完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際に、欲しい機能の一つがノイズキャンセリング。
特にデジタル処理によって外部の音を打ち消してくれるANC(アクティブノイズキャンセリング)が付いていると、周囲の雑音を軽減してくれるので「音量を上げなくても音が聞こえる」「音楽に集中できる」とメリットが大きいのが特徴。
ただ、ANC搭載のイヤホンとなると、価格が高くなってしまうのが悩みどころ……。
そこで今回紹介するのが、ANC搭載しながらもお手軽な価格を実現した『SOUNDPEATS Mini Pro』です。
SOUNDPEATSは、価格の割に高性能な製品を販売している事で有名なメーカー。今回同社から販売された最新の完全ワイヤレスイヤホン『SOUNDPEATS Mini Pro』を実際に使い、その使い勝手や音質、ノイズキャンセリング性能などをレビューしていきます。
SOUNDPEATSの新型イヤホンもレビューしています!
SOUNDPEATS Mini Pro HS
SOUNDPEATS Capsule3 Pro
SOUNDPEATS Opera05
本記事はメーカー様より製品をご提供頂き、作成しております。
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SOUNDPEATS Mini Proとは?
6,000円台という価格ながら、ANC(アクティブノイズキャンセリング)を搭載している、完全ワイヤレスイヤホンです。
完全ワイヤレスイヤホン自体は、安いものだと1〜2,000円台から購入することも出来ますが、ノイズキャンセリングを搭載したものとなると、1万円近くはするもの。
そんな中『SOUNDPEATS Mini Pro』は、最大35dBのノイズ低減性能を持つノイズキャンセリング、クアルコムの高性能チップセット「QCC3040」採用による、aptX Adaptive対応、10mmの大型ドライバー搭載、低遅延ゲームモード搭載など、低価格帯とは思えないスペックを有したイヤホンです。
スペック
SOUNDPEATS Mini Pro | |
---|---|
チップセット | Qualcomm 3040 |
Bluetooth | 5.2 |
対応コーデック | SBC/AAC/aptX/aptX Adaptive |
ドライバーサイズ | 10mm |
連続再生時間 | ANC OFF:約7時間 ANC ON:約5時間 (ケース充電込)ANC OFF:約25時間 (ケース充電込)ANC ON:約21時間 |
充電時間 | 約2時間 |
充電ポート | USB-C |
内蔵バッテリー | イヤホン:45mAh 充電ケース:300mAh |
サイズ | 充電ケース:約60×24×45mm |
カラー | ブラック/ホワイト |
重量 | イヤホン:約4.97g(片側) 充電ケース:約37.5g(ケース+イヤホン両側) |
防水性能 | IPX5 |
ノイズキャンセリング | ANCノイズキャンセリング cVcノイズキャンセリング |
価格 | 6,680円(税込) |
『SOUNDPEATS Mini Pro』のスペックは上記の通り。
前述の通り、ANC搭載、aptX Adaptive対応、10mmドライバー搭載など、とても6,000円台で販売されているイヤホンとは思えないくらい、機能がモリモリです。
防水もIPX5相当で、多少水に濡れたくらいでは問題ないくらいの性能があります。
パッケージの内容
『SOUNDPEATS Mini Pro』を開封して、パッケージ内容や本体外観を見ていきます。
パッケージは近未来感があるデザイン。
一見するとワイヤレスイヤホンとは思えないくらい洗練されたパッケージデザインですね。
パッケージ側面には、製品の仕様などが書かれています。
開封すると、イヤホン本体、付属品、マニュアル類が見えてきます。
パッケージ内容は上記の通りです。
充電用USB-A to Cケーブル。長さが30cmほどしかなく、充電用以外にはあまり使え無さそうな印象。
交換用イヤーピース。イヤホン本体には予めMサイズが装着されていますので、S/M/Lの3種類から耳にあったものを選ぶことが出来ます。
取扱説明書は多言語対応されており、日本語での表記もあります。
『SOUNDPEATS Mini Pro』は、イヤホン本体だけで出来る操作が結構多く、さらに複雑なので、意外とこのマニュアルを見る機会はありそうです。
本体外観・サイズ感
