自動昇降デスクなどで有名な「FlexiSpot」から、新しく登場したワークチェアが『FlexiSpot C7・C7 Air』。
このチェアは3万円台という安価な価格ながら、高級ワークチェアにも引けを取らない程に調整機能が詰め込まれています。
実際に『FlexiSpot C7 Air』を使ってみましたので、組み立ての様子や座り心地、各部の調整機能などについて詳しくレビューしてきます。
本記事はメーカー様より製品をご提供頂き、作成しております。
なお、記事内容についてメーカー様からの指示は無く、率直な意見・感想を記載しています。
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FlexiSpot C7 Airとは?
「FlexiSpot(フレキシスポット)」から販売されているワークチェアが『FlexiSpot C7・C7 Air』。
「FlexiSpot」と言えば、『E7』といった電動昇降デスクで有名なメーカーですが、デスクだけではなくチェアやベッドなど、幅広く製品を展開しています。
以前はオフィスチェアとエアロバイクが融合した『V6』というユニークなフィットネスチェアをレビューした事がありますが、今回紹介する『C7・C7 Air』は、正統派のワークチェアになっています。
スペックと主な特徴
C7 | C7 Air | |
---|---|---|
背もたれ素材 | メッシュ | |
座面素材 | ウレタン | メッシュ |
リクライニング | 128° | |
座面高さ範囲 | 119.5〜134.5cm | |
ヘッドレスト | 2Dヘッドレスト | |
アームレスト | 4Dアームレスト | |
座面前後調整 | ◯ | |
座面前傾角度調整 | ◯ | |
上下昇降機能 | ◯ | |
ランバーサポート | ◯ | |
カラー | ブラック | |
梱包サイズ | 73×65×45cm | |
重量 | 21.6kg 梱包時:約25kg | |
価格 | 34,800円(税込) | 39,800円(税込) |
『C7・C7 Air』のスペックは上記の通り。
「C7」「C7 Air」の違いは、座面の素材と価格。「C7 Air」が座面がメッシュになっており、価格が5,000円ほど高くなっています。
なお、今回は座面がメッシュになった『C7 Air』をレビューしていきます。
『FlexiSpot C7 Air』の主な特徴は上記の通り。
椅子に長時間座ると腰への負担が大きく腰痛の原因となりますが、それを軽減するために有効なのが「ランバーサポート」。腰部分に当てることで背筋を伸ばし、理想的な姿勢に近づけてくれるものです。
このランバーサポートは安価なワークチェアでは付いていない事も多いのですが『FlexiSpot C7 Air』ではしっかりと標準装備。
その他にも、高さの調整に加え、前後左右にも移動できるアームレストや、座面の位置を調整できる機能など、高価格帯のワークチェアにしか装備されていない様な機能も備えています。
FlexiSpot C7 Airの組み立てと注意点
ここからは『FlexiSpot C7 Air』を組み立てていきますが、組み立て時に遭遇した注意点などもありますので、合わせてご紹介。
なお、組み立ての様子は結構長いので、実際の使用感だけを見たい方は飛ばしてください。
『FlexiSpot C7 Air』はこんな感じで届きます。椅子なので仕方ないのですが、サイズがかなり大きく、重量も25kg近くあります。
そのため、2階など上階に運ぶ際には注意。二人以上の複数人で作業することを強くオススメ。
ダンボールを開封するとこんな感じ。各パーツはダンボールやエアキャップなどの緩衝材によって保護されています。
パーツ類はこのような感じ。
組み立てる際に使う六角レンチも同梱されているので、別途自分で何かを用意する必要はありません。
説明書に沿って組み立てていきます。
後述しますが、この説明書には重大な問題があり、ほぼ全ての人が引っかかるであろうポイントがありますので、後ほど詳しく解説します。
まずはレッグフレームにキャスターを取り付け。
このキャスター、めちゃくちゃ硬くて付けるのにかなり苦労しました。最初どうやっても付かないので壊れてるのかと思ったほど。
なんか体重の掛け方によってはスッと入ったので、コツがあるみたいです。入らない場合体重の掛け方を変えてみるなどの工夫をしてみてください。
キャスターが付け終わったら、ガスシリンダーを差し込み。
その後は座面にアームレストを取り付けていきます。
両方のアームレストを取り付けた様子。
