パソコンの作業効率化の為に覚えたいのが、複数のキーを同時押しする「ショートカットキー」。
有名な所だと「Ctrl+C(コピー)」「Ctrl+V(ペースト)」辺りは有名なので使っている方も多いと思いますが、アプリケーションによって様々な機能がショートカットキーに割り当てられています。
特に、PhotoshopやPremire Pro、XDの様な、デザイン・映像系ソフトや、Word、Excelのようなオフィス系ソフトの場合、用意されているショートカットキーが多く、使いこなすことによって作業効率が大幅に向上するので、積極的に使っていきたいのですが、ショートカットキーって複雑でなかなか覚えにくいというのが正直な所……。
そこで今回紹介するのが『TourBox Elite(ツアーボックスエリート)』という製品。
こちらは、いわゆる”左手デバイス”と呼ばれるもので、本体に「ボタンが11個」「ダイヤルが3つ」付いており、それぞれのボタンにショットカットキーの機能を割り当てることが出来るものです。
本記事では、この『TourBox Elite』を実際に使ってみて感じたメリットやデメリットの他に、前モデルである『TourBox Neo』との違いは?なども含め、詳しくレビューしていきます。
ぜひ最後までご覧ください。
本記事はメーカー様よりサンプルをご提供頂き、作成しております。
タップできる目次
TourBox Eliteとは?
『TourBox Elite(ツアーボックス エリート)』は、一言で言えば「ショートカットキーを各ボタンに割り当てる事ができる小型デバイス」です。
特徴的なのが、ショートカットキーを割り当てるだけではなく、ノブやダイヤルを使うことによって、”直感的”に値を変える事が出来る点。
例えば、Photoshop、Illustratorなどのデザインツールの場合、カンバスの拡大・縮小、レイヤーの切り替えなどを頻繁に行いますが、それらの操作を『TourBox Elite』に割り当てる事により、キーボードに触れなくてもシームレスに操作する事ができます。
Lightroomの様な写真加工・管理ツールの場合、露光、コントラスト、シャドウ、ハイライトなどのパラメーターをノブを回転させるだけで調整可能。
更にExcelなどの場合、スクロールとダイヤルを回転させるだけで、シートの縦・横スクロールが出来るなど、工夫次第であらゆるソフトの操作を快適にしてくれます。
スペック
TourBox Elite | |
---|---|
サイズ | 116×101×44mm |
重量 | 376g(電池含まず) 424g(電池を含んだ総重量) |
材質 | 本体:ABS ボタン:PC(ポリカーボネート) ノブ&ダイヤル:PC+TPUダブル射出成形 |
表面処理 | トランスルーセント:無処理 ホワイト・ブラック:UV抗菌・耐指紋加工 |
接続方法 | 無線:デュアルBluetooth 5.1 有線:USB Type-C |
モーター | リニアモーター |
給電方法 | 有線:5V DC、50mA 無線:3V DC、50mA |
対応OS | Windows 7以降及びmacOS 10.11以降(ケーブルで接続可能) Windows 10以降及びmacOS 10.11以降(Bluetoothで接続可能) |
バッテリー持続 | 最長約2カ月 |
振動フィードバック | ハプティックフィードバック |
カラー | クラシックブラック、アイボリーホワイト、トランスルーセント |
『TourBox Elite』のスペックは上記の通り。
前モデルである『TourBox Neo』と比較して「Bluetooth対応」「カラー追加」「ハプティックフィードバック対応」など、様々な点で強化されているのが特徴です。
パッケージの内容
『TourBox Elite』を開封して、パッケージ内容や本体外観を見ていきます。
モノクロでシックなパッケージ。中央には「TourBox Elite」という文字がエンボス加工で入っており、スタイリッシュです。
なお、このパッケージはあくまでサンプル用であり、正式な製品版だとデザインが変わるようです。
少し前にpixivでパッケージデザインイラストコンテストが行われていたみたいですので、製品版だとイラストが採用されたデザインになるものと思われます。
個人的にはイラストなんていらなくて、今のデザインの方向性で良いんじゃないかと思ったりしますが……
外箱を開けると、ユーザーマニュアルが見えてきます。
