以前より、スマートロックとして「セサミ4」を愛用していますが、先日新モデルである『セサミ5 / セサミ5プロ』に加え『セサミタッチ/セサミタッチ Pro』が発売されました。
「セサミ」シリーズはスマートロックの中でも小型で安価なのが特徴で人気がありますが、今まで「パスコード」や「指紋」「ICカード」による解錠が出来ないことが弱点でした。
『セサミタッチ/セサミタッチ Pro』を使うことで、スマホをわざわざ取り出さなくても、指紋やICカードで素早く解錠できるようになり、スマートロックとしての使い勝手が大幅に向上しました。
今回『セサミ5』と『セサミタッチ』を購入したので、玄関ドアへの取り付けから使い方、実際の使用感などを詳しくレビューしていきます。
スマートロックを導入したいと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
タップできる目次
セサミ5 & セサミタッチとは?
”スマートロック”と言えば、現在は様々なメーカーが参入している分野ですが、小型なサイズ感と、安価な価格で人気なのが、CANDY HOUSEから販売されている「SESAME(セサミ)」シリーズ。
そんな同社から2023年に新しく発売されたのが『セサミ5』です。
「5」と名がつく通り、セサミとしては5世代目にあたる製品で、前作の「セサミ4」と比較して耐久性が向上している他、本体サイズも更に薄くなっています。
更に、価格の方も本体価格が3,980円(税込4,378円)に抑えられ、家庭用スマートロックとしては破格と言えるほどの価格を実現しており、本体の完成度も申し分ありません。
『セサミ5』は、スマートロックを導入したい場合、現在最もオススメできる製品の一つです。
セサミタッチとは
今回『セサミ5』と同時に発表されたのが『セサミタッチ / セサミタッチPro』
これはセサミシリーズと連携し、「指紋」「ICカード」「パスコード(Proのみ)」で解錠できるというもの。
スマホを取り出さなくても、サッと鍵を開けられるので非常に使い勝手が良くなります。
こういった指紋で解錠するというものは「SwitchBotロック」など、他社の製品ではありましたが、セサミシリーズでは無かったので、まさに待望の製品と呼べるものです。
スペック
セサミ5 | |
---|---|
オートロック機能 | ◯ |
手ぶら解錠機能 | ◯ |
電池寿命 | 1年以上 |
対応OS | iOS:11.0以降 Android:5.0以降 |
SESAME OS | 3 |
カラー | ブラック/ホワイト/シルバー |
サイズ | 92.7×57.0×41.7/53.7 mm (サムターン含めない高さ/含む高さ) |
重量 | 140g(電池込み) |
価格 | 3,980円(ホワイト・ブラック) 4,980円(シルバー) |
『セサミ5』のスペックは上記の通り。セサミはスマートロックの中でも最小クラスのサイズを実現しており、99%の鍵に対応しています。
『セサミ5』単体でも「オートロック機能」や「手ぶら解錠」なども行えますが、『セサミタッチ』など周辺機器と連携させる事によって、より使い勝手が良くなります。
セサミタッチ | |
---|---|
指紋認証登録可能数 | 100個 |
カード登録可能数 | 100枚 |
電池寿命 | 約365日 |
防水性能 | IP65 |
サイズ | 60.2×37.8×24.0mm |
重量 | 59g(電池込み) |
価格 | 2,980円 |
『セサミタッチ』のスペックは上記の通り。
「指紋」や「ICカード」は、それぞれ100通り登録ができるので、家族全員分登録できるくらいの余裕があります。
サイズもコンパクトな上、IP65の高い防水防塵性能も有しているので、玄関外に取り付けるのに最適です。
パッケージの内容
『セサミ5』『セサミタッチ』を開封して、パッケージ内容や本体外観・サイズ感を見ていきます。
パッケージは、かなりシンプルで簡素なもの。
見ての通り高級感などはありませんが、その分コストを抑えて低価格を実現しているという点は評価できると思います。
パッケージ内容は上記の通りです。
取り付けパーツやドライバーなど設置に関する道具類は付属しているので、自分で別途何かを用意する必要はありません。