『SOUNDPEATS Mini Pro』本体の外観やサイズ感を見ていきます。
充電ケースの外観です。
『AirPods Pro』に似た、角が丸いフォルムが特徴的。中央にあるLEDランプもよく似ていますね。
ただ、質感は『AirPods Pro』とは異なり、光沢がないマットな仕上げとなっています。
また、写真だと見えづらいですが、ケース中央にはロゴが刻印されています。個人的にロゴは目立たないほうが良いと思っているので、好印象です。
充電ケースは、かなりコンパクト。
サイズが小さい事に加え、かなり軽いので持ち運びはしやすいと思います。
実際に重さを測ってみると、イヤホン本体と充電ケース合わせて実測で38.3gでした。
参考までに『AirPods Pro』が、実測で56.6gだったので、比較すると20g近く軽いというのが分かります。
ケース背面には、充電用のUSB-Cポートがあります。
なお、本製品はワイヤレス充電には対応していません。
充電ケースを開けた様子。
イヤホン本体のデザイン。
表面にはSOUNDPEATSのロゴマークが見えます。デザインは好みによるところが大きいのですが、個人的にはロゴマークのシルバーが目立ちすぎている様に感じました。
もうちょっと薄いグレーにする、細かいワンポイントにする、といった様にロゴマークが控えめであればもっと僕好みですね。
なお、表面はタッチセンサーとなっているので、タップすることによって各種操作が可能です。
イヤホンの形状。一般的なカナル型のイヤホンより独特な形をしています。
写真だと見づらくて申し訳ないのですが、実は充電端子の中央部分に、「L」や「R」と書かれています。
パッと見た感じ少し分かりづらい印象を受けました。
形状は独特ですが、イヤホン自体はコンパクトです。
イヤホン本体の重量は、両方合わせて実測で9.9g。
ケースも含めた総重量はかなり軽量でしたが、イヤホン本体自体は一般的な重量です。
SOUNDPEATS Mini Proの使い方と使用レビュー
実際に『SOUNDPEATS Mini Pro』を使い、使用感などをレビューしていきます。
装着感
形状が複雑なだけあって、最初どう付けていいのか良く分かりませんでした。
取扱説明書にも装着の仕方が書いてありますが、間違った方向で装着すると、音がスカスカになり明らかに音質が悪くなります。もし何か変だな…と感じたら、イヤホンを少し回して、耳に少し押し込むような感じにすると良いでしょう。
多分、正しい装着をした様子。
イヤホン自体はコンパクトで、ちゃんと付ければ安定してズレることはありません。
なお『SOUNDPEATS Mini Pro』には、自動耳検出機能が無いので、耳からイヤホンを外しても自動的に音楽が止まらないという点は注意が必要です。
操作方法
イヤホン本体はタッチセンサーになっており、本体だけで各種操作が可能です。
動作・状態 | L側(左) | R側(右) |
---|---|---|
電源オン | 自動操作:イヤホンを充電ケースから取り出す 手動操作:イヤホンのタッチボタンを1.5秒長押し | |
電源オフ | 自動操作:イヤホンを充電ケースに戻す 手動操作:イヤホンのタッチボタンを10秒長押し | |
再生/停止 | 2回タップ | |
音量を上げる | ― | 1回タップ |
音量を下げる | 1回タップ | ― |
曲送り | ― | 1.5秒長押し |
通話応答/終了 | 2回タップ | |
着信拒否 | 着信中、1.5秒長押し | |
通話切り替え | 通話中、2秒長押し | |
ペアリングモードへ変更 | 6秒長押し | |
音声認識アシスタント (Siri/Google)を起動 | ― | 3回タップ |
ゲームモード有効/停止 | 3回タップ | ― |
ノーマル、ANC、外音取り込み切り替え | 1.5秒長押し | ― |
操作方法は上記の通り。
機能が豊富な分、操作は複雑ですね…。
特に左側操作に多くの機能が割り当てられており、タップ回数によって動作が変わるので、慣れるまでは誤作動させてしまいそう。
また「曲送り」はあるのに「曲戻し」が無いなど、全体的にどこかクセがある操作方法だなという印象です。
音質
音質面は、まず前述の通りちゃんと耳にフィットしている事が重要。最初ちょっと間違って付けてたせいで、音質良くないなぁと勘違いしてしまいましたw
しっかり付けた上で聴き直すと、意外に良い音質。
低音域から高音域までバランスよく鳴っており、聴きやすい印象。中〜高音域はこもっている感じが無く、クリアに聴こえ、低音域もしっかりと響いてくれています。
