電子書籍を読む時、どんな端末を使ってますでしょうか?iPhoneなどスマホで読む方、iPadやFireHDなどのタブレットで読む方、Kindleなどの電子書籍リーダーで読む方、様々だと思います。
僕個人としては、読みやすさは別として”好き”なのは電子書籍リーダー。今まで随分昔に購入した『Kindle Paperwhite(第7世代)』を使っていましたが、今回カラー電子書籍リーダー『BOOX GO Color 7』を購入しました。

本製品は7インチというミニタブレットの様なサイズ感ながら、カラー電子ペーパーを採用した電子書籍リーダー。
実際に使ってみて感じた使用感やメリット・デメリットなどを詳しく紹介していきます。カラー電子書籍リーダーが気になっている方は、ぜひ最後までご覧ください。
タップできる目次
BOOX Go Color 7とは?
数多くの電子書籍リーダーを開発している「BOOX」から2024年7月に販売された、7インチのカラー電子ペーパーディスプレイを搭載したタブレット端末が『BOOX Go Color 7』。
電子書籍リーダーとして主流な7インチサイズでカラーを実現したという本製品のスペックと主な特徴を見ていきましょう。
スペックと主な特徴
BOOX Go Color 7 | |
---|---|
液晶サイズ | 7インチ(Kaleido 3 / 4096 colors) |
液晶パネル | 静電容量方式タッチ |
画面解像度 | 白黒:1,680×1264(300PPI) カラー:840×632(150PPI) |
フロントライト | CTMフロントライト(暖色と寒色) |
CPU | Qualcomm 2.4Ghz 8コア |
RAM | 4GB LPDDR4X |
ストレージ | 64GB UGF2.2 |
Bluetooth | 5.0 |
物理ボタン | 音量(ページ)ボタンあり |
外部ポート・スロット | USB-C(OTG対応) microSDカードスロット |
OS | Android 12 |
GooglePlay対応 | ◯ |
各種電子書籍フォーマット対応 | ◯ |
バッテリー容量 | 2,300mAh |
カラー | ブラック/ホワイト |
サイズ | 156×137×6.4mm |
重量 | 本体:約195g ケース:約115g |
価格 | 52,800円(税込) |
- 最新のカラー電子ペーパー「Kaleido 3」を搭載
- Google Play対応なので、アプリを自由に入れられる
- 物理ボタンが付いており、ワンタッチでページ送り/戻しができる
- 電子ペーパーならではの視認性の良さと目への負担の少なさ
- 軽量で持ち運びやすい
- 消費電力が低く、電池持ちが非常に良い
『BOOX Go Color 7』は、E Inkの最新カラー電子ペーパー「Kaleido 3」を搭載した電子書籍リーダー。「電子ペーパー」と言えば、基本モノクロですが、ようやくそんな電子ペーパーにもカラーの波が来ています。
色は4,096色、解像度はモノクロよりも低いと制限はあるのですが、電子ペーパーならではの視認性の良さや消費電力の低さといった特性は保たれ、カラー化したことによる表現の幅が大きく向上しているのが特徴。
また、OSはAndroidがベースとなっており、Google Playにも対応しているため、数多くのアプリをインストールできるのも大きな魅力です。
パッケージと付属品

届いた製品パッケージと専用カバー。
『BOOX Go Color 7』は、日本正規代理店である「SKTNETSHOP」で購入すると、専用ケースがセットで付属してきます(今後、ケースはポイントに移行予定との事)


『BOOX Go Color 7』本体のパッケージデザイン。見づらくて申し訳ないのですが、真っ白なパッケージ表面に「GO SERIES」という光沢型押し処理がされており、かなりオシャレ。
パッケージ裏面も最低限の仕様のみが書かれたミニマルデザインとなっており、パッケージからして高級感が感じられる仕上がりです。

- BOOX Go Color 7 本体×1
- USBケーブル ×1
- SIMピン ×1
- 取扱説明書
付属品は上記の通り。

国内正規代理店「SKT」から購入している場合、本体の説明書とは別に日本語の取扱説明書が付属してきます。
文字が中心の簡易的なものではありますが、おすすめ設定なんかも書かれているので一読の価値はあります。
本体デザイン

