「Dirac Opteo補正テクノロジー」といった音質を改善・調整できる機能も加わっており、音質面で言うと本製品『CMF Buds』の方がスペック上は優れています。
また、以前『CMF Buds Pro』をレビューした際に、「マルチポイント接続」に非対応だったのが残念な点だったのですが、本製品は2台までのデバイスに同時接続が可能となりました。
この様に、名前だけ聞くと性能が劣っているのでは無いかと見えてしまいますが、むしろ性能面では『CMF Buds』の方が優れている点が多く、価格も6,600円と、デザインと機能を考えればかなり安価な価格設定になっています。
付属品類は上記の通りです。
本体デザイン
『CMF Buds』のデザインを見ていきます。まずは充電ケースから。
充電ケースは角丸な形状。写真だとちょっと見づらいですが、ケース表面にはCMFのロゴアイコンが刻印されています。
ケース表面はマットで光沢の無い質感。サラサラとした手触りで皮脂などの油汚れも目立ちにくいのが良いですね。
このケースで最も目を引くのが、上部に設けられた丸いデザイン。NothingやCMFで多用されている、ドットを表す様な「丸」のデザインがシンプルな中にもアクセントとして映えます。
なお、この部分はクルクルと回るようになっており、回すとストラップ穴が見えていきます。ここにストラップを通すと、アクセサリ感覚で持ち運ぶこともできます。
ケース側面には接続するために使うセットアップボタンと、その横には充電用のUSB-Cポートがあります。
ケース前面にはLEDが内蔵されており、バッテリー残量などを確認することが可能。
充電ケースを開けた様子。イヤホン本体が収納されています。
イヤホンを取り出した様子。充電ケースにはLやRの表記が無いので、慣れるまでは少し分かりにくいかもしれません。
続いてイヤホン本体のデザインを見ていきます。
イヤホンは白で統一されたクリーンなデザイン。
形状は一般的なカナル型といった感じで、『CMF Buds Pro』とかなり似たデザインになっています。
質感は安っぽくは無いですが、高級感があるかと言われるとそうではなく、価格相応といった感じでしょうか。
大きさもカナル型イヤホンとしては標準といった所。
ハウジング部分や、軸(ステム)内側は光沢のあるデザイン。
LやRといった表記が無いので、慣れるまでは着脱時少し分かりにくいかもしれません。
イヤホン外側。CMFのロゴマークがありますが、薄いグレーなのであまり目立ちません。
軸上部はタッチエリアとなっており、ここをタッチすることで各種操作が可能。
イヤホン本体の重量は、左右合わせて実測で9.2g。軽量なので、付けていてもあまり重さを感じることがありません。
充電ケースを合わせた総重量は53.6gと軽量。カバンの中に入れても重くならず気軽に持ち運ぶことができます。
CMF Budsの使用レビュー
『CMF Buds』を使い、装着感や音質などを詳しく見ていきます。
装着した様子
装着するとこんな感じ。
CMFのロゴマークが見えますが、オシャレなアイコンな上に色もグレーなのであまり目立ちません。
大きさ的にも一般的なワイヤレスイヤホンと同等サイズに収まっており、本体が軽量なので付け心地も良好です。
装着方法
『CMF Buds』は軸(ステム)部分をタッチすることで、各種操作が可能です。
動作・状態 | L側(左) | R側(右) |
---|---|---|
曲送り | 2回タップ | |
曲戻し | 3回タップ | |
通話応答/終了 | 2回タップ | |
着信拒否 | 3回タップ | |
ノイズコントロール | 長押し |
初期状態では上記の様になっており、再生/停止や音量調整などの機能が割り当てられていない上、左右どちらとも同じ動作をします。
このままだとちょっと使いづらさもあるのですが、後述する専用アプリ「Nothing X」を使えば、左右それぞれに機能を割り当てることが出来るようになり、使い勝手が向上します。
ただ、ワイヤレスイヤホンで曲の再生/停止としてよく使われる「1回タップ」の動作は無く、アプリを使っても割り当てる事は出来ません。
1回タップは誤作動を起こしやすいのがデメリットなので、機能としては省かれたのかもしれませんが、使っている方も多いと思うので、せめて後からアプリで割り当てる事ができれば良かったのになと感じました。
音質
気になる音質をレビューしていきます。
第一印象としては、低音が結構強めという印象。低音をブーストする「Ultra Bassテクノロジー2.0」の効果が表れているようです。
一方で、低音域が強いのも影響しているのか、中高音域に関しては少し埋もれがち。また妙に音に広がりがあるのですが、その分音の輪郭が少しぼやけている様な感覚もあります。
初期状態で有効になっている「Dirac Opteo」テクノロジーの影響もあるのかもしれません。
音の解像感や鮮明さ、艶っぽさの様なものは上位価格帯の製品には敵わないものの、6,000円台という価格を考えれば十分に満足できる音かなという印象を受けました。