付属してくる取扱説明書は、イラスト付きで取り付け方を説明していますが、文章が無く、お世辞にも分かりやすいとは言えません。
本体デザイン
『セサミ5』の本体デザインやサイズ感を見ていきます。
本体外観。
見た目的には今までのセサミシリーズとあまり違いはありませんが、『セサミ5』からはカラーバリエーションが増え『セサミ mini』以来の「ホワイト」「シルバー」が復活しました。
部屋やドアの雰囲気に合わせて色を選べるようになったのはかなり嬉しいですね。
本体横から見た様子。
『セサミ5』は、前モデル『セサミ4』と内部構造が改良されており、サムターン受け部分の薄さがより薄くなりました。
その為、取り付けられる鍵の種類もさらに増えたとの事。
本体内側部分。
電池は予め取り付けられており、絶縁シートを取り除いて使います。
使う電池は一般的なものと異なり、カメラとかに良く使われる「CR123A」というリチウム電池。Amazonなどでも取り扱っており、4本で1,500〜2,000円ほどで購入できます。
『セサミ5』の重量は、電池込みで実測143.1g。軽量かつコンパクトなので、幅広いドアに対応出来ます。
続いて『セサミタッチ』の本体を見ていきます。
中央にある丸い部分に指紋認証センサーが組み込まれており、指紋を登録することで指一本でドアの開閉が可能。
その他、SuicaなどのICカードや、Apple Watchなどのスマートウォッチにも対応。ピッと触れるだけでドアの開閉が出来るようになります。
横から見た様子。
縦横のサイズは小さいのですが、厚みは以外にもあるので、取り付ける際には注意。
また『セサミタッチ』は、屋外で使われる事を想定されているため「IP65」の高い防水防塵性能を有しています。
「IP65」 は強力なジェット噴水流を当てても機器に影響を受けないといったレベルなので、一般的な雨風程度であれば全く問題ありません。
本体裏面。
3Mの両面テープがあり、これで本体を固定します。
『セサミタッチ』の重量は実測で61.4gと、かなり軽量です。
セサミの取り付けと初期設定
『セサミ5』および『セサミタッチ』を玄関のドアに取り付け、設定を行います。
セサミ5の取り付け
ドアのサムターンに合わせて、セサミのツマミの幅や高さを調整します。
僕の場合、初期状態のままでドアにフィットしましたが、高さや幅が合わない場合、付属のドライバーを使ってツマミの位置を調整します。
前述の通り、付属してくる取扱説明書はあまり詳しく書かれていないので、取り付け方が良くわからない場合、セサミが公式で用意している動画か、ブログ記事を見ると良いでしょう。
位置が決まったら、両面テープを剥がしドアにしっかりと固定します。
汚れがあると粘着力が弱くなるので、取り付け前にアルコールティッシュなどで汚れを十分に落としておくことをおすすめ。
セサミタッチの取り付け
続いて『セサミタッチ』の取り付け。まずは本体背面のネジを外し、
絶縁シートを外します。
これで、『セサミ5』同様に両面テープで取り付けます。
セサミタッチの初期不良が判明…
さて『セサミタッチ』を取り付けるか…と準備し、動作確認していた所、とんでもない初期不良に出くわしました。
初期不良の内容としては「セサミタッチがセサミタッチ Proとして誤認識される」というもの。
誤認識されているためか、ファームウェアのアップデートなども出来ず、正常にセットアップが完了しません。
本体を開けてリセットなども試してみましたが、全く直る気配は無く、サポートへ連絡することに。
初期不良の可能性が高いということで、交換品を送ってもらいました。
サポートに連絡してから数日後に送られてきた『セサミタッチ』は、正しく認識しセットアップも無事できました。
初期ロットなので、ある程度不具合は仕方ない点もありますが、検品体制はもう少ししっかりしてもらいたいというのが本音。
指紋だけで素早くドアの解錠が出来るように、玄関ドア横に取り付け。
『セサミタッチ』背面の両面テープを外し、しっかりと壁に固定します。
設置した様子。厚みとしてはインターホンと同じくらいでしょうか。コンパクトなのでどこにでも設置は出来ると思います。
アプリのセットアップ
『セサミ』を使うためには、アプリは必須。アプリは以下よりダウンロードできます。
セサミ、ひらけゴマ !
