2021年に『M1 MacBook Air』を購入して1年以上使っていますが、様々な作業において処理がサクサクで大きな不満も無く快適に使えています。
「MacBook Air」は2024年に最新チップ「M3」を搭載したモデルが販売されるなど、ラインアップが充実。
そこで悩ましいのが「どのMacBook Airを選べば良いのか?」「そもそもMacBook Airで何が出来るのか?」という点。上位モデルとして「MacBook Pro」もあるため、どれを選ぶのが良いのか難しくなっています。
まず、結論から言うと『MacBook Air』では以下の事が快適に行なえます。
本記事ではより具体的に「MacBook Airで何ができる?」という点について解説していきます。
Macが欲しいけど、どこまで使えるのだろう…と思っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
タップできる目次
MacBook Airで何ができる?
『MacBook Air』は、MacBookシリーズの中では”エントリーモデル”に位置づけられ、2024年7月現在、一番安いモデルは「13インチ M2 MacBook(CPU/GPU:8コア、メモリ:8GB、SSD:256GB)」で、価格は税込133,800円となっています。
一般的にエントリーモデルといえば、性能不足であまり使えないという印象がありますが、MacBook Airの場合、Appleが独自に開発した高性能チップ「M2/M3」を搭載しているため、思ったより多くの作業を快適にこなすことができます。
具体的にMacBook Airで出来ることとしては以下のものがあります。
オフィス作業からクリエイティブな作業まで一通り快適に行えるのですが、それぞれどのくらい快適に行えるのかを具体的に見ていきます。
iPhone / iPadとの連携
同じApple製品ということでiPhoneやiPadとの連携や親和性は非常に高いです。
iPhoneで撮った写真や動画を、簡単にワイヤレスでMacに転送できる「AirDrop」や、Macでコピーしたテキストや写真などをiPhoneにペーストできる「ユニバーサルクリップボード」など、今までケーブルで繋いで必死に転送していたデータがサッと送れるようになります。
これはなかなかWindows機では味わえない、Macならではの使い勝手の良さといえます。
Webページを見る(ウェブブラウジング)
パソコン作業の中でも、最も多い作業の一つがWebページを見ることだと思います。
素早いブラウジングは、作業効率・仕事効率に直結すると思いますが、性能が低いパソコンでブラウザを使うと動作が重くなりがちです。
特にGoogle Chromeなどで多くのタブを開いた場合、メモリを大量に消費するせいかブラウザは元よりパソコン自体の動作がも重くなる事がありますが、『MacBook Air』の場合は、そもそも基本性能が高いのに加え、MacOS自体がメモリの扱い方が上手なので、多少タブを開いたくらいでは重くなりにくいという特徴があります。
ブログ投稿やSNSでの発信
ブログ投稿やSNSでの発信にも『MacBook Air』は活躍します。
ブログは基本的にブラウザから文章を書いて投稿すると思いますが、前述の通りブラウジング性能が高いので、サクサクと文章の入力が可能。
文章を書く際には調べ物をすることも多くありますが、ブラウザで多数のタブを開いても快適に動作します。
また、ブログ記事やSNSで発信する際に、写真の加工も必要になってくると思いますが、MacOS標準で搭載されている「写真」アプリだけでも必要十分な機能が揃っているために、買った直後からすぐにブログやSNSを始めることができます。
WordやExcelなどのオフィス作業
WordやExcelなどのオフィス作業も問題なくこなせます。