続いて座面にこの座受金具を取り付けますが、
説明書には「平ワッシャーと合わせて」という記載があります。
「平ワッシャー」ってどこにあるんだろうと同梱物を探したのですが、見当たりません…
なんとこの「平ワッシャー」座面裏に予め付いています。
これ、初見で分かる人0人説を提唱したい…
僕もワッシャー無いから仕方ないかと一回全て組み上げた後、公式サイトのレビューを見て、その存在に気づきました。
そのため、完成してたものの座面を一回外し、ワッシャーを取り出して再度組み立てました。
これは正直どうかと思いますね…
そもそもワッシャーはネジとかと一緒に同梱しておくべきだし、仮に予め座面に付けたとしても説明書にその記載は必要です。
説明書の修正であればそこまで大変じゃないと思うので、早急に対応してもらいたい所。
平ワッシャー問題はありますが、組立自体はそこまで難しくはありません。
座面に座受金具を取り付け
背もたれを座面に取り付けます。
座面が完成したら、ガスシリンダーに座面を乗せるように差し込み。
ここ、1人でやったんですが出来れば2人以上でやったほうが良いです。座面が結構重く、持ち上げる時に腰がやられそうになりました…。
背もたれにヘッドレストを取り付けたら完成。
完成した『FlexiSpot C7 Air』。
パッと見た感じは5万円以上のワークチェアと比較しても遜色ないくらいの仕上がりに感じました。
FlexiSpot C7 Airの本体デザインと各部位ごとの調整機能
『FlexiSpot C7 Air』のデザインや、各部位ごとの調整機能を見ていきます。
全体のデザイン
チェア正面から見た様子。
全体的には黒でまとまったシックなデザイン。特別な装飾はなく、至ってシンプルにまとまっています。
側面から見た様子。
ランバーサポートが特徴的ですが、その他特筆すべき点は見当たりません。
背面から見た様子。
中央にロゴは見えますが、その他には特に目立った装飾もなくシンプル。
ワークチェアの中にはフレーム部分に金属など異なる素材を組み合わせて高級感を出している製品もありますが、本製品はそういったデザイン的な特徴はありません。
ヘッドレスト
ヘッドレストは「2Dヘッドレスト」と呼ばれ、上下の高さ調整と角度調整が可能。
高さはヘッドレストを引っ張り上げると、調整が可能。
角度も無段階で調整が可能で、頭をしっかりと支えてくれます。
座面
『FlexiSpot C7 Air』の場合、座面、背もたれなど身体に触れる部分は全てメッシュ素材が採用されています。
メッシュ素材は通気性が良く、長時間座っていても不快に感じることが無いので、高価格帯のワークチェアでは良く採用されている素材。
『FlexiSpot C7 Air』も、やや硬めながらもしっかりと張りがあり身体を支えてくれます。
また、座面は前後に位置の調整が可能。
一般的なチェアだと座面の高さを変えられるのは当然ですが、座面の位置を前後に調整できるものはそう多くありません。
初期状態だと少し窮屈に感じる部分もありましたが、座面の位置を前に出すことで余裕を持って座ることが出来ました。
更に座面は角度を前傾に調整する事も出来ます。
これ、この価格帯のチェアに搭載するの?とかなり驚きました。
座面を前傾に出来る機能は「前傾チルト」と呼ばれ、10万円を超えるような高価格帯のチェアにしか搭載されていません。
僕が以前ワークチェアを検討した時も、前傾チルトを搭載している事が条件の一つになっており、結局13万円くらいのハーマンミラー『ミラ2チェア』を購入したという経緯があります。
3万円台でこれ搭載するのは脅威ですね…。
背もたれ・ランバーサポート
『FlexiSpot C7 Air』には「ランバーサポート」が搭載されています。
人の背骨は頭の重さを支えるためにS字形状になっていますが、椅子に座って作業すると、S字カーブが崩れ猫背になりがちです。
猫背になると、適切に頭の重さを支えることが難しくなり、首や肩、腰への負担が大きくなります。
座った時でも自然なS字形状に近づけられ、身体への負担を少なくするのがこの「ランバーサポート」。デスクワークが多い方には必須とも言える機能ですが『FlexiSpot C7 Air』でもしっかりと標準装備。
角度も身体に合わせて調整が可能。
チェア後方にはロックレバーがあるので、良い角度で固定も出来ます。
リクライニング
リクライニングは最大128°まで倒す事が出来ます。
レバーでロックする事も出来るので、ちょっと休憩する時には良いですね。
アームレスト
『FlexiSpot C7 Air』のアームレストは、高さ調整はもちろんの事、前後左右、角度が調整できる「4Dアームレスト」が搭載されています。