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アプリを立ち上げた後は、『セサミ5』および『セサミタッチ』をアプリに登録します。
セサミアプリより「新規デバイス追加→セサミタッチ5」を選択。
その後は、施錠時および解錠時の角度を設定します。
これでアプリから鍵の開け締めが出来るようになりました。鍵アイコンをタップすると、指定した角度までツマミが回転し、開閉してくれます。
これだけだとスマホで開け締め出来るようになっただけですが、オートロックを有効にすると、より使い勝手が向上します。
オートロックは「3秒〜1時間」までの中から選択でき、使う場所やシーンに合わせて設定できます。
セサミタッチとセサミ5を連動させる
続いて『セサミタッチ』と『セサミ5』を連動させます。
アプリに『セサミタッチ』を登録し、設定画面から「セサミを追加… > セサミ5」を選択。
これで『セサミタッチ』と『セサミ5』が連動されました。
指紋・ICカードで鍵を開けられるように設定
『セサミタッチ』の目玉機能である、「指紋」や「ICカード」で鍵を開けられる様に設定します。
指紋やICカードを登録。それぞれ100個まで登録できるので、一般的な家庭の場合、まず足りなくなる事は無いと思います。
ICカードは、物理カードだけでなく、iPhoneやAndroidの様なスマホや、Apple Watchなども登録が可能。
特にApple Watchは常に身に付けている上、かざすだけで解錠できるので、Apple Watchを持っている方は登録しておく事をオススメします。
登録した「指紋」や「ICカード」は、アプリ上で管理が出来ます。
自動的に名前が割り当てられる訳ではないので、分かりやすい名前に変更しておくと、後から管理がしやすくなります。
セサミ5 & セサミタッチの使用レビュー
ここからは実際に『セサミ5』『セサミタッチ』を使って感じた使用感やメリット・デメリットを詳しくレビューしていきます。
セサミ5はカラーが増え、ドアの色に合わせやすくなった
以前発売されていた『セサミ mini』では「ホワイト」があったのですが、『セサミ3』以降、色が「ブラック」1色になってしまいました。
今回「シルバー」「ホワイト」が追加された事によって、ドアの色やインテリアに合わせて選べるようになった点は大きなメリットです。
セサミタッチを使うことでスマホが無くても鍵を開けられる
今までの「セサミ」は、スマホからの解錠は出来ていたものの、それ以外の方法で解錠する事に関しては、他社製品と比較して見劣りしていました。
一応「手ぶら解錠」や「NFCタグによる非接触解錠」にも対応していますが、正直あまり使い勝手が良いとは言えず、「指紋」などで解錠できる他社のスマートロックの方が使い勝手が良かったと思います。
今回『セサミタッチ』が登場した事により、「指紋」「ICカード」「パスコード(Proのみ)」で解錠できるようになり、今までの弱点が一気に解消されました。
子供でも指紋を登録すれば鍵を開けられるように
『セサミタッチ』を導入する事によって「指紋」で解錠できるようになるため、子供が居る家庭でオススメです。
我が家には小学1年の息子が居ますが、玄関の鍵を持たせるのは怖いので持たせていません。
その為、学校から帰ってくる時はインターホンを鳴らして僕が鍵を開けていましたが、たまたま僕が買い物で外に出ているタイミングで学校から帰ってきたりすると、家の中に入れないという状況がありました。
『セサミタッチ』を導入してからは、息子が自らドアを開けられるようになったので、家の中に入れないという状況もなくなり、鍵を持たせなくて良いので鍵を無くすリスクもありません。
セサミタッチの反応速度は良好。ICカードの場合より早い
『セサミタッチ』は反応速度も速く、素早く解錠できます。
指紋認証でも十分に速いのですが、特に「ICカード」を使った場合はより速く快適に解錠できます。
特にApple Watchなどのスマートウォッチの場合、常に身に付けており、手元をサッとかざすだけで解錠できるので、使い勝手はかなり良好です。
アプリの完成度は高くない
『セサミ5』は、セサミシリーズとしては第5代目にあたり、新モデルが出るたびに改良が加えられているので、ハードウェア的な完成度は高く成熟していますが、アプリに関しては未だに完成度が高いとは言えません。