Office系のソフトは何となくWindowsの方が良いのではないかという印象もありますが、「Microsoft 365(旧Office 365)」は、Macにも対応しておりWindows版と変わらない見た目で作業が可能です。
実際に僕の場合、買い切り型の「Office Home & Business 2021」を使って、WordやExcelをMacで使っています。外部の方とWordやExcelのファイルのやり取りもしていますが、特に表示がおかしかったり、文字化けが発生するといった事は無く、普通に仕事が出来ています。
WordやExcelなどのソフトはちゃんとApple独自の「M2/M3」チップに正式対応しているので、動作も機敏でWindowsマシンと同等以上にサクサクと作業ができます。
オンライン会議
コロナ禍において一気に加速したなと思うのが、オンライン会議。
ZoomやMicrosoft Teamsなどを使い、遠隔地から会議に参加することが一般化しました。
また、ビジネスの現場だけではなく、セミナーだったりオンライン診療だったりと様々な分野でオンライン化が進み、対面しなくても物事が進むようになってきましたね。
『MacBook Air』の場合、本体にカメラやマイク、スピーカーが内蔵されているので、他に何も買わなくても本体だけで会議に参加することが出来ます。
写真編集
趣味として綺麗な写真を撮る事の他にも、子供の成長記録やブログ・SNSの投稿用としても写真撮影や編集をする機会って増えています。
『MacBook Air』の場合、MacOSに予め入っている「写真」アプリでも、明度や彩度といった基本的な調整から、ホワイトバランス調整、トーンカーブによる調整まで、かなり細かく編集する事が出来ます。
もちろん、プロの方が使うようなAdobe「Photoshop」や「Lightroom」、またMac用の写真編集ソフトで人気の「Affinity Photo」なども「M2/M3」チップに正式対応しており、Windows機と同等以上に軽快に動作してくれます。
動画編集
PC作業の中でも最も重い処理の一つが「動画編集」ですが、Macには「Premire Pro」や「Final Cut Pro」「DaVinci Resolve」といったプロも使用する高性能な動画編集ソフトが揃っており、どれも「M2/M3」に正式対応しているために、意外なほど軽快に動作します。
一昔前までは、動画編集といえば高性能なデスクトップマシンが必要でしたが、『MacBook Air』でもかなり実用的に使えます。
フルHD画質くらいであれば全くストレス無く編集が可能。
4K解像度以上の素材を扱うことも出来ますが、流石にそこまで重い素材を使うと少し力不足を感じる場面もありますので、重い動画を編集する予定があるのであれば、購入時にメモリを多く積むか、『MacBook Pro』などの上位モデルを検討すると良いでしょう。
音楽制作(DTM)
僕自身は音楽制作はしないのであまり詳しくは無いのですが、色んな方のブログなどを見ていると『MacBook Air』で十分に動作するらしいです。
「M1」チップ搭載MacBookが出た当初はDAWやプラグインなど対応していないものも多かったですが、現在は有名どころであれば、「M2/M3」に正式対応しており、今までよりも高いパフォーマンスでソフトが動くとの事。
3DCG制作
以前と比べると3DCG制作の敷居がグッと低くなりました。
特に無料で使える3DCG作成ソフト「Blender(ブレンダー)」の広まりによって、誰でも3DCGに気軽に挑戦できるようになり、Youtubeにも解説動画が沢山アップされています。
一般的に3DCG制作はパワフルなマシンが必要ですが、Blenderは、『M2/M3』チップに最適化されていることもあり、『MacBook Air』でも意外なほどにサクサク動きます。
なお、3DCG制作はメモリを多く使うので、3DCG制作をやってみたいという場合、予めメモリ量を増やしておいたほうがより快適に使うことができるでしょう。
プログラミング