マニュアルの下には、専用の収納袋に本体と付属品が収められていました。
パッケージ内容は上記の通り。
長さ1.5mほどのUSB-Cケーブル。一方がL字になっており使いやすそうです。
なお、今回のサンプル品では付属していましたが、製品版だとこのUSB-Cケーブルはオプションとなるようです。
このUSB-Cケーブルは『TourBox Elite』専用というわけではないので、他に持っているUSB-Cケーブルがあるのであれば、そちらを使うことも可能です。
付属してきたユーザーマニュアル。
サンプル品の為か、全て英語でしたが、実際の製品版ではちゃんと日本語表記のあるものになると思われます。(実際に公式サイトからは既に日本語表記も追加されたユーザーマニュアルがダウンロード出来るようになっています)
本体外観・サイズ感
『TourBox Elite』本体の外観やサイズ感を見ていきます。
本体はこの様なデザイン。
前モデル『TourBox Neo』は、カラーがブラック1色でしたが、『TourBox Elite』からは、この「アイボリーホワイト」に、半透明な「トランスルーセント」を加えた全3色展開になりました。
今回「アイボリーホワイト」を送っていただきましたが、白の色味がとても良いです。
ボタンやダイヤル類もしっかりとホワイトになっており、”白系デバイス”が好きな人にはたまりませんね。
光沢は無く、マットな質感で触るとサラッとした手触り。
どうやら前モデルである『TourBox Neo』は、使っていると皮脂汚れが目立つという意見があったようですが、『TourBox Elite』は、UV抗菌・耐指紋のスプレー塗装が施されており、皮脂汚れにも強くなったとの事(ブラック・ホワイトのみ)。
長時間触るデバイスなので、皮脂汚れに強くなったのは歓迎ですね。
本体背面。
中央には、電池を入れるソケットがあり、その左に電源スイッチとBluetoothボタンがあります。
4隅には滑り止めのゴム足が装着されています。
本体左側面にはサイドボタンがあります。
なお、反対側の右側面にはボタンなどはありません。
本体奥側にはUSB-Cポートがあります。
有線接続した場合、電池は不要です。
無線で使う場合、電池を入れる必要があります。
電池は単3電池2本。
約2ヶ月間持つとの事ですが、電池の入れ替えって面倒なので乾電池ではなくて充電池が良かったなぁと思いました。
次モデルではUSB-Cから充電できる充電池の採用に期待したい所です。
本体重量は、電池を入れた状態で実測429.2g。
実際に持ってみても大きさの割にズシッとした重量を感じますが、重量があるという事は、安定するという事でもあるので、デメリットばかりというわけでもありません。
『iPhone 12 mini』とのサイズ比較。
結構コンパクトなので、デスクの上に置いてもそこまで邪魔にならないのではないかと思います。
僕はちょっと手が小さめですが、スッポリと収まるサイズ感で、ちょうどよい大きさだなと感じました。
TourBox Eliteの使い方
ここからは『TourBox Elite』の使い方を見ていきます。
TourBoxコンソールのダウンロードとインストール
『TourBox Elite』を使うには、まず専用ソフト「TourBoxコンソール」を、パソコンにインストールする必要があります。
ダウンロードは上記URLから。
執筆時点(6/3)での最新バージョンは、4.0.5。
結構頻繁にアップデートされており、バグ修正が行われているので最新版をダウンロードしておきましょう。
Mac、Windows両方対応しているので、自分が持っているパソコンに合わせてダウンロードします。今回はMac版を元に解説していきます。
「TourBoxコンソール」を起動すると、TourBoxに接続してください。という案内が出るので、
本体背面にあるBluetoothボタンを長押しします。
するとペアリング状態になり、本体表面にあるLEDライトがオレンジに点滅します。
ペアリング状態にした状態で「TourBoxコンソール」を確認すると『TourBox Elite』が検出されているので、「接続」ボタンを押してペアリングさせます。
新しいファームウェアがあると、この段階でアップデートの案内が出てくるので、アップデートを完了しておきましょう。
日本語が多少怪しいのはご愛嬌。
無事ファームウェアのアップデートが終わると、「TourBoxコンソール」の設定画面になります。
初回起動時は、チュートリアルが表示されるので必要に応じて確認しておきましょう。