特に『セサミ5』発売以降、かなりのハイペースでアプリの更新が行われており、各種不具合が修正されているようです。
不具合修正自体は喜ばしい事ですが、それは発売前に完成度高めておいて欲しかったと思いますし、アップデートによって新たな不具合が発生した事もあったので、まだ安定しているとは言えない状況が続いています。
セサミ5とセサミ5 Proの違い
今まで『セサミ5』をレビューしてきましたが、同時に『セサミ5 Pro』という製品も発売されました。
両者の具体的な違いは以下の通り。
主な違いは、サイズ、重量、耐久性、価格のみで、基本的な機能は変わりません。
『セサミ5』でも十分な耐久性を備えているので、一般家庭であれば『セサミ5』で十分。より人の出入りが多い場所の場合のみ『セサミ5 Pro』を検討すると良いでしょう。
セサミタッチ、セサミタッチ Proの違い
『セサミタッチ』も、同時に『セサミタッチ Pro』が販売されました。
両者の具体的な違いは以下の通り。
セサミタッチ | セサミタッチ Pro | |
---|---|---|
パスワード登録可能数 | − | 100通り |
指紋認証登録可能数 | 100個 | 100個 |
カード登録可能数 | 100枚 | 100枚 |
電池寿命 | 約365日 | 約550日 約1100日 |
防水性能 | IP65 | IP65 |
サイズ | 60.2×37.8×24.0mm | 90×47.6×25.1mm |
重量 | 59g(電池込み) | 101g(電池2個) |
価格 | 2,980円 | 3,980円 |
一番の大きな違いは、暗証番号用のキーパッドがあるかないかです。
両者共に「指紋」および「ICカード」での解錠に対応している事から、暗証番号で解錠したい場合『セサミタッチ Pro』を選ぶ事になりますが、暗証番号を必要としない場合『セサミタッチ』で十分という事になります。
個人的には、一般家庭のドアに設置する分には、暗証番号が無くても「指紋」と「ICカード」で十分だと思っており、キーパッドが無い分コンパクトなサイズを実現している『セサミタッチ』の方がオススメです。
Wi-Fiモジュールは必要か?
セサミシリーズの中にはWi-Fiに繋げる事で、遠く離れた場所からリモートで解錠できるようにする『Wi-Fiモジュール』という製品があります。
『Wi-Fiモジュール』を併用することで、離れた場所から解錠できるようになるので、より使い勝手が良くなります。
ただ、今回『セサミタッチ / セサミタッチ Pro』が登場した事により、『Wi-Fiモジュール』の必要性は少し薄れたかなという印象。
例えば『セサミタッチ Pro』を使えば、パスコードを教えれば解錠できるようになるため、わざわざ遠くから解錠操作をする必要がなくなります。
また、現在この『Wi-Fiモジュール』はずっと品切れが続いている状態で、入手する事自体が難しくなっています。公式サイトでは『Wi-Fiモジュール』に関する新しい発表があると予告されており、新型が発売されるかもしれません。
その為、しばらく公式サイトの動向をチェックしておくと良いでしょう。
セサミ5 & セサミタッチのレビューまとめ
『セサミ5』は、スマートロックとして繰り返し改良されてきただけあって、完成度が高く使いやすい製品です。価格も驚くほど安価で、スマートロックを導入したい場合、真っ先に候補にあがると思います。
今までは「指紋」や「ICカード」など、スマホ以外での解錠が出来ない事が弱点でしたが、『セサミタッチ / セサミタッチ Pro』が登場した事により、その弱点が解消されました。
ハードウェアの完成度に比べ、アプリの完成度がやや低く、まだ安定しない状況ではありますが、それでも価格も含めた総合的な評価は高く、スマートロックを導入したい場合、現状『セサミ5』および『セサミタッチ / セサミタッチ Pro』の組み合わせが最もオススメと言えます。
今後、スマートホームの共通規格である「Matter(マター)」にも対応予定で、更に他の機器と連携して様々な可能性が広がる事も考えられます。
まだスマートロックを導入していない方は、ぜひ『セサミ5』『セサミタッチ』をチェックしてみてください。生活が一変すること間違いなしです。
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