『MacBook Air』はプログラミング用途としても十分に活用できます。「M1」チップが出た当初はDockerが動かないなど問題があったようですが、現在は検索すればネット上にノウハウも豊富に出てくるので問題は無いと思います。
あくまで個人的な経験上ですが、僕が今まで出会ったエンジニアの人や開発会社ってMac使っている人ばかりでした。
そのため、これからプログラマーを目指す人はMacの操作性なんかに慣れておくと、いずれ会社に入った時にすんなりと周囲と合わせて仕事が出来るのでは無いかな…なんて思います。
なお、以下の記事では趣味でプログラミングを始めて稼げるようになった体験談を掲載しているので、興味ある方はご覧ください。
プログラミングを趣味から初めて、副業で稼げるようになる方法|DAINOTE
MacBook Airのデメリットやできない事
今まで見てきた通り、一通りの事は『MacBook Air』でも卒なくこなしてくれるのですが、欠点が無いわけではありません。
ここからは『MacBook Air』のデメリットやできない事を紹介していきます。
USB-Cが2ポートしかない
『MacBook Air』には外部拡張用のポートとして、USB-Cが2ポートしかありません。
特に『M1 MacBook Air』の場合、充電用としてもUSB-Cを1ポート使うので、実質1ポートしか自由に使えるUSBポートが無いという大きな欠点があります。
幸い『M2 MacBook Air』以降のモデルからは、USBとは別に充電専用のMagSafe端子が追加されたので、自由にUSB-Cを2ポート使えるようになりましたが、HDMIポートなんかも無いので、外部ディスプレイや外部のプロジェクターなんかに出力する際には「USBハブ」を別途用意する必要があります。
「USBハブ」は様々なものがありますが、どれもそんなには安くはありません。また、ハブを持ち運ばなければいけない…などの手間も考えるとポートの少なさはデメリットですね。
SDカードスロットが無い
こちらも拡張性の低さに起因する問題。
ミラーレス一眼など、ちょっと良いカメラで写真を撮るという方も多いと思いますが、写真の保存メディアとして幅広く使われている「SDカード」の差し込み口が『MacBook Air』にはありません。
カメラの中にはUSB-Cケーブルを繋いで直接データを取り込めるものもありますが、全てがそうではないので、SDカードを使いたい場合「USBハブ」を用意する必要があります。
ゲームはほぼ出来ない(*追記あり)
これはMacBookというよりも「MacOS」ならではの宿命…といった所なのですが、そもそもMacOSに対応したゲームは非常に少ないのが現状です。
『MacBook Air』自体は、それなりのグラフィック性能を持っていますが、ゲーム用というよりは、写真編集や動画編集にその能力が使われます。
一応「App Store」ではゲームも売っていますし、Mac版のSteamもありますが、Steam内で販売されているゲームは、ほとんどがWindowsしか対応していないので、PCゲームをやりたいという場合は、素直にWindows搭載のゲーミングマシンを買ったほうが良いです。
*追記
Macはゲームに向いていないというのが一般的な常識でしたが、今後それが変わるかもしれません。
2023年に開催されたAppleの開発者会議WWDC23内で発表された「Game Porting Toolkit」を使うと、WindowsゲームをM1、M2などのAppleシリコン搭載Macへ簡単に移植できるようになるそうです。
この「Game Porting Toolkit」は、DirectX 12のゲームにも対応しているらしく、今後発売されるゲームは、対応プラットフォームにMacが入ってくるかもしれません。
Macのグラフィック性能はそれなりにあるので、軽いゲームであればMacでも十分に楽しめそう。今後が楽しみですね。
そもそもM2チップ、M3チップって何?