自由度が高く、様々なデスク環境に合わせて調整できるので「4Dアームレスト」はポイントが高いです。
FlexiSpot C7 Airの使用レビュー
ここからは実際に『FlexiSpot C7 Air』に座ってみて感じた使用感などをレビューしていきます。
座り心地は良好
正直座る前までは3万円台のチェアなので、そこまで期待していなかったのですが、普通に『FlexiSpot C7 Air』の座り心地は思ったよりも良好でした。
多少座面が硬いかなぁという気もしますが、ちゃんと張りがあってしっかりと身体を支えてくれる感覚はあります。
これであれば十分にワークチェアとしては合格点かなと思いました。
ランバーサポートが良い
腰に当てて負担を軽減するランバーサポートですが、僕個人としては結構いい感じにフィットしてくれます。
ただ、『FlexiSpot C7 Air』のランバーサポートは、角度調整は出来ても高さ調整が出来ないので、人によってはあまりフィットしない可能性もあります。
前傾チルトはタイミングなどデスク作業に最適
前述した通り、前傾チルト機構が付いているのは非常に大きなポイント。
デスクで何か書いたり、タイピングする時って身体が前かがみになります。そうすると、背もたれと腰の間に隙間ができ、姿勢が崩れることで腰痛の原因にもなります。
前傾チルト機構が付いていると、前かがみになったときにも背もたれが付いてきてくれるような形になり、背もたれと腰の間の隙間が埋まり安定感を保ってくれます。
前傾チルト機構を搭載しているチェアは「アーロンチェア」など十数万くらいする高価格帯の製品についている事が多いのですが『FlexiSpot C7 Air』は3万円台で前傾チルトを付けてきた事は驚愕に値します。
アームレストの自由度が高い
安価なワークチェアだと、アームレストが付いていても高さの調整くらいしか出来ないものもあるのですが、『FlexiSpot C7 Air』は前後左右、角度の調整ができるので、かなり自由度が高いです。
様々なデスク環境でベストなポジションにアームレストを持ってくることができ、デスクとアームレストを平行にして使うことで、タイピング時にかかる腕の負担をかなり軽減することができます。
レバーが多く硬い。どこを操作すれば良いのか分かりづらい
『FlexiSpot C7 Air』は、価格を超えた豊富な機能を搭載していることが大きなメリットですが、機能が多い反面、操作性に関してはあまり洗練されていない印象。
操作レバーがあちこちに散らばっており、どこを操作すれば何が調整出来るのかが分かりづらく感じます。
また、各レバーも硬くて動かしづらいのも難点。
レバー類は、出来れば同じ箇所にまとめた上で、どのレバーが何に対応しているのかをアイコンなどを使って分かりやすくしてもらえればなぁと思いました。
今後のモデルに期待ですね。
座面下の掃除が困難
メッシュ素材のチェアって、座っているとそのうち座面下にホコリの様なものが溜まってきます。
僕の『ミラ2チェア』もしばらく使うとホコリがめっちゃ溜まってきて掃除に苦労していますが、『FlexiSpot C7 Air』の座面下はデコボコになっていて、掃除が難しそう。
ワークチェアって一度購入すると長期間使うものなので、掃除などメンテナンスのし易さも重要なポイントの一つです。
その点『FlexiSpot C7 Air』はちょっと掃除がし辛いのではないかと思いました。
FlexiSpot C7 Airのレビューまとめ
『FlexiSpot C7 Air』は、3万円台で購入できるワークチェア。
「2Dヘッドレスト」や「4Dアームレスト」「ランバーサポート」「前傾チルト機構」など、高価格帯のワークチェアにも引けを取らない豊富な機能を備えている事が最大の特徴です。
「C7 Air」の場合、座面がメッシュ素材なので長時間座りっぱなしでも蒸れることが無いのもメリット。
ただ、ワークチェアとしては安価な製品なため、質感は価格相応という部分と、レバーを始めとした操作性があまり良くなく洗練されてないのはちょっと残念。
また、平ワッシャーの場所が分かりづらく、説明書に記載が無いことも問題です。
と、気になる点もありますが、ワークチェアとしての機能は3万円台とは思えないほど豊富。本格的なワークチェアが欲しいけど、何万も出せないよ…という方や、初めてワークチェアを買おうと思っている方にとっては有力な選択肢と言えそうです。
気になった方は『FlexiSpot C7 Air』を、チェックしてみてください。
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