ノイズキャンセリング
スペック上では「-42dB」というノイズキャンセリング性能を誇る『CMF Buds』。
実際に試してみると、その効果の高さを実感することができます。エアコンやファンなどの音はノイキャンをオンにするとスッと消えるような感覚に包まれます。
その他、洗濯機や掃除機などの家電が出す騒音や、外出時に感じる車の走行音などに対しても一定以上に効果を発揮し、特に苦手な音域も無くちゃんと全体的にノイズを軽減してくれているなと感じました。
6,000円という価格を考えるとかなり優秀なのではないでしょうか。
外音取り込み
『CMF Buds』は外音取り込みにも対応していますが、個人的に本機は外音取り込みも結構優秀だと感じました。
変に音が詰まったり、機械音の様に聞こえたりすることが無く、自然に外部の音を聞き取る事ができます。
有効にしていても特にノイズが乗ることも無いので、思ってたよりも性能が良い事に驚きました。
マルチポイント接続に対応
『CMF Buds』は、最大2台までのデバイスと同時にペアリングできるマルチポイント接続に対応しています。
わざわざ接続先を切り替える必要が無いので、「スマホ」と「タブレット」など、複数デバイスを持っている場合、非常に役立ちます。
一昔前までは、高価格帯のイヤホンにしか付いていなかった「マルチポイント接続」機能ですが、6,000円台で購入できる『CMF Buds』にマルチポイント接続機能が付いているのは素直に評価したい点です。
専用アプリ「Nothing X」の使い方
『CMF Buds』は、『Nothing Ear (2)』や『CMF Buds Pro』と同じ専用アプリ「Nothing X」が使えます。
アプリのダウンロードは以下から。
Nothing X
Nothing Technology Limited無料posted withアプリーチ
ホーム画面と設定画面。
「Nothing X」はUIがシンプルで分かりやすく『Ear (2)』や『CMF Buds Pro』と同じルック&フィールで使えるのは嬉しい点です。
ただ、表示される項目は『Ear (2)』や『CMF Buds Pro』とも異なり、デバイスによって表示を変えているようです。
ゲームをする時に役立つ「低レイテンシーモード」も、アプリの設定画面から有効にできます。
イコライザー
イコライザ設定画面。
「DIRAC OPTEO」という見慣れない項目がありますが、これは特許取得済みの音質補正技術らしく、高度な特定ベースの補正技術を活かして音響性能を最大限に高めるのが特徴のようです。
その他プリセットは「ロック」や「エレクトリック」などが用意されているほか、カスタムによって「高音/中音/低音」をそれぞれ±6の範囲で調整可能です。
個人的に本機『CMF Buds』は中高音域が埋もれがちだと感じたので、ちょっとイコライザで持ち上げると、自分好みの音に近づきました。
人それぞれ音質の好みみたいなものはあると思うので、こういったイコライザで調整できるのはやはり良いですね。
コントロール
「コントロール」設定では、イヤホン本体の動作をカスタマイズできます。
初期状態だと、左右どちらとも同じ動作になっていますが、アプリでカスタマイズすることによって左右それぞれに動作を割り当てることが可能となります。
一般的には、左が「曲戻し」「音量−」、右が「曲送り」「音量+」になっているワイヤレスイヤホンが多いと思うので、それに合わせるように設定すると、他のイヤホンからもスムーズに移行できると思います。
ノイズコントロール
ノイズコントロールの設定。
『CMF Buds Pro』の時は、ノイズキャンセリングの効き目を「高/中/低」から選べましたが、本製品ではON・OFFの切り替えのみのようです。
ULTRA BASS
『CMF Buds』ならではの特徴として「ULTRA BASS」があります。
アプリからON・OFFの切り替えと、その強さをレベル1〜5までで調整できます。
ULTRA BASSの効果は明確で、ONにするとグッと低音が強調されますので、低音強めが好きな方には嬉しい機能です。
CMF Budsのレビューまとめ
『CMF Buds』は、Nothingのサブブランド「CMF by NOTHING」から販売されているワイヤレスイヤホンで、Nothing譲りの高いデザイン性を誇りながら、6,000円台で購入できるというコスパの高さが魅力的な製品です。
絶対的な音質としては上位価格帯の製品には敵わないものの、ノイズキャンセリングやマルチポイント接続対応、耳装着検知、使いやすいアプリなど、機能面で劣る部分は少なく、総合的に考えるとこの価格としては非常に完成度が高いと感じました。
「そんなに高いものはいらないけど、デザインや使い勝手が良いワイヤレスイヤホンが欲しい」と言った場合、本製品『CMF Buds』はそのニーズを満たしてくれる製品だと思います。
『CMF Buds』が気になった方は、ぜひチェックしてみて下さい。
COMMENT