ここまで「M2/M3チップ」を搭載した『MacBook Air』で出来ることと出来ない事を紹介してきましたが、そもそも「M◯チップ」って何なのか?と解説してきます。
「M1/M2/M3チップ」とは、Appleが独自開発した「SoC(システムオンチップ)」の事。
SoCとは、CPUやGPU、機械学習用のNeural Engineなど、様々な機能を持ったものを1つの半導体の中に収めたもの。
「M1チップ」搭載前のMacは、CPUはIntal、GPUはAMDといった様にそれぞれの役割ごとに別々のチップを搭載していましたが、「M1チップ」により、それらを全てまとめ1つのチップの中に統合しました。
1つのチップの中に統合することでより効率よく処理が行なえ、更にApple自身が設計している事もありMacOSに対して完全に最適化されています。
そのため、スペック以上にあらゆる処理を効率的かつ高速に行えるのが「M1チップ」であり、それらを更に進化させてきたのが「M2・M3チップ」ということになります。
M1、M2、M3の違い
2024年には、最新チップである「M3」チップを搭載した『MacBook Air』が発売になりました。
初代「M1 MacBook Air」から最新モデル「M3 MacBook Air」のスペックを比較したのが下記の表です。
M1 MacBook Air | M2 MacBook Air | M3 MacBook Air | |
---|---|---|---|
SoC(シリコンオンチップ) | M1 CPU:8コア GPU:7コア 16コアNeural Engine | M2 CPU:8コア GPU:8/10コア 16コアNeural Engine | M3 CPU:8コア GPU:8/10コア ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング 16コアNeural Engine |
メモリ | 8GB/16GB ユニファイドメモリ | 8GB/16GB/24GB ユニファイドメモリ | 8GB/16GB/24GB ユニファイドメモリ |
メディアエンジン | ハードウェアアクセラレーテッドH.264およびHEVC ビデオデコードエンジン ビデオエンコードエンジン | ハードウェアアクセラレーテッドH.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW ビデオデコードエンジン ビデオエンコードエンジン ProResエンコード/デコードエンジン | ハードウェアアクセラレーテッドH.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW ビデオデコードエンジン ビデオエンコードエンジン ProResエンコード/デコードエンジン AV1デコードエンジン |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB SSD | ||
ディスプレイ | 13.3インチ Retinaディスプレイ | 13.6インチ Liquid Retinaディスプレイ | 13.6インチ Liquid Retinaディスプレイ |
カメラ | 720p FaceTime HDカメラ | 1080p FaceTime HDカメラ | 1080p FaceTime HDカメラ |
オーディオ | ステレオスピーカー | 4スピーカーサウンドシステム | 4スピーカーサウンドシステム |
ワイヤレス | Wi-Fi 6 Bluetooth 5.0 | Wi-Fi 6 Bluetooth 5.3 | Wi-Fi 6E Bluetooth 5.3 |
ポート | Thunderbold / USB4ポート×2 | MagSafe 3充電ポート×1 Thunderbold / USB4ポート×2 | MagSafe 3充電ポート×1 Thunderbold / USB4ポート×2 |
セキュア認証 | Touch ID | ||
バッテリー駆動時間 | 最大18時間 | ||
本体サイズ (幅×奥行×高さ) | 30.41×21.24×0.41〜1.61cm | 30.41×21.5×1.13cm | |
重量 | 1.29kg | 1.24kg | |
カラー | スペースグレイ、シルバー、ゴールド | ミッドナイト、スターライト、スペースグレイ、シルバー | ミッドナイト、スターライト、スペースグレイ、シルバー |
価格 | 販売終了 | 133,800円(税込)から | 149,800円(税込)から |
赤文字の部分が大きい変更点です。
M1〜M3を眺めてわかるのが、CPU・GPUなどのコア数はそこまで大きく違わないという点です。もちろん世代が新しくなるにつれ性能自体は向上しているのですが、劇的な進化というものはありません。
特に、M2とM3に関しては違いが小さく、ハードウェアレイトレーシングに対応した事と、メディアエンジンとしてAV1をサポートした事が主な進化点です。
これらは3Dグラフィックや動画エンコード時には恩恵があるものの、これまで見てきたような「オフィス作業」や「ブログ投稿」などの作業には、ほぼ影響はありません(なんならM1でも必要十分)
これらを含め、「MacBook Airで何をするのか?」を考えて選ぶと良いでしょう。
MacBook Airで何ができるのかのまとめ
ここまで『MacBook Air』で出来ることやデメリットなどを見てきました。
最後にまとめると、一番安い『M2 MacBook Air』でも、ほとんどの作業は十分にできます。
4K動画をゴリゴリ編集したいとか、3Dソフトでバリバリモデリングしたいとかじゃ無い限り、力不足を感じることはあまり無いでしょう。
ただ、一番安いモデルだとストレージの容量が256GBとかなり少ないので、512GB、もしくは1TBくらいには増やしておきたい所。もしくは外付けSSDを用意するとかでも良いかもしれません。
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