本体のデザインを見ていきます。
本体右側のベゼルが広くなっており、物理ボタンが付いています。これにより片手で持った時もディスプレイを隠さず、ページめくりが出来るようになっています。

カラー電子ペーパーなので、色が付いています。
液晶だったら当たり前なんですが、電子ペーパーは長い間モノクロだったので、色が付いているだけでちょっと感動的。

物理ボタンは上下に2個あります。
基本音量調節ボタンですが、アプリによっては「ページ送り/ページ戻し」に割り当てる事が出来ます。

本体背面。装飾がほぼ無いミニマルなデザイン。
スッキリしてて非常に好みです。

裏側は紙のような質感でザラッとしています。
これにより持った時に滑りにくいだけじゃなく、デザイン的にも良いアクセントになっており、高級感も感じられる加工になっています。

BOOXのロゴが刻印されていますが、本当に控えめでほとんど目立ちません。

本体底面には電源ボタン。
本体自体の薄さは6.4mmと非常に薄いのが特徴的。

本体側面にはスピーカー穴やmicroSDカードスロット、充電や通信時にも使用するUSB-Cポートがあります。

続いて専用のカバーも見ていきます。

ホワイトモデルに付属してくるカバーはアイボリーの落ち着いた色合い。

開くとこの様な感じ。

カバー自体は非常に薄いです。

カバーはマグネットになっており、『BOOX Go Color 7』本体とピタッとくっつきます。

この様にカバーを持っても本体は落ちませんが、マグネットの力はそれほど強くなく、少し強くカバーを動かすと本体がズレ落ちるので注意が必要。

カバーを閉じるとこんな感じ。
カバー自体は薄いので、『BOOX Go Color 7』に装着しても、そこまで分厚くなった感覚はありません。

ただこのカバー、あくまでも表面と背面を覆うだけなので、側面は丸出し状態です。
落としたりするとカバーに覆われていない部分は傷が付きそう。持ち運ぶ頻度が高い方なんかは別途端末全てを保護するケースなどを用意すると良いかもしれません。
Amazonなどではいくつか360°保護してくれるケースも売っています。

なお、この純正カバー、スタンド付きでは無いのですが一応自立させる事は可能です。ただそこまで安定性は高くないので、スタンドが欲しい方も別途スタンド機能が付いたケースを用意したほうが良さそう。

機能としてはそこまで多機能ではない純正のカバーですが、質感は良いです。PU(ポリウレタン)素材の合皮が使われており、安っぽさが無く洗練されています。
なお、ケース単体の重量は約115g。本体が約195gという事で、合わせると約310gになります。現行『iPad mini』が295gなので、それとほぼ同じ重量といった所。
BOOX Go Color 7の使用レビュー
『BOOX Go Color 7』を実際に使い、使用感などを詳しく見ていきます。
カラー表示品質
まず、本製品の最も気になるポイントである「カラー表示品質」について。
大前提として本製品は電子ペーパーであるため、色味の表現具合に関しては液晶ディスプレイには全く及びません。性質が全く異なりますからね。

『BOOX Go Color 7』と『iPhone 15 Pro』で同じページを表示した様子。明らかにiPhoneの方が発色が良いのが分かります(iPhone 15 ProはOLEDなので、特に発色が良いというのは注意する必要がありますが…)

また、『BOOX Go Color 7』の色は、彩度が低く色もかなり淡く感じます。
と、微妙そうに感じるかもしれませんが、今までモノクロの電子書籍リーダーを使ってきた者からすると、カラー化した事でかなり表現の幅は広がったと感じています。

『BOOX Go Color 7』と『Kindle Paperwhite』で写真が大きく表示されるページを見た時の様子。
解像度で言えばモノクロで表示する『Kindle Paperwhite』の方が勝りますが、『BOOX Go Color 7』は色が付いたことで、よりどんな雰囲気なのかが分かるようになります。
雑誌の様な書籍だけでなく、カラー化が”効いてくる”のが、技術書などを始めとした参考書。
僕は仕事柄、たまに技術書などを買うことがあるのですが、技術書ってページ数も多くできれば電子書籍にしたいとずっと考えていました。ただ、Kindleなどで技術書読もうとすると色分けされている箇所が分かりづらいのが欠点だと思っています。