ただ、あえていうと音の厚みや臨場感の様なものは、高価格帯の製品と比較すると今一歩及ばないかなと思いますが、6,000円台という価格を考えると、価格以上の満足感が得られる音質かなと思いました。
また、aptX Adaptiveに対応しているので、対応する端末を持っている場合、より高音質で楽しめます。
ノイズキャンセリング性能
低価格帯のイヤホンでノイズキャンセリングが付いている事自体が珍しいのですが、『SOUNDPEATS Mini Pro』のノイズキャンセリングは、意外にも結構効きます。
正直、使う前までは安いから大したこと無いんだろうなと思ってましたが、実際にANCをONにしてみると、車の走行音や、ファンが回る時の「ゴー」といった音は、かなり軽減されます。
予想以上の性能だったので、結構驚きました。
とは言え、流石に『AirPods Pro』ほどノイキャン性能は強くなく、人の話し声に関しては少し効きが弱いかなと感じる場面もあるので、得意・不得意があるようです。
また、少しホワイトノイズが乗りますね。
とは言え、価格が6,000円台ですからね…。この価格でこれだけ高いノイキャン性能があるのは素直に凄いと思いました。
外音取り込み
『SOUNDPEATS Mini Pro』は、外音取り込み(パススルー)もあります。
性能としては、かなり優秀。結構自然な感じで周囲の音が聞こえます。
若干、自分自身の声が機械っぽい音になる気がしますが、1万円台のワイヤレスイヤホンと比較しても遜色ないか、それ以上のレベルだと感じました。
ゲームモード
低遅延が特徴の「ゲームモード」も搭載しています。
幾つかゲームをプレイしてみましたが、元々そこまで遅延は酷くない方だと思いますが、ゲームモードを有効にすると、確かに遅延が少なくなった様な感覚がありました。
ゲームによっても遅延の気になり具合は変わってきますが、確かに効果はあるようです。
また、ゲームモードとANCは両方同時に使用可能です。
接続安定性
『SOUNDPEATS Mini Pro』で音楽を聴きながら、人通りの多い駅前を歩いてみましたが、接続が切れる事はありませんでした。
僕はiPhoneを使っているので、コーデックはAACで接続しているはずですが、『SOUNDPEATS Mini Pro』は「aptX Adaptive」に対応しているので、対応端末を持っている人は、より安定した接続が期待出来そうです。
専用アプリもあるが・・・
SOUNDPEATSには、専用アプリもあり『SOUNDPEATS Mini Pro』も対応していますが、現状iOSでは使えないようです。
SOUNDPEATS
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一応入れてみましたが、最初に会員登録が必要なのはちょっと面倒だなと感じる点です。
会員登録を済ませ、アプリを使ってみようと思いましたが、iPhoneと『SOUNDPEATS Mini Pro』をペアリングしている状態でも、イヤホンが検出できませんでした。
言語の切り替えには対応しており、日本語にはできますが、フォントはいわゆる”中華フォント”ですね。
また、再度ペアリングしてみようと試みましたが、iOSではまだファームウェアのアップデートに対応していないので使えないとの事。
結局アプリを使うことは諦めました……。
Androidだとファームウェアのアップデートを始め、イコライザ設定なんかも出来るみたいなので、早くiOSの方も対応してほしいですね。
SOUNDPEATS Mini Proのレビューまとめ
『SOUNDPEATS Mini Pro』は、6,000円台という価格ながら、クリアで十分に聴ける音質と、強力なノイズキャンセリング機能、aptX Adaptiveを始めとした豊富なコーデックに対応、低遅延ゲームモード対応と、機能をふんだんに盛り込んだワイヤレスイヤホンです。
イヤホン本体が独特な形状をしているので、正しい装着の仕方に少し迷う点や、本体のタッチ操作が複雑な点、ワイヤレス充電に非対応、自動耳装着検出機能が無いという、デメリットもありますが、その部分を割り切ればこれほどコスパの良いワイヤレスイヤホンは無いんじゃないかと思うほどの完成度です。
価格は抑えたいけど、機能が豊富なものが良いという方、ノイズキャンセリング性能が高いイヤホンを探しているという方に、まず試してみて欲しいイヤホンです。
米クアルコムが開発したBluetooth用コーデック。電波の状態によって伝送ビットレートを自動的に変化させることで、高音質かつ安定した接続を可能としているのが特徴です。