TourBoxコンソールの基本的な使い方
「TourBoxコンソール」の基本的な使い方を見ていきます。
「TourBoxコンソール」では、ショートカットキーを各ボタンに割り当てる事ができますが、それらの設定は「プリセット」と呼ばれるものに記録されます。
「TourBoxコンソール」では、予めプリセットリストの中にいくつか用意されていますが、プリセットは公式サイトからダウンロードすることや、自分でオリジナルプリセットを作る事も可能です。
公式サイトでは、様々なアプリケーションに対応したプリセットがダウンロードできますが、日本のユーザーが少なく、全体的な数もまだそこまで充実しているとは言えないので、あまり過剰な期待はしないほうが良さそう。
使いたいアプリケーションのプリセットがあれば、とりあえず何かダウンロードし、インポートしてみて、その上で更に自分で使いやすいように上書きしていくようなやり方が、手間が少ないのではないかと思います。
アプリによってプリセットが自動的に変わるようにする
「TourBoxコンソール」は、初期状態だと全てのアプリで同じプリセットを使う設定となっています。
しかし、PhotoShopとExcelで同じプリセットなはずが無いので、アプリによってプリセットが自動的に変わる様にしておくと便利です。
「TourBoxコンソール」左上にある、「プリセットをオートスウィッチ」をONにすると、
アプリ一覧が表示されるので、該当のアプリを選択して、プリセットとアプリを関連付けます。
無事関連付けが完了すると、プリセット名の右にアプリのアイコンが表示され、今後はアプリを起動すると自動的に関連したプリセットが読み込まれるようになります。
プリセットを自分で1から作る方法
自分が使いたいアプリのプリセットが無い場合、自分で1から作る事も可能です。
僕はWebデザインの仕事をする際には「Adobe XD」を使っているのですが、XD用のプリセットが無かったので、自分で作ってみることにしました。
プリセットを新規で作るには、リスト右にある「+」ボタンから。
プリセット名を入力した上で「カスタムプリセット」を選択し、プリセットを作成すると、まっさらな状態のプリセットが出来上がります。
プリセットとアプリを関連付けます。
後は、それぞれのボタンにショートカットキーを登録していきます。
当たり前といえば当たり前なんですが、アプリ側でショートカットキーが用意されていないと、そもそも登録できないという点は注意が必要。
PhotoShopやLightroomの場合「TourBoxコンソール」側で、”Built-in”という形でショートカットキーが無い操作にも対応していたりします。今後Built-in対応アプリがもっと増えれば良いなと思いました。
なんとなく使用頻度の高い「やり直し」や「グループ化」などを登録してみましたが、正直登録できるボタンの項目が多すぎて全く使いこなせていません…。
こればかりは使いながら、自分好みにどんどんカスタマイズしていくしか無いかなと思っています。
各ボタンには、単純なショートカットキーの他にも「マクロ」が登録できたりもします。
いつも決まった一連の作業があるなら、マクロに登録しておくことでボタン1つ押すだけで作業が完結。使いこなせれば作業効率が劇的に向上します。
それにしても、出来ることが多すぎて凄いですね…。全く使いこなせていない…。
TourBox Eliteの使用レビュー
実際に『TourBox Elite』を使ってみて感じた使用感やメリット・デメリットを見ていきます。
ボタン一つで様々な動作を行えるので、作業が捗る
今まで散々紹介してきたので、改めて言うまでもありませんが、複雑なショートカットキーでも登録してしまえばボタン一つで呼び出すことが出来るのは便利です。
個人的に気に入っているのが、スクリーンショット。
Macの場合「Command+Shift+3」とか「Command+Shift+4」でスクリーンショットが撮れるのですが、指つりそうになるくらいにやり辛いんですよね…w
これらをボタン1つで出来るのは、かなり快適。ブロガーさんなど、スクリーンショットを撮る機会が多い方にオススメしたいカスタマイズ方法の一つです。
ハプティックフィードバックが気持ち良い
『TourBox Elite』には、振動フィードバック機能である「ハプティックフィードバック」が付いています。
これは、「ノブ」や「ダイヤル」なんかを回転させた時に「カチカチ」と振動を返してくれるもの。
