僕の使っているWindowsマシンは自作したものですが、ブートドライブ用としてINTELのM.2 SSD『INTEL 600p 512GB』を取り付けています。
エントリーモデルという事もあり、速度はそれほど速くはありませんが、それでもNVMeなのでSATA接続とは桁違いの速度を見せてくれます。
ただ、NVMe SSDはデータ転送速度の速さゆえに発熱が大きいことが難点。『INTEL 600p』も例にもれず発熱が大きく、計測してみると70℃を超えるような高温になっている事がありました。
何か熱対策をしないと…と思い購入したのが、全ての工程を日本国内で行い、手作業で丁寧に仕上げると評判の長尾製作所から販売されている『M.2 SSD用ヒートシンクカバー SS-M2S-HS02』。
実際にSSDへ取り付け「本当に効果があるのか?」「どのくらい変化したのか?」などを気になる点をレビューしていきます。
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長尾製作所 M.2 SSD用ヒートシンクカバー SS-M2S-HS02とは?
M.2形式のSSDに貼り付けて、排熱をうながすのが『M.2 SSD用ヒートシンクカバー SS-M2S-HS02』。
NVMe方式のSSDは、データ転送速度が非常に速い事がメリットですが、その分発熱も大きくなりがちです。
発熱が大きいと、SSD自体の寿命を縮めてしまう可能性がある他、保護機能であるサーマルスロットリングが働いて、本来の速度が出せないといった問題が発生します。
最近のSSDは予めヒートシンクが付いている製品が増えている他、マザーボード側でもヒートシンクを装備している製品が多くなってきました。
しかし、必ずしもヒートシンクを備えているSSDばかりではありません。そこで活躍するのが本製品の様な後付出来るタイプのヒートシンク。
ペタッと貼り付けて上げるだけで、SSDの熱を放熱してくれる便利なアイテムです。
パッケージ内容
『M.2 SSD用ヒートシンクカバー SS-M2S-HS02』を開封し、付属品や本体外観を見ていきます。
パッケージはPCパーツらしい簡素なもの。
ショップではグリスなんかと一緒に並べられている事が多いと思います。
内容品も非常にシンプル。ヒートシンク本体が1個と、耐熱絶縁テープが2枚付属しているのみでした。
本体外観
ヒートシンク本体は、厚さ約2mmのアルミニウムで作られています。SSD用ヒートシンクの中には突起が沢山付いており、より高い放熱性能を誇るものもありますが、本製品は突起などは無いシンプルな形状。
その分、高さが5cmに抑えられており、Mini-ITXなど狭い空間でも他のパーツやケースと干渉することが少ないのがメリットです。
SSDが触れる内部には「高性能放熱シリコーンパッド」が貼り付けられています。このシリコーンパッドの熱伝導率は「5.2W/m・k」となっており、スペック上の数値だけを見ると”そこそこ”と言った所でしょうか。
実際の効果は後ほど取り付けて確認していきます。
長尾製作所 M.2 SSD用ヒートシンクカバー SS-M2S-HS02の取り付け
実際に『M.2 SSD用ヒートシンクカバー SS-M2S-HS02』をSSDに取り付けて、その効果を確認していきます。
まずは、ヒートシンクが無い素の状態で付いている『INTEL SSD 600p』をマザーボードから取り外します。
余談ですが、僕が今使っているPCケース『Dan Cases A4-SFX V4』は、容量が7.2Lと超小型なMini-ITX用ケース。30cmまでのグラフィックボードを搭載することができ、”小型ながら高性能”というロマン溢れるPCを構築できるのが特徴です。
反面、小型PCケースにありがちですがメンテナンスのしやすさは最悪レベルで、何か交換しようとした場合、全てネジを外して分解する必要があります。
一度組み立ててしまえば、それほど頻繁にケースを開ける機会も無いので我慢は出来るのですが、頻繁にパーツを交換する方にはオススメできないケースです。
マザーボードから取り外した『INTEL SSD 600p』に、『M.2 SSD用ヒートシンクカバー SS-M2S-HS02』を付けていきます。
取り付け…と言っても、ただ貼り付けただけですw
ヒートシンクに付いているシリコーンパッドは、ピタッとSSDに吸着してくれるのですが、より確実に固定するために、付属してきた耐熱絶縁テープで固定していきます。
僕はこの様な感じで2箇所固定しました。
こうやってしっかりと固定しておけば、突然SSDからヒートシンクが外れるという事故を防ぐことができるので、やっておいたほうが良いと思います。
最後にマザーボードにSSDをセットし、PCを元通り組み立てていきます。
長尾製作所 M.2 SSD用ヒートシンクカバー SS-M2S-HS02の効果を測定
『 M.2 SSD用ヒートシンクカバー SS-M2S-HS02』を取り付けると、SSDの温度がどのように変化するかを見ていきます。
計測する条件としては下記の通り。
室内温度:25〜26℃
計測ソフト:CrystalDiskInfo 8.2.0
計測方法:CrystalDistMarkを使い、アイドル時と実行時を計測
ヒートシンク取り付け前
アイドル時
「CrystalDistMark」を実行する前ですが、既に「58℃」と表示されています。
バックグラウンドで多少動作させているプロセスはありますが、アイドル時で58℃はかなり高いですね。
CrystalDistMark実行後
「CrystalDistMark」を実行すると、グングン温度が上昇していき、一番のピーク時では「74℃」まで上昇しました。
『Intel SSD 600p 512GB』の仕様を確認すると、動作温度範囲は「0〜70°C」となっており、これを超える温度が出てしまっています。
サーマルスロットリングによる速度低下に加え、SSDの寿命にも悪影響を与えそうで心配になってきます。
ヒートシンク取り付け後
アイドル時
続いてヒートシンクを取り付けた後の様子。
アイドル時で「47℃」と、明らかな温度の低下が確認できます。
CrystalDistMark実行後
CrystalDistMark実行後は、その差がより顕著に表れました。
最大でも「55℃」までしか温度が上昇せず、ヒートシンク取り付け前と比較すると、なんと「19℃」も温度が低下した事になります。
この温度であれば、当然動作温度範囲内に収まっているので、安心して使うことができそう。
またベンチマーク結果を見ても、明らかに取り付け後の方が良い数字が出ています。やはり何も付けていないときにはサーマルスロットリングが働いていたようです。
長尾製作所 M.2 SSD用ヒートシンクカバー SS-M2S-HS02のレビューまとめ
『M.2 SSD用ヒートシンクカバー SS-M2S-HS02』は、発熱が大きいNVMe SSDに最適なヒートシンクカバーです。
実際に取り付けてみた所「アイドル時で−11℃」「ピーク時で−19℃」と驚くほど温度の低下が見られました。
温度の低下に伴い、サーマルスロットリングを回避することができ、データ転送速度も向上と良いことづくめの結果になり満足しています。
SSD用ヒートシンクの中には、もっとサイズが大きく、突起やフィンが沢山付いたより強力な製品もあるので、それらと比較した場合絶対的な性能は劣るかもしれませんが、反面高さが5cmに抑えられており、小型ケースでも干渉しづらいという利点があります。
小さめケースを使っており、SSDの発熱に悩んでいる方は、是非一度試してみてもらいたいなと思いました。
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