独創的なデザインで多くのファンを集めるのが英国「Nothing(ナッシング)社」。そんなNothingから、サブブランドという形で登場したのが「CMF by Nothing」です。
CMF by Nothingとしてはいくつかの製品がリリースされていますが、その中でも最も話題となったのが、スマートウォッチ『WATCH PRO』。
Nothing譲りの高いデザイン性を誇りながら、価格が11,000円とスマートウォッチとしてはかなり安価な設定となっているのが特徴です。
本記事では実際に『WATCH PRO』を使い、デザインや使い勝手の検証、及び何が出来るのか?などを詳しくレビューしていきます。
本記事はメーカー様より製品をご提供頂き、作成しております。
なお、記事内容についてメーカー様からの指示は無く、率直な意見・感想を記載しています。
タップできる目次
CMF by NOTHING WATCH PROとは?
ロンドンのテクノロジー企業「Nothing(ナッシング)」から「優れたデザインをより身近なものに」というコンセプト元に作られたブランドが「CMF by NOTHING」。
Nothingならではの洗練されたデザインを採用しつつ、コア機能に焦点を絞った製品づくりがされているので、価格がグッと抑えられているのが特徴です。
主な特徴
CMF by NOTHING WATCH PRO | |
---|---|
画面サイズ | 1.96インチ |
画面タイプ | AMOLED(有機EL) |
画面解像度 | 410×502px(PPI:332) |
明るさ | 600+ nits |
バッテリー容量 | 340mAh |
最大使用可能日数 | 13日間 |
Bluetooth | 5.3 |
フレーム材質 | アルミニウム合金 |
センサー | 加速度センサー 心拍数と血中酸素飽和度センサー |
防水性能 | IP68 |
使用可能バンド | 幅22mm |
カラー | メタリックグレー/アッシュグレー/ダークグレー |
サイズ | 46.9×39.87×12.89mm(バンドなし) 261.2×39.9×12.9 mm(バンドあり) |
重量 | 30.4g(バンドなし) 47g(バンドあり) |
価格 | 11,000円(税込) |
『WATCH PRO』は、何と言ってもNothing譲りのデザイン性の高さが特徴的なスマートウォッチです。
本体やUIなどにNothingの世界観が色濃く出ており、Nothingファンはもちろんデザインが良いものを身に着けたいという方にとっては要注目の製品と言えます。
また、11,000円という価格設定も大きな魅力の一つ。
スマートウォッチは機能によって価格が様々ですが、『Apple Watch』など主要なスマートウォッチは数万程度の価格なのに対し『WATCH PRO』の価格設定はかなり意欲的。
多くの機能を求めない方にとっては”丁度よい製品”となっています。
付属品類は上記の通りです。
本体デザイン
『WATCH PRO』本体のデザインを見ていきます。
『Apple Watch』の様な角丸の形状になっており、オシャレなデザイン。
なお、本体ケースにはアルミニウムが使われていますが、仕上げはカラーによって異なっており。今回紹介する「メタリックグレー」のみ、光沢感のある仕上げとなっています。
他のカラーの場合、本体ケースの仕上げは光沢感の無いマットなものが採用されています。
バンドは後から自分の好きなものに変更できますが、本体の仕上げは購入時しか選べないので、購入時は慎重に選ぶことをおすすめします。
本体裏面は各種センサーが備えられ、心拍数や血中酸素濃度などを計測する事ができます。
また、上部には充電用の端子が見えますね。充電時にはこちらにマグネット充電ケーブルを繋げます。
本体側面にはボタンと、マイク・スピーカー用の穴が設けられています。
本体上下にはバンドを装着するための穴が設けられています。
本体の重量は実測で30.7g。
スマートウォッチとしては結構軽量な部類に入るんじゃないかと思います。
バンドの取り付け
『WATCH PRO』に付属のシリコンバンドを取り付けていきます。
シリコンバンドを取り付けた様子。
バンドの色はかなり鮮やかなオレンジといった感じ。付けているとかなり目立ちます。
ファッション的なアクセントとしては申し分ありませんが、ビジネスシーンだと使いづらいので、「メタリックグレー」を選んだ方は、別途シックな替えバンドを用意しておいた方が良いかもしれません。
このシリコンバンドは金具で止めた後に、
この様に内側に巻き込んで固定するタイプとなっています。
これは正直かなり付けづらいですね。
一度装着するとしっかりと固定してズレるような事はありませんが、着脱時に手間がかかるのが気になります。
こういった事もあり、交換用の別バンドは検討しておいた方が良いでしょう。
付けた様子。
装着には多少手間取りますが、付けた後の付け心地自体は悪くありません。時計本体の重さもそこまで感じず、長時間付けっぱなしでも問題無さそう。
あと、画面が思ったより大きいですね。
僕はあまり手が大きくない方なので、時計本体はもう少し小さい方が良いなと感じました。
CMF by NOTHING WATCH PROの使用レビュー
それでは、実際に『WATCH PRO』を使い、使用感などを詳しく見ていきますが、その前に、まず本製品で何が出来るのかを確認します。
WATCH PROで出来ること
『WATCH PRO』で出来ることは様々ありますが、代表的なものは以下のとおりです。
”スマートウォッチ”に求められる機能としては、ほとんどあると言って良いでしょう。
時計としての機能はもちろん、心拍数や血中酸素濃度、ストレス度などのヘルスモニター、歩数や距離などの活動量計測、通知の確認、通話、音楽コントロールなど、スマホと連動して操作するものなど、一通りの機能は備えています。
初期設定とアプリとの接続
『WATCH PRO』の電源を入れると、まずは言語の選択。
その後はすぐにQRコードが表示され、アプリとペアリングすることを求められます。
本製品は専用アプリ「CMF Watch」が必要なので、ダウンロードしておきましょう。
CMF Watch
Nothing Technology Limited無料posted withアプリーチ
CMF Watchを使うには会員登録が必要です。
ただNothingアカウントがあればそれを使うことが可能。僕の場合『Ear(2)』を使う際にアカウントを作ったので、それを使いログインが出来ました。
ログイン後はアプリと『WATCH PRO』を接続します。
Bluetoothがオンになっている場合、「+」ボタンをタップすると自動的に『WATCH PRO』を探してくれるので、タップして選択すれば、アプリとの接続は完了。
それほど難しい操作を必要とせずセットアップが完了できました。
CMF Watchホーム画面とデバイス画面。
アプリはモノトーンを基調としながら、アクセントのオレンジが鮮やかなデザイン。所々にドットフォントが使われているなどNothingの世界観が踏襲されたUIデザインとなっています。
アプリでは『WATCH PRO』で計測した、歩数などの運動データを始め、心拍数、血中酸素濃度、ストレスレベルなどの測定値も確認することが出来ます。
豊富に用意されたフェイスギャラリーはどれもオシャレ
『WATCH PRO』の最大の魅力とも言えるのが、豊富に用意されたフェイスギャラリーです。
スマートウォッチは、文字盤の見た目を自由に替えられるのが特徴ですが、それは数千円程度のスマートウォッチも一緒。
『WATCH PRO』の場合、Nothingらしい独創的なデザインが豊富に用意されているという点に、アドバンテージがあると思います。
デザイン自体の種類も多く、どれも「黒・白・グレー・オレンジ」といった色のみで構成されています。
中にはまさにNothingといったドットフォントを採用しているものもあり、どのデザインも世界観を感じられる秀逸なものとなっています。
中には先鋭的すぎて「使いやすさ」の点では疑問が残るデザインもありますが、Nothingの世界観が好きなのであれば、このデザインだけでも『WATCH PRO』を選ぶ大きな理由となりそうです。
WATCH PRO本体画面の綺麗さ
オシャレな文字盤デザインが用意されていても、本体ディスプレイが綺麗じゃないと真価は発揮されません。
ということで『WATCH PRO』本体の画面を見ていきます。
『WATCH PRO』に搭載されているディスプレイは、1.96インチのAMOLED(有機EL)。
画面解像度は、410×502pxでPPI(1インチ辺りの密度)は332と、高精細なものが使われており画面はかなり綺麗です。
文字も読みやすく視認性が高いですが、どうも使われているフォントが、いわゆる「中華フォント」と呼ばれるもので、日本語に若干の違和感を感じます。
中華フォント使われていると急に安っぽく見えてしまい、個人的にはあまり好きではありません。
アップデートで正しい日本語フォントが適用されるようになれば良いのですが、表示自体はちゃんと出来ているため、望みは薄そうなのが残念。
デザインを重視するのであれば、英語で使っても良さそう。
メニュー自体に難しい英語は使われていませんし、『WATCH PRO』本体で計測したデータは、アプリを使えば日本語で確認できるので、実用上そこまで困ることは無さそう。
(なお、言語を英語にしても、日本語の通知はちゃんと日本語で来ます。)
また、画面のリフレッシュレートは50Hzとちょっと微妙な数値。格安スマートウォッチよりは良いですが、Apple Watchほどヌルヌルとアニメーションはしません。
画面解像度ではApple Watchに引けを取りませんが、こういった部分で少し安っぽさを感じてしまいます。(価格全然違うんですけどね…)
ヘルスケア関連の測定
『WATCH PRO』では「心拍数・血中酸素濃度・ストレスレベル」の計測に対応しています。
実際使ってみた感じ、心拍数は散歩してる時はちょっと上がるなど、正確に測られているような気がしました。
血中酸素濃度、ストレスに関しては数値にあまり大きな変化が無かったので、何とも言い難い部分もありますが、ある程度は正確なんじゃないかと思っています。
これらの数値はアプリ上でも確認でき、日・週・月・年単位で切り替えてグラフ化してくれるので、日々の健康管理に役立ちそうです。
通知の確認
スマートウォッチの大きな役割の一つに「通知の確認」があげられますが、『WATCH PRO』でもスマホに届いた通知を確認することが可能です。
ただ、初期状態だと限られたアプリの通知しか来ないので、通知の設定を「CMF WATCH」アプリから行う必要があります。
「CMF WATCH」アプリの、「デバイス→通知」と進むと、通知を受け取るアプリが設定可能。
主要なアプリは表示されていますが、WhatsAppやTelegramなど日本ではあまり使われていないものも混じっています。
なお、日本で使っている人が多いであろう「LINE」も一覧に用意されているのでご安心を。
また、この一覧に載っていないアプリからの通知を受けたい場合、「その他」をオンにすると届くようになります。
なお実際に『WATCH PRO』で通知を見た様子がこちら。
高解像度なディスプレイのため文字の視認性は良いですが、アプリアイコンが表示されないのと、絵文字が□に変換されてしまいます。
一応通知はちゃんと届いていますが、ここから返信とかも出来ないので、あくまで軽く確認するといった程度の使い方でしょうか。
せめてアプリアイコンくらい表示してくれればどのアプリから通知が来たか分かりやすいのですが、この点はちょっと残念。
通話・音楽コントロール・リモート写真撮影など
『WATCH PRO』は、スピーカー・マイクが搭載されているので、これで通話も可能。実際に試してみましたが、ちゃんと会話は出来ました。「AIノイズリダクション」が搭載されている為か、思ったよりもノイズが無い音声といった印象。
その他にも「音楽再生コントロール」「リモート写真撮影」など、スマホと連動して活用する機能は一通り使ってみましたが、どれも可もなく不可も無くといった感じで普通に使えました。
CMF by NOTHING WATCH PROのレビューまとめ
『CMF by NOTHING WATCH PRO』は、Nothingの世界観を感じられるデザインの良いスマートウォッチ。時計自体の質感も悪くなく、豊富に用意されたフェイスギャラリー(文字盤)はどれもNothingらしい独創的なデザインが揃っています。
機能面では特にタッチ決済など特別な機能があるわけでも無く、一般的なスマートウォッチといった印象。
カスタマイズ性が乏しく、日本語が中華フォントだったりと安っぽさを感じる部分も見え隠れし、恐らく「ベースは中華スマートウォッチで、そこにNothingのUIデザインを被せた」というのが本製品の成り立ちの様に思います。
こう聞くと残念に感じるかもしれませんが、本製品の価格は11,000円。スマートウォッチとしては安価で手に取りやすく、デザインに関しては申し分ありません。
「通知の確認や、簡単な体調管理が出来れば良い」と考える方や、「デザインに優れたスマートウォッチが欲しい」といった方は『WATCH PRO』はまさに”丁度よい”スマートウオッチと言えます。
気になった方は、是非『WATCH PRO』をチェックしてみてください。
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