このカチカチが気持ちよくて、無駄に回してしまいたくなるくらい。
もちろん気持ち良いだけではなくて、1目盛ごとにちゃんと振動が返ってくるので、Lightroomの様なパラメータの微調整もやりやすいというメリットもあります。
Bluetooth接続出来るのでデスクがスッキリする
『TourBox Elite』は、前モデルである『TourBox Neo』と比較してBluetooth接続に対応している点が大きく進化したポイントです。
実際に使ってみても、やはり無線だとケーブルが引っかかる心配も無く、デスク周りもスッキリするのでメリットが大きいなと感じました。
Bluetoothだから遅延とかあるのかなと心配していましたが、実際に使ってみても遅延を感じる事は無く、途切れる事も無かったので、接続は安定していると思います。
TourBox EliteとNeoの違い
『TourBox Elite』は、前モデル『TourBox Neo』のアップデートモデルと呼べる製品です。
それぞれの違いがどこにあるのかを比較してみます。
TourBox Neo | TourBox Elite | |
---|---|---|
ボタン数 | 14 | 14 |
重量 | 365g | 424g(電池を含んだ総重量) |
接続方法 | USB-C | USB-C or Bluetooth |
給電方法 | USB-C | USB-C or 単三電池×2 |
バッテリー持続 | ー | 最長約2カ月 |
振動フィードバック | ー | ハプティックフィードバック |
カラー | ブラック | クラシックブラック、アイボリーホワイト、トランスルーセント |
価格 | 21,980円 | 36,580円(クラシックブラック/ホワイトルーセント) 39,580円(トランスルーセント) |
全体的な形状やボタン数などは特に大きな違いはありません。
大きく変わった点としては、Bluetoothによる無線接続に対応した事と、振動フィードバックである「ハプティックフィードバック」を搭載した所、カラーバリエーションが増えた点が挙げられます。
特にBluetooth対応した点は大きく進化した点ですね。無線接続にデスク周りのケーブルが無くなりスッキリするのがメリットです。
また、カラーバリエーションの追加も待ち望んでいた方は多いのではないでしょうか。
全体的な完成度は上がった一方、価格の方もかなり上がってしまっている点は残念なポイント。
1.5〜2倍近い価格の差を考えると、『TourBox Elite』はバッテリーくらい搭載して充電式にして欲しかったなと思います。
TourBox NeoからEliteに乗り換えるべきか
前述の通り、形状やボタン数は一緒なので、判断するポイントとしては「Bluetoothによるワイヤレス接続がしたいか」が焦点になります。
ケーブルがどうしても邪魔…という場合『TourBox Elite』を検討する価値はありますが、それに3万円以上出すほどかと言われると、あまりオススメは出来ないというのが正直な所です。
バッテリーを搭載し、充電式になった次世代モデルが出たら(出るのかどうか分かりませんが)、乗り換えの検討するという感じで良いかと思います。
TourBox Eliteのレビューまとめ
『TourBox Elite』は、小型ボディに多数のボタンとダイヤルを搭載した多機能コントローラーです。
ショートカットキーをボタンに割り当てる事によって、ボタン1つで各種操作が可能となり、大幅に作業効率が向上します。
また、ショートカットだけではなくマクロなんかも登録が可能。使いこなせれば、あらゆる作業を効率よくこなすことができます。
前モデルの『TourBox Neo』と比較しても、Bluetooth接続が出来るようになり、振動フィードバックである「ハプティックフィードバック」を搭載、カラーバリエーションの追加など着実なアップデートがなされています。
1点、無線時の電源がバッテリーではなくて乾電池という点は引っかかりますが、こちらは次モデルに期待ですね。
PhotoshopやLightroom、Premire Proなど、画像・映像編集する機会が多いクリエイターから、ブロガー、オフィス作業が多いデスクワーカーなど、あらゆる人の作業効率向上に繋がる『TourBox Elite』。
作業効率を上げたいと思っている方に、是非一度試してもらいたいデバイスです。
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