実際、『BOOX Go Color 7』で技術書を見てみると、淡いながらも色が付いている事によって格段に分かりやすくなります。
欲を言えばもっとハッキリと色が見えるようになればいいのですが、現状でも内容の理解はできるので、今後は技術書も電子書籍で買っても良いかなと思うようにはなりました。
アプリによってはページめくり速度が遅い
『BOOX Go Color 7』は、Kindleアプリなどで読書をする場合、ページめくり速度がワンテンポ遅いです。
『BOOX Go Color 7』と『Kindle Peparwhite』のページめくり速度を比較した動画がこちら。
明らかに『BOOX Go Color 7』の方が遅いですね。
ただ、どうもこれは「Kindleアプリ」を使っているから。という気がします。『BOOX Go Color 7』に予め搭載されている、「BOOX Neo Reader」の場合、端末に最適化されているのか、同じ本を読んでいても明らかにレスポンス速いです。
「BOOX Neo Reader」はPDFなどの閲覧に対応しているので、PDFの書籍に関してはこちらで読むほうが良さそうです。
物理ボタンが付いており操作性が良い
『BOOX Go Color 7』は「物理ボタン」が付いています。物理ボタンはタッチ操作などと比較し、押し込んだ感触があり、確実にページめくりの操作が行えるので、快適な読書には必須だと思います。
『BOOX Go Color 7』の場合、使うアプリによって物理ボタンが使えるかは異なっており、公式サイトによると以下の様になっています。
物理ボタン対応アプリ | 物理ボタン非対応アプリ |
---|---|
Kindle honto ebookjapan Sony Reader BOOKWALKER booklive DMMブックス Kinoppy doly(初期設定に工夫が必要) | dブック line漫画 ピッコマ コミックシーモア 少年ジャンプ+ |
一般的な書籍向けのアプリは概ね対応している様子。「少年ジャンプ+」など漫画アプリ系が対応していないのはちょっと残念ですが、物理ボタンに非対応の場合も、タッチやスワイプによるページ送りには対応しているので、読書自体は問題なく出来ます。
Google Playに対応しているので、様々なアプリがインストール可能
こちらは「Kindle」や「Kobo」のようなサービスの専用電子書籍リーダーよりも『BOOX Go Color 7』が明確にアドバンテージがある点です。
Chromeなどブラウザもインストール出来るので、普通のタブレットの様にweb検索なども可能。ちょっとしたサブディスプレイとしても活躍します。
ちなみに、Youtubeで動画をみることも可能。もちろん普通の液晶ディスプレイの様に鮮やかで滑らかな映像が楽しめる訳ではないので、動きがあまり無いような動画であれば内容自体は確認できると思います。
BOOX Go Color 7のレビューまとめ
『BOOX Go Color 7』は、カラー電子ペーパーを採用した7インチのタブレット電子書籍リーダー。
カラー化した事によって、今までのモノクロ電子書籍リーダーでは判別しにくかった箇所が分かるようになり、大幅に表現力が高まりました。
写真が主体の雑誌や、技術書などカラー化が効いてくる本ではよりその恩恵が得られるので、今まで電子書籍はちょっと…と思っていた方も、「電子書籍の方を買う」という選択肢がより現実的になってきたと思います。
ただ、やはりカラー化したとは言え、色が薄いなどまだまだ課題が多いのも事実。Kindleアプリを使った場合、ページめくりが遅いのも気になる点です。
と、万能な製品では無いものの、電子ペーパーならではの「目の疲れにくさ」や「電池持ちの良さ」などメリットも多く、読書を良くする方にとって、総合的に「現状最も現実的に使えるカラー電子書籍リーダー」だと言えます。
海外では「Kindle Colorsoft」というKindleのカラー電子書籍リーダーが販売されており、これが日本に来たらどうなるか分かりませんが、今カラー電子書籍リーダー買うなら『BOOX Go Color 7』が一番良い選択肢かなと思います。気になった方はぜひチェックしてみてください